カネロが最強?/スーパーミドル級の真実

なんとなくスケジュールを見渡して、正規と暫定?の統一戦としていいカードだなぁと感じたデビッド・ベナビデスVSアンソニー・ディレル、そういえばカネロで話題独占のミドル級だが、カネロはスーパーミドル級の王者でもありこっちの階級の方が王者含めて顔ぶれが多彩で面白いんじゃないかなということで復習してみた。

カラム・スミスも当時は目立たず・・・

WBC王者 アンソニー・ディレル

33勝24KO1敗1分

アンドレの弟という認識しかなかったけどもう34歳なんだな。身長188センチ。唯一の敗北がバドゥ・ジャックにMD、サキオ・ビカにSDでドロー(再戦で勝利)というのが残念な感じだがそれ以外に負けはない。試合が少なく地味な印象を受けるが、これが結構大変なテクニシャンである。
黒人特有のしなやかさとアジリティを感じる天才肌のボクシングをみせるも、兄と同様ここ一番での爆発力がなくやや横着な態度をみせることがある。
ディフェンスが上手いのでロープに下がり相手に打たせる場面が多い。攻撃は鋭いが長くは続かない。休む、ごまかしが上手いところがそのまま欠点になっている。大成しない天才型に多いスタイルだが、堂々と本来の王者、デビッド・ベナビデスとの試合に臨む。

https://www.youtube.com/watch?v=T3q9YBvpMaM

WBC(暫定?)王者 デビッド・ベナビデス

21勝18KO

本来彼が絶対王者であったがコカインだかマリファナでアウト、はく奪、出戻りとなっているまだ22歳の大器。身長187センチ。
兄のホセは有望なアマチュアだったが、銃で撃たれて脚を損傷しテレンス・クロフォードに敗れヒーローになれず。その後も路上レースで捕まったりしている。
素行が怪しい兄弟だ。

兄ほどアマの経験がなくプロで大成したデビッドだがスケールは兄以上でクラシカルで破壊的な殴り合い、正直に強い本格派だ。
若さとパワー、伸びしろ、人間としての強さという点で今も昔も個人的にはナンバーワンのスーパーミドル級だが素行が悪く信用できない。
ディレルとの試合は体格差なくスキルではディレルが上だとおもうが、ぶっ倒す、潰すファイトで若きベナビデスが有利だろう。
強さ、怖さのあるファイトをするので対戦候補がなかなか名乗りをあげないだろう。

WBA王者 カラム・スミス

26勝19KO

身長191センチの29歳、WBSS優勝で王者としての実績は浅いがいつのまにかスーパーミドル級のナンバーワン評価になっている。
体格よくきれいなアウトボクシングが上手くパンチもシャープで当て勘もある。アッサン・エンダムを教科書のように圧倒しミドル級とは訳が違う強さをみせた。
年齢的にも人気的にも今一番勢いがあるといえるだろう。しかし打たれ強そうにはみえない。体格や体力が変わらない相手とやった時に本性が露呈するとみている。

https://www.youtube.com/watch?v=jA0O55r2wtk

WBA王者 カネロ・アルバレス

52勝35KO1敗

カネロが正規王者でカラム・スミスがスーパー王者なのかもしれない。よくわからない。身長173センチ。
ご存知、現代ボクシング界ナンバーワンのお金持ち。みんなカネロとやりたい。しかし主戦場はミドル級で、この階級はいい相手がいた時だけの別宅のような存在。

https://www.youtube.com/watch?v=U8nR5glnEhg

WBAゴールド レノックス・アレン

22勝14KO1分

全く知らない34歳のガイアナ人。しかしアメリカ在住。戦績はいいが、唯一の引き分けがダーネル・ブーン(ここでも出てきた伝説のゲートキーパー)

https://www.youtube.com/watch?v=h10nw7e3zis

IBF王者 カレブ・プラント

19勝11KO

身長185センチの27歳。新王者でもっと小さく非力にみえるも、戴冠したホセ・ウズカテギ戦、初防衛のマイク・リー戦、素晴らしい内容だった。
身体能力が高く、黒人的アジリティの高いテクニカルでスピード溢れるファイトをする。見切り、タイミングがよくタイミングのダウンを鮮やかに奪う。
脚を使った出入りのボクシングなのでバッティング等で出血したり後半になると精度が落ち、体力、フィジカル的に苦戦しそうだ。
鮮やかにダウンは奪うが相手がボコボコに効いているわけではない。スピード、見栄え、前半のキビキビした動きは階級で一番かもしれない。

WBO王者 ビリー・ジョー・ソーンダース

28勝13KO

無敗の2階級王者。デメトリアス・アンドラーデとの試合を前にクスリでサスペンドされ、人知れず階級を上げて無名の相手に勝って2階級王者となった。
アンドラーデとやっていたらどうなっていたのだろう。
身長180センチのズングリ型でパワーもないが、徹底したヒットアンドランのアウトボクサーの判定型。スキルとフットワークで相手をコントロールするタイプで打ち合わない。英国内ライバルと戦っていくのが関の山か・・・

というわけでアンケート
私はベナビデスです。

その他有望なランカー(かなり厳選)

クリス・ユーバンクJr

28勝21KO2敗

少し小柄で攻撃に単調なところがあるのかもしれないが、個人的にはかなり好みで才能豊かだとおもう。ベナビデスらと比べるとミドル級サイズだ。
スピーディーでエキサイティングな試合をするが、英国内での活躍で終わってしまうかもしれない。

アジズベック・アブドゥゴフロフ

12勝4KO

デビュー5戦目で94勝2敗のシリモンコンに勝ったウズベキスタンの選手だがその後は判定ばかりになっている。

ヒョードル・チュディノフ

21勝15KO2敗

ロシアの若き剛腕も31歳になった。一瞬だけ王者になったが、(恐らくドーピングの)フェリックス・シュトルムに敗れ、ジョージ・グローブスにも逆転KOされた。
その後はなんとか全勝をキープしているが不安定な試合ぶり。ロシアでの期待値は高い。

ユルゲン・ブリーマー

51勝37KO3敗

WBSSでロブ・ブラントに勝ったが次に棄権したままなのでまだ白黒ついていない。181センチと背は高くないが屈強な肉体でライトヘビー級でも戦っていた。
もう40歳で選手権コーチ、トレーナー、むしろドイツの指導者としての立場を確立しているようだ。

ビンセント・フェイゲンブッツ

30勝27KO2敗

ドイツの倒し屋でまだ23歳。勝っても負けてもKOというわかりやすそうな選手なので大舞台でみてみたい。

https://www.youtube.com/watch?v=jub1_aIu-E8

ウラジミール・シスキン

8勝5KO

ロシアのトップアマ出身で未だ無敗だが抜けたものは感じない。

ピーター・クイリン

34勝23KO1敗1分

元大柄なミドル級王者も36歳になった。ダニエル・ジェイコブスとのブルックリン対決に敗れかなり劣化してしまった印象を受ける。
カレブ・トゥルアックスとの決着をつけて這い上がってこれるか。

https://www.youtube.com/watch?v=OLyukxQhTPc

ジョン・ライダー

28勝16KO4敗

小柄で戦績もあまりよくないが試合はかなりエキサイティングでWBA1位まで来ている。英国人同士の世界戦がありそうだ。

https://www.youtube.com/watch?v=ZkopgBKKB5Q

アイドス・ヤーボシーヌリー

Aidos Yerbossynuly
11勝8KO

なんて読むのかわかりません。カザフスタンの27歳でアマの経験が豊富そう。

ジェム・クルチ

Cem Kilic
14勝9KO

ドイツの無敗の25歳

ザック・ダン

29勝24KO1敗

オーストラリアの倒し屋。痛恨の敗北があるがこれだけキャリアがあるなら一度くらいはチャンスを。

ミハエル・ディアロ

Mickael Diallo
18勝15KO2分

フランスでこのKO率はパワーがあるのだろう。

フリオ・アラモス

Julio Alamos
12勝6KO

チリのランカーでアマチュア歴もある。

ザック・パーカー

Zach Parker
18勝12KO

ザックダンとややこしいがこちらは英国の無敗選手。WBSSの前座か何かでダーレイ・ウィリアムスとどっこいの試合をしていたのでまだまだだろう。大事に育てられている。

https://www.youtube.com/watch?v=0il0s2ZCQ08

エフゲニー・シュベデンコ

Evgeny Shvedenko
12勝6KO

ドイツ拠点のロシア人。アマチュア出身だろう。

https://www.youtube.com/watch?v=h_D7HapklWI

エリック・バジンヤン

Erik Bazinyan
23勝17KO

アルメニア生まれのカナダ人。若く風貌に華がある。

ロハン・マードック

Rohan Murdock
24勝17KO1敗

オーストラリアの27歳、ほとんど国内の実績なのでわからない。

アスランベック・イディゴフ

Aslambek Idigov
16勝7KO

ロシア発アメリカの選手なので有望そうだが、身長173センチは本当かな。カネロと同じサイズ。

レロン・リチャーズ

Lerrone Richards
12勝3KO

イギリスの五輪代表っぽい。フランク・ウォーレンに大事にされてキャリア構築中。

メイト・キス

Mate Kis
15勝10KO2分

ハンガリーの選手でよくわからん。キスメイトになってる。

https://www.youtube.com/watch?v=LRZWCWMo_-A

という結果になりました。
あれれ、米国、ロシア、キューバあたりに強いのがゴロゴロいるかとおもったらいませんでした。
勉強不足もありますが、王者勢が断然強いでしょう。

流行り言葉に「忖度」というのがありますが、スーパーミドル級はヨーロッパに忖度でもあるのか欧州勢の無名選手が多くランクされており、まるで英国の階級のようです。
これなら、世界ランキングをみるより米国のスーパーミドル級ランクをみた方がレベルが高そうです。

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