マーキーな男/スーパーフェザー級シャクール・スティーブンソンの野望

「黒人であること、サウスポーであること、そして素晴らしいこと。」

3つのストライキといえる条件を兼ね備えた、まだ22歳のシャクール・スティーブンソンは全ての障害をクリアしてキングになれるのだろうか。それともゲイリー・ラッセル・Jrのように無視され、いなかった事にされるのだろうか。

WBOフェザー級王者のシャクール・スティーブンソンはスーパーフェザー級に転向し、オスカー・バルデスやレオ・サンタ・クルスをターゲットにしていく。この2人がシャクールが狙うトップネームだ。

リオ五輪銀メダリストのスティーブンソンは今はまだフェザー級の王者であり、IBF王者のジョシュ・ウォーリントンとの統一戦を目指していた。しかしウォーリントンがWBAレギュラー王者のカン・シューと戦う方向に向かっていることが明らかになった。

それは世界中のボクシングファンには残念なニュースだが、ウォーリントンの勝機が高くなることだけは間違いない。

スティーブンソンがスーパーフェザー級でやっていくためには以下のファイターを倒す必要がある。

ミゲル・ベルチェルト– WBCチャンピオン
レオ・サンタ・クルス– WBA
ジョセフ・ディアス– IBF
ジャメル・へリング– WBO
オスカー・バルデス
ワシル・ロマチェンコ –彼が130に戻ったら
クリス・コルバート–高い評価を受けたプロスペクト

スティーブンソン
「ええ、俺は次の試合はスーパーフェザー級でやります。ウォーリントンが俺との闘いを避けたことで選択肢がなくなった。だからすぐにスーパーフェザー級に移行する。結局それが俺のやりたかったことだしね。俺はイギリスに行ってウォーリントンとやる気だったのにね。あまり無駄なブランクは作りたくないんだ。」

ウォーリントンには地元英国のリーズに絶大なファンベースがあるが、スティーブンソンが世界にアピールするためにはもっと素晴らしいファイターがたくさんいる。

スティーブンソン
「俺はオスカー・バルデスのベルトを引き継いだ。彼がどうしてベルトを返上したのか何か理由があるはずだ。今バルデスはベルトを持っていないが、俺は彼と戦いたい。ファンにとってビッグな試合になるとおもう。」

トップランクのボブ・アラムは、今年か2021年に、オスカー・バルデスVSミゲル・ベルチェルトを実現させるつもりだ。バルデスに辿り着くにはスティーブンソンは待つ必要がある。バルデスが負けたらこの試合はなしになる。

バルデスがベルチェルトに敗れることは、大手プロモーションにとって大きな痛手となる。バルデスもスティーブンソンもトップランクだが必ずベルチェルトに勝てるとはいえない。プロモーションの思惑が大いに入るだろう。

スティーブンソン
「タンク(ジャーボンティ・デービス)がサンタ・クルスとの試合が出来ないならば、俺がサンタ・クルスとやりたい。サンタ・クルスの出身地はどこだ?カリフィルニア?ならば俺がそこに乗り込んで、観客全部がサンタ・クルスを応援しているリングで彼を殴りに行く。

タンクVSサンタ・クルス?タンクはスーパーフェザー級を作れないだろう。タンクとライアン・ガルシアがいい組み合わせだとおもう。互いにまだ試練といえる試合をしたことがないけど、タンクが勝つとおもうよ。」

ジャーボンティ・デービスVSライアン・ガルシアはすぐには実現しないだろう。ガルシアは強くアピールしているが、ゴールデンボーイプロモーションがそんな危険を犯すことはないだろう。ライアン・ガルシアは恐らくファイターとしてよりおしゃべりが達者なようだ。最終的にライバルに直面した時に危険にさらされる可能性が高い。

スティーブンソン
「オスカー・バルデスや他のトップガイと戦えないのであれば、チューンナップをすることになるだろう。バルデスはベルチェルト、ヘリングはフランプトン、サンタ・クルスはタンクと話をしている。ジョセフ・ディアスはテビン・ファーマーと再戦だろ、だから俺は誰と戦えるというんだ?マリアガかな、ベルトなしのスーパーフェザーでよければね。

誰も俺を倒すことはできないよ。スーパーフェザー級は初めてだけど、自分が階級トップであることはわかっている。この階級を統一するつもりだ。」

ボブ・アラムはシャクール・スティーブンソンを次のフロイド・メイウェザーだと言っている。

スティーブンソン
「メイウェザーなら大変な誉め言葉だけど、俺は俺だ。パンチを食わないという点で似ているけれど俺には俺のスタイルがある。たしかにフロイドからもいくつかの事を学び、自分のボクシングに取り入れたけど他の多くのファイターからも多くを学び吸収してきた。俺は最初のシャクール・スティーブンソンであり次のメイウェザーではない。

俺は将来ボクシング界のキングになると100%確信している。昔から言い続けてきたことだし今も実現の途中だよ。そういえばラスベガスでキッド・ガラハドに会ったよ。彼はウォーリントンに勝っていたとおもうよ。俺の方が強いけど彼もいいファイターだ。」

シャクールはボブ・アラムの言葉など気にしないほうがいいだろう。
アラムはテレンス・クロフォードを次のシュガー・レイ・レナードと、ワシル・ロマチェンコを次のモハメド・アリと言っているのだから。

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「賢者の哲学」で出てきた言葉に

メキシコの有望なプロスペクトをスピードのある優秀な黒人のサウスポーと組ませるのは避けるべきだ。
アフリカ系アメリカ人のマーケットはボクシングで最も悪用されている。

とあった。

たしかに、モハメド・アリやシュガー・レイ・レナード、マイク・タイソンの時代でさえ、それに匹敵するようなハンサムな白人ボクサー、メキシコ系ファイターがいれば彼らを応援したかったのが世界の本音だろう。

しかし黒人ファイターは実力とアピールで「賢者の哲学」を打ち破ってきた。
カネロがメイウェザーとやった時はメイウェザーの方がボスだった。

果たして

「黒人であること、サウスポーであること、そして素晴らしいこと。」

3つのストライキといえる条件を兼ね備えた、まだ22歳のシャクール・スティーブンソンは全ての障害をクリアしてキングになれるのだろうか。それともゲイリー・ラッセル・Jrのように無視され、いなかった事にされるのだろうか。

シャクール・スティーブンソンは強打者じゃないから人気爆発とはいかないだろうけど、彼もまたマーキーな男であり、誰にとっても鬼門といえそうだ。
まだ22歳、我らが井上尚弥にとっても次世代といえるほど若い。カン・シューなどとの統一戦に意味がないことも承知なのだ。

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