フェアな洞察力/ジュリアン・ウィリアムズVSジェイソン・ロザリオ

ジュリアン・ウィリアムズは次が初防衛戦。まだ評価の定まらない新米王者に過ぎず、階級に強敵は多い。しかし、超一流、レジェンドクラスのファイターになるべくその姿勢、心構えは素晴らしい。

WBO、IBF、WBA、IBOジュニアミドル級ジュリアン「Jロック」ウィリアムズは1月18日(日本時間19日)ジェイソン・ロザリオの挑戦を受ける。

2011年以来、地元での凱旋初防衛戦となる。

ウィリアムズ
「俺はただただ世界から自分を隔離しようとしている。特に地元は誘惑が多い。俺の楽しみは勝つことだけだ。他の楽しみは気にしない。トレーニングキャンプだって楽しいものにしてはいけない。退屈なくらいでいいんだ。」

ウィリアムズは決してロザリオを甘くみてはいないが、いくつかの課題を乗り越えて勝つことを目指している。

ウィリアムズ
「ロザリオは世界王者になりたいという大いなる野心を持って挑んでくるだろう。けれど自分は困難な試合だとはおもっていない。ただ試合に集中することが大切なんだ。ロザリオはいいファイターだが、彼をレイ・ロビンソンにするつもりはない。」

ウィリアムズはさらなる高みを目指している。

ウィリアムズ
「世間の俺に対する評価は低いだろう。でも目の前の仕事に集中するためにそんなことを気にするのはやめた。俺にとって目の前の仕事とはパウンドフォーパウンド、世界一のファイターになることだ。ジュニアミドル級最強でも、4団体統一王者になっても満足しない。

世界最高のパウンドフォーパウンドになれる可能性があるのにどうして自分を過小評価する必要があるんだ。この先の未来に無限の可能性が広がっている。何百万ドルだって稼いでやるさ。」

ジュリアン「Jロック」ウィリアムズは番狂わせでジャレット・ハードから3つの王座を奪ったラッキー男であり3冠王者といえどまだ何も試されていない。過去、ジャモール・チャーロに痛烈にノックアウトされているのも記憶に新しい。

しかし彼は、かなり「まとも」で、クラシカルといえるほど美しいファイターであり、意識がとても高い。敗北を糧にハード戦では接近戦と激しい連打でハードのお株を奪うかの如き力強い試合を披露してみせた。足を使って逃げたり捌いて勝てる相手ではないと覚悟を決めた素晴らしいファイトだった。

「現時点で井上こそが世界最高のファイターかもしれない。もちろん、彼は層が厚いとはいえないバンタム級の選手で、対戦相手の選択肢も限られるから、判断するのは難しい。ただ、私が考えるに、現役最高の選手はワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、テレンス・クロフォード(米国)、井上のうちのいずれかだろう」

これはウィリアムスではなく、彼のトレーナー、スティーブン・エドワーズの言葉だが、ウィリアムズもこう言っていた。

ウィリアムズ
「私はイノウエを愛している。凄まじいファイターだ。しかし、私のお気に入りのファイターの1人であるノニト・ドネアが2009年をフラッシュバックさせるところも見たかった。118ポンド(バンタム級)でエストラーダ対イノウエ。そうだ。私はこの試合のためならどこにだって飛んでいく。スキル、スピード、パワー。思うに、ボクシング界で実現できる最高のファイトかもしれない。」

他のボクサーに対する洞察力が高いと感じる。ロマチェンコでさえ、「田中や井上のことはよく知らないんだ」と話す中、軽量級をちゃんと見ているのは偉い。

ウィリアムズは、スーパーウェルター級という戦場で、ノニト・ドネアやファン・フランシスコ・エストラーダ、そして井上尚弥のようになりたい、そうなろうと懸命に努力している。そんな気がしてならない。

だからこの先の進化を願って応援したい。

ジェイソン・ロザリオ 19勝13KO1敗1分

敗北はナサニエル・ガリモアに逆転KO負け。勝ちそうなペースだった。ガリモアはウィリアムズにもMDで健闘している。(しかしエリクソン・ルビンに完敗した。)

24歳、ドミニカの若いファイターらしく、ナチュラルな素質、才能は高いが、完成度が高いとはいえずポカをする、いかにも南米プロスペクトだ。アップセットの可能性や素質は十分だが、順当ならより穴のないウィリアムズだろう。

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