11月19日に米ネバダ州ラスベガスで4団体王座統一戦を開催する全ての条件に合意したと、米スポーツ専門局ESPNが15日報じた。他のどんな世界戦よりも、今年一番のビッグマッチがいよいよ実現か。
例えるなら 虎 vs 獅子
WBO王者 テレンス・クロフォード 34歳
38勝29KO
身長173センチ、リーチ188センチ
WBAスーパー/WBC/IBF王者 エロール・スペンスJr 32歳
29勝22KO
身長177センチ、リーチ183センチ
巷のオッズでは、P4Pトップ常連のクロフォードが6-4か7-3で有利といったところか。
ライト級からの3階級王者クロフォードは、ウェルター級に上げてからは全KO。スペンスと共通の相手、ケル・ブルックやショーン・ポーターもスペンスより楽にノックアウトしている。左右自在のスイッチヒッターでディフェンスも鉄壁、完全無欠のコンプリートファイターぶりをみせつけている。
対するスペンスはナチュラルウェルター級でフィジカルの強いサウスポー。常に相手よりパワー、フィジカル優位でポーカーフェイスで殴り勝つ。苦戦も判定も増えたが、どんな相手に対しても負けはないなという余裕がどこかにある。
38勝29KO、レジェンドのメイウェザーより人気はないが、試合内容は面白く、KOも多く万能ぶりを感じさせるクロフォードの底はどこにあるのだろう。未だに底なしの強さを発揮し続けている。強いていえば、超強打者のエギディウス・カバリャウスカス戦で幻のダウンシーンがあったが、あれはダウンだったよなぁ。
個人的にも、底知れぬスイッチヒッターのクロフォードでしょと言いたいところ、ここを敢えて、スペンスと予想してみる。
スペンスはオリンピック代表(メダルはとれなかったが、金のサピエフもこのように評価している。)
過ぎたるは猶及ばざるが如し/セリク・サピエフ
スペンス最大の苦戦は、ショーン・ポーター・・・ではなく、フェラーリ全壊の交通事故だ。死んでもおかしくない大事故を起こしておきながら、ケロッと再起した。再起後のダメージもみられない。
ダニー・ガルシア
ショーン・ポーター
ヨルデニス・ウガス
どの戦いも簡単なものでなく、接戦といえた。
特にウガスとの試合では、無防備、気を抜いた瞬間に打たれ、足が揺れた。
メイウェザーと戦ったビクトル・オルティスだったら大の字、失神していただろうパンチを食ってから鬼人のように反撃し、ウガスをストップしてしまった。
スペンスにもまた、ナチュラルな底なしさを感じる。五輪代表の技術をベースに、セオリーにない、型のないパンチ、強さを備えている。
もちろん、競技である限り、優劣、決着はつきものだが、スペンスの底なしのフィジカルパワーが、クロフォードの魔法を解いてしまうのではないかと予想(期待)している。
私にとっては、型なし(底なし)VS型なしの戦いだ。
カネロがまだミドル級未満の契約体重だった頃から、この2人との対戦も囁かれていたが、実現することは決してなく、どんどん階級を上げていったが、本当に観たい、危険な相手はこの2人ではなかったか。
カネロVSGGGでは勝者のカネロもP4Pの順位を上げるほどではないと感じたが、この試合の勝者がP4Pナンバーワンになっても異論はない。
両者に底なし、型なしの強さを感じているが、私にとってはスペンスのナチュラルフィジカルの方が脅威であり、クロフォードはほとんど打たれないけど、実は脆さがあるのでは?と感じているので、スペンスに賭けてみる。
判定でクロフォード
ノックアウトでスペンス
だろうか。
メイウェザーのエキシビジョンに浮かれている人々に、この両者こそ現代のトップ2であると伝えたい。金稼ぎのお祭りであればどんな相手も巡業するが、プロボクシングで彼らにはもう敵わないと感じたからこそ、メイウェザーは引退したのだ(とおもっている)40歳を超えて、彼らとガチで試合などまっぴらだ。
そして、ウェルター級を無敗で統一した男には、是非次世代の怪物、ジャロン・エニスにも胸を貸していただきたい。
ウェルター級の頂上決戦は、それだけでボクシングを象徴するご馳走だ。