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ガイアナの疾風/(シックスヘッズ)アンドリュー・ルイス

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大活躍できず儚く消えたファイターの中にも才能だけは輝かしかったものがたくさんいる。(シックスヘッズ)アンドリュー・ルイスを覚えているだろうか、たった1度防衛のウェルター級王者だが覚えているとしたらそれだけの才能があった惜しいファイターだったという事だ。

2001年、3人の無敗のウェルター級王者がいた。
WBC王者は(シュガー)シェーン・モズリー、IBF王者はバーノン・フォレスト、WBAにも無敗の王者がいたが、2人の米国人王者との対戦は叶わなかった。対抗できるツールを備えていたがネクストレベルに到達することなく去った王者、それが(シックスヘッズ)アンドリュー・ルイスだ。

ルイスはサウスポーの倒し屋で、ニックネームの“シックス・ヘッズ”は倒された相手があまりのパンチの強さにルイスの頭が6つに見えたエピソードにちなんで命名された。南米、ガイアナのジョージタウンで生まれ育ち、国際舞台のアマチュアで活躍するほどの実績を作りバルセロナ五輪にも出場した。1993年、プロに転向、8戦全KO1分とした。ガイアナだけに留まる才能ではない彼は故郷を離れる準備をした。

1996年、ニューヨークブルックリンに移住、11戦全KO勝ちの快進撃を記録。しかしその活躍に相応しいプロモートを受けることができなかった。プロモーターのドン・キングはフェリックス・トリニダードやシャンバ・ミッチェルのプロモートに忙しく、シックスヘッズの宣伝に積極的ではなかった。

2001年、初の世界戦で世界は遂にシックスヘッズを知ることとなる。
1月17日、MGMグランドで行われたWBAのウェルター級王座決定戦で、元王者のジェームズ・ペイジと対戦。HBOボクシングアフターダークのダブルヘッダーで行われたステージでシックスヘッズはファンの期待以上のパフォーマンスをした。

オッズは強打者のペイジが有利だったが、初回からクイックでアクション満載な試合を展開、2回にアッパーでペイジからダウンを奪う。その後もジャブとコンビネーション、とりわけアッパーを効果的に使いペースを支配、7回右で再びペイジを倒し、ペイジの棄権によるTKO勝利を収めた。

HBOはこのパフォーマンスに感銘を受け、シックスヘッズのサポートを開始、わずか2カ月後のKOnationですぐさまルイスを起用し、ラリー・マークス相手にユナニマス判定勝利で初防衛に成功。

ルイスとモズリーの統一戦の話が浮上したが、モズリーはより安全なエイドリアン・ストーンとの防衛戦を選び対戦は消滅、ルイスは当時無名のリカルド・マヨルガと対戦した。

ロイ・ジョーンズJrVSフリオ・ゴンザレスのPPVとセットで放映されたカードで両者が偶然のバッティングで2回でノーコンテスト。9か月後に再戦が組まれた。白熱の展開で迎えた5回、マヨルガの左フックでルイスがダウン、立ち上がるも続行の意思を明確に示さずTKO負けで王座陥落。(シックスヘッズ)アンドリュー・ルイスにとって初黒星にしてもう2度と世界王者に返り咲くことはなかった。

2003年、WBOウェルター級王者、アントニオ・マルガリートに挑戦も2回TKOで敗北

米国を離れ故郷のガイアナに戻る。2年の歳月を経て、母国でダニー・デルトンと再起戦に臨むもテクニカルドロー。半年後の再戦でルイスは7回まで一方的にリードしていたがミルクセーキを飲んで腹を壊し試合が中断、TKO負け扱いになった。1年後、みたびデルトンと戦い、判定勝ちで汚名を晴らした。

2008年、ガイアナミドル級王座をかけてハワード・イーストマンと対戦するもスプリットで敗れこれが最後の試合となった。

生涯戦績23勝20KO4敗2分

ルイスにスポットライトが当たったのはごく短い期間だったがとてもエキサイティングなファイターだった。当時の対立王者、シェーン・モズリーやバーノン・フォレストと対戦できなかったのが残念でならない。ルイスは彼らに対抗できるスタイルとパワーを持っていた。

偉大な王者になることができなかった、とても優れたファイターの一人、それが(シックスヘッズ)アンドリュー・ルイスだった。

2015年5月4日、首都ジョージタウンの郊外で、自転車で走行中に車に引かれ、搬送先の病院で死亡した。44歳だった。

こんな選手いたなぁという事で紹介、(シックスヘッズ)のニックネームはガイアナ発というミステリアスも手伝って、双頭コブラのような、SFホラー映画のような怖さがあった。身体能力、センスは相当で、いいキャリアを積んでいればレジェンドクラスにアップセットを起こせる才能があったとおもうが、マヨルガやマルガリートのような猛者に潰された。そういうところも粗削りなガイアナ人らしい。

アンドリュー・ルイスという平凡で有名な学者あたりがいそうな名前より(シックスヘッズ)として永遠にその名を刻もう。

時代を飾った、当時無敗のウェルター級王者バーノン・フォレストも銃撃で既にこの世を去り、一番出世し成功を収め、なにより健在なのはシェーン・モズリーだけとなった。当時からフォレストが一番強いと感じていたが、彼もマヨルガにキャリアを狂わされた。

フォレスト、シックスヘッズ・・・
才能は比肩しうる者たちであっても、人生はあまりに違い過ぎる。

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プクー

原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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