失われた時と信用を求めて/ロベイシ・ラミレスと森武蔵

間違いなく井上尚弥よりも格上のアマチュアであった彼が、世界戦線で拳を交えることを願ってやまない。

五輪2大会連続金メダルのロベイシ・ラミレスは、ネバダ州スポーツ委員会がゴーサインを出せば、トップランクプロモートの下6月9日に試合に出ることを希望している。同じ舞台には、リオ五輪決勝で下したWBOフェザー級王者のシャクール・スティーブンソンがメインで出場を予定している。

ラミレスは衝撃的な4回判定負けというプロデビュー戦を経て、イスマエル・サラス指導の下、2連続KO勝利している。2月から活動を休止していたラミレスは失われた時間を取り戻すべくリングに復帰したいと願っている。

ラミレス
「コロナウィルスのパンデミックはボクシングやスポーツだけでなく、社会の全てを揺るがす強烈な出来事でした。自分のキャリアで何が起こりうるか見つめなおす時代です。ラスベガスはゴーストタウンのようです。カジノがいつ再開するのかもわかりません。

私は6月9日に向けて準備するように言われました。その日が最初の復帰の夜になるはずですし、シャクール。スティーブンソンも出場します。だから私も行きます。俺たち2人の未来の話題を盛り上げたいし、同じ夜に一緒に戦う姿をファンにみせるのはいいことだ。

シャクールとの再戦はきっといつか訪れるだろう。彼はオリンピックでの敗北を忘れていない。ボブ・アラムはその戦いがビッグマネーをもたらすことを知っている。いつか、マイケル・コンラン、ワシル・ロマチェンコとの戦いだってあるかもしれない。俺のキャリアには多くの選択肢がある。けれどまずは、シャクールとの試合を実現しなくてはならない。

今はいつものキャンプも出来ていないしトレーナーも違う。スパーリングも出来ていないけど、何週間もトレーニングを続けている。理想的とはいえないけどみんなこんな感じだろ、言い訳はしないよ。」

輝かしい五輪2大会連続金メダル、その他アマチュア金ばかりのロベイシ・ラミレスはプロデビュー初戦でまさかの敗北。改めてデビュー戦、4回戦の難しさを考えさせられた。

勝てば大金星、負けても失うものなき挑戦者の気迫に押され、初回にスリップ気味のダウンを喫してしまう。4回戦でダウンしたら、あとは逆転KOしか望みが薄い。その後のポイントを抑えてもギリギリ逆転か引き分けが限界なのだ。

アマチュアの天才はその後をなんとか抑えたが、逆転KOには至らず、挑戦者の闘志が評価されてスプリットで敗れてしまった。違う意気込みで臨めばきっと勝てていたデビュー戦だったろう。日本ならこんな逸材は6回戦以上からのデビューだけどね。

さて、このロベイシ・ラミレス26歳、アマではバンタム級、プロでフェザー級は自然だが、身長165センチでみたところパワータイプではなさそう。リオでシャクールを破り五輪2冠を達成したその次の試合ではキューバの同胞に負けていたり、WSBではフライ級金メダリストのゾイロフにも負けていたりと先輩レジェンドのギジェルモ・リゴンドーほど突出した金メダリストではなさそうだ。

それでも、プロでも目ぼしい男たち含め、アマではほとんど勝ってきて、ここぞの大会ではほとんど金メダル。結果を出してきた才能は侮れない。イスマエル・サラスの下、どんな変身を遂げてプロらしいファイターに成長するのか、まだまだ楽しみは先にとっておこう。

間違いなく井上尚弥よりも格上のアマチュアであった彼が、世界戦線で拳を交えることを願ってやまない。シャクール・スティーブンソンとやるまでは、失われた信用をあと10戦くらいやって取り戻す必要がありそうだ。

まずは負けたデビュー戦の相手、アダン・ゴンザレスを一方的に下して、あれが間違いであったことを証明すべきか。

そういえばこんなニュースがあった。

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今日本人が遠いフェザー級で頑張って欲しいのは山々ですが、来春にシャクール・スティーブンソンはもういない、6月9日でさえもうスーパーフェザー級だろう。

「森伊蔵」かとおもったのは私だけではないはずだ。

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