プロ野球と同じく、ドラフト1位じゃない選手の下克上、躍進に期待している。かつて、ネクストデラホーヤと言われた少年は、プロの世界王者になれるだろうか。
ルーベン・ヴィラとシャクール・スティーブンソンは、アマチュア時代、1年足らずの間に4度戦っている。
ヴィラは最初の2試合でスティーブンソンを打ち負かしたが、2016年のリオ五輪トライアルを含む最後の2試合をスティーブンソンが制した。スティーブンソンは五輪で銀メダルを獲得し、プロとして既にWBOフェザー級王座を獲得している。
ヴィラはより目立たず、慎重にキャリアを構築してきたが、サウスポーのテクニシャンはフェザー級の世界王座を争う位置に来ている。現在23歳のヴィラはスティーブンソンとの対決も、王座を返上した後に空位となるはずの王座を争うこともどちらも歓迎している。
ルーベン・ヴィラ
「とても良い試合になるでしょう。でもスティーブンソンは自分でも言っている通り、体が大きいのでスーパーフェザー級に上げるとおもう。俺なんかよりも、オスカー・バルデスのような稼げる相手とやりたいんでしょう。」実際、シャクール・スティーブンソンはコロナウィルスが収束したらすぐにスーパーフェザー級に階級を上げると公言している。ずっとIBFフェザー級王者のジョシュ・ウォーリントンとの統一戦を呼びかけていたが、ウィーリントンは次に地元でWBA王者のカン・シューと戦うことが決定している。
スティーブンソンが王座を返上すれば、WBOは1位のアイルランドのマイケル・コンランと2位のルーベン・ヴィラとの間で決定戦を行う可能性が高い。スティーブンソンがフェザー級に留まるとしても、ボブ・アラムが同じトップランクのアイドル、マイケル・コンランと戦わせる可能性は低く、利害が一致しない。
ルーベン・ヴィラ
「俺とコンランとの戦いはビッグなものになるだろう。コンランもまたもう一人のビッグネームといえる。2016年のリオ五輪で中指を立てて大騒ぎしているコンランをみたよ。彼のような有名人に勝てば俺のキャリアのプラスになるけど、今はただその時が来るのを待つのみさ。」ヴィラは直近の2試合でエンリケ・ビバスとアレクセイ・コラードに勝利し世界戦の準備が出来ていることをアピールした。1月31日、26勝23KO2敗のキューバのコラードにユナニマスで勝利した。
ルーベン・ヴィラ
「俺はかなり我慢を強いられてきた。ここ2戦の相手はタフだった。いいパフォーマンスが出来たとおもう。ここまで来れなかったらスティーブンソンとやりたいなんて言わないさ。俺はベストファイターの一員だって信じている。」
https://www.youtube.com/watch?v=Yl7OCX8kDoQ
知ってはいたがスルーしてきたプロスペクト
童顔で少し京口紘人に似ている気がする。
ルーベン・ヴィラのアマチュアキャリアは素晴らしく、デビン・ヘイニーはじめ、錚々たる顔ぶれに勝っている。シャクール・スティーブンソンとは2勝2敗だ。
それでも、五輪の輝かしい記録を逃したから?、ファイトスタイル故に?、注目されずにここまでやってきた。直近の2試合は17勝無敗のメキシカンや26勝23KOのキューバ人などかなりハイレベルなテストをクリアしている。
18勝5KO無敗、かなりのテクニシャンでバックステップを多用する判定型なのがプロ向きとおもわれなかった理由かもしれない。
アマではバンタム級、プロではフェザー級、フェザー級あたりになると本場アメリカのレベルも格段に高くなる。今注目されているアメリカの若手とそん色ない者がゴロゴロいる。
かつて、ネクストデラホーヤと言われた少年は、プロの世界王者になれるだろうか。個人的には、マイケル・コンランよりは好みだけれど、それはプロ野球と同じく、ドラフト1位じゃない選手の下克上、躍進に期待しているからだ。