日本のロッキーは終わらない/木村翔VS田中恒成

たぶんですが、日本のメディアより先に木村翔は「日本のロッキー」と紹介されていました。
めちゃくちゃかっこいいです。やってきた事、生き様・・・
そしてわずか2か月のスパンで最強の挑戦者のアウェーに乗り込む心意気・・・

田中も好きだが木村も応援せずにはいられない。

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木村翔が世界王者になるとは、日本のボクシングファンでさえ考えていなかった。誰も知らない、ハングリーなこのボクサーは、多くのメダルとトロフィーを獲得したエリートを破り世界王者になった。それはさながら日本版「ロッキー」のようです。

木村のプロデビューはわずが1分15秒で終わった。同じくデビュー戦の王子翔介(E&Jカシアス)にノックアウト負けをした。

木村自身は自信に満ち、負けるとはおもっていなかった。しかしこの時点でほとんどのファンもメディアも、木村をホープのリストから抹消した。

こうして、東京の青木ジムという小さな拠点から、木村は目立たぬ裏街道を歩んでいくことになった。

しかし彼は敗北の後、日本やタイの小さなイベントで戦いながら夢を追い続けた。(プロモーターの有吉の尽力が大きい)最初にやってきた大きなチャンスは、WBO王者、ゾウ・シミンへの挑戦だった。五輪2大会連続金メダルのシミンは中国の巨大なスターで、トップランクと契約しプロキャリアを構築していた。

シミンにとっての木村は中国でシミンが派手に勝つためのアンダードッグであることは明白だった。しかし木村は2017年7月28日、11ラウンドでシミンをノックアウトした。

その後も、元WBC王者の五十嵐 俊幸(帝拳)、フローイラン・サルダール(比)をいずれもKOで破り2度の防衛に成功している。

しかし、9月24日に名古屋で行われる3度目の防衛戦、無敗の2階級王者、田中恒成戦は厳しい戦いが予想される。23歳の田中はミニマムとライトフライでWBOタイトルを獲得しており、日本のP4Pスターと言われる井上尚弥と同じく、8戦目での最短王座獲得記録を持っている。田中がこの試合に勝てば、ウクライナのワシル・ロマチェンコと並ぶ12戦目での3階級制覇となる。

高校生のアマチュアエリートであった田中はスピードもテクニックも木村よりはるかに優れているが、この試合を甘くみていない。

田中
「この試合には危機を感じます。木村は世界戦全てKOで3試合のうち2試合を海外で戦った。アウェーで戦うことに慣れている。」

試合は田中の地元、名古屋で開催されるが、それが田中のアドバンテージとは考えていない。

一方の木村は自信に満ち溢れている。木村と有吉は試合前にピークが訪れるのを防ぐために素晴らしいコンディションを作りあげた。木村のファイトスタイルを知らない者は彼のスタミナに驚くだろう。彼は12ラウンド、トップギアで戦う。木村のスタミナの秘訣はトレーニング方法にある。この試合のために2週間タイでキャンプを行い、亜熱帯の中、1ラウンド4分、12回のスパーリングを何度も行った。

木村は「日本のロッキー」となってもまだ満足していない。未だハングリーで日本以外のボクシングファンにも「チャンピオン」と称する価値があることを証明しようとしている。

いよいよ明日に迫った注目の日本人対決

前日計量を全国配信しておきながら、当日の試合はローカルでしか観れないという理不尽にどう向き合えばいいのだろう。エリートボクサーと称される田中ですが、過保護な選手ではなく、反骨で逞しく、強者を恐れぬ頼もしい若者です。

対する王者はそんな田中が乗り越えるべき壁のような骨太のケンカファイター。超エリートのゾウ・シミンを破ってからの快進撃はさながらロッキーで、ホンモノのプロらしい強さをみせている。

どんな展開になるのか
どんな試合になるのか

マニアであっても想像しにくい両者の激突です。
木村の強さが本物であれば木村が・・・
田中の準備と才能が本物であればやっぱり田中・・・
それしか言えません。

リアルタイムで観れる方も観れない方も、固唾をのんで見守りましょう。


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コメント一覧
  1. 7R残り26秒あたりに、木村の右がヒットし田中がよろける場面で、レフリーが割って入ってスリップとして仕切り直し処理したシーンは、木村としては不運でしたね。

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  2. 問題の7ラウンドはあきらかに、
    田中は木村の右フックをくらい手をついてダウンしてます。スリップになりましたが。ジャッチは3人とも10-9で田中。しかしダウンだと10-8で木村となり、判定は2-1で木村の勝利になってます。アウェーとはいえ、あれが海外ではどうでしょう。
    序盤は田中はさすがでしたが、
    田中は7ラウンドあたりから、動きがおち、足をつかい、休んでごまかしてましたが、体力を温存して、最後にそなえたんでしょう。11、12は気力で勝負してましたね。しかし木村のスタミナは異常です。

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  3. 田中恒成選手はどうしてもパンチをもらってしまう、それでいて強い相手と果敢に戦っていくので、身体が心配になってきてしまいます。

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  4. 少々辛口かもしれませんが前回記事でコメントさせてもらった通り田中はローカル王者で相手に合わせてしまう日本人好みの激闘型タイプかも、、、という印象でした。ボディをもっと打てれば。 試合はあまり良い試合とは思えませんでした。。。
    木村は見上げたスタミナではありましたが、打たれ強いという分けでは無いようでした。
    私の採点は117-111木村が取ったのは9,10,12で9は田中に余裕がありそうでしたが手数が無かった。結果が拮抗していたので木村に甘く見れば3,5は木村に流れたとしても115-113で田中。でした。田中は試合の中での流れでというよりも決め打ちのような打ち方が気になりました。カウンターも相手が打ってくるのを待ってしまって、、、。
    今後に期待、して良いのか分かりませんが取り合えず田中はして欲しい相手とするタイプのようですのでそこに期待したいです。

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  5. 序盤、田中のボクシングのハイテクっぷりが良く、動きながらパンチをもらわずヒットを重ね、要所でのカウンターkoで田中が勝つイメージも湧きましたが、、、、やはりそう簡単にはいかず、熱戦になりました。
    ジャッジの3人が同様に判定したラウンドは、合わせて5ラウンドしかなく、3対2で田中の勝ちでした。

    田中選手がハイテクから途中で作戦を変えるのは、疲れるからなのでしょうか。打ち合いたい性格だからでしょうか。気になります。

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  6. 木村の様に実力でのし上がってきたボクサーは応援したくなりますね。
    試合間隔だけが気になりますがここをクリアして更に上を目指して欲しい。

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  7. 二人ともイケメンではないが、いい面構えです。世界的なスターになる期待を込めて田中と予想しますが、木村が勝ってもこの先も楽しめそうです!

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  8. 何がなんでもライブで観たかった試合
    木村のワイルドな試合運びに田中はどう向き合うのか
    二人にとって試金石
    木村を応援しているが
    紙一重の試合になるだろう

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  9. この試合、昨今の日本人対決では一番ワクワクする組み合わせですね。相反するキャリアを重ねて来た両者ですが、どっちも王道というかボクシングファンが納得するキャリアの2人ですよね。どっちが勝っても嬉しいし、どっちが負けても悔しいような。
    これぞリアルボクシング、楽しみです。

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  10. まさかここまでの注目試合になるとは(ボクシングファンの間だけだが)。事前の予想でもイーブンに近そうですが、田中恒成の進化を見せてほしい

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