日本人が狙うフェザー級の一角、WBAの王座戦はエキサイティングなものとなりました。
元全勝王者のジョシュ・ウォーリントンはマウリシオ・ララに初黒星を喫してからは綻びがみえはじめ、勝てなくなってきましたが、落ち目ではなく今が全盛期と自身を鼓舞し気力みなぎるファイト32歳
現王者のリー・ウッドは戴冠したのがそもそもアップセットで、最終回に逆転KOでマイケル・コンランを破りました。その直後にマウリシオ・ララに敗れるもリベンジ、ウォーリントンとの試合はこの3人による決着戦の様相でした。本来であれば、1位のオタベク・ホルマトフや2位のレイモンド・フォードとの対戦義務がありますが、英国は自国の都合を優先させます。
試合はウォーリントンの気迫が王者をやや上回る展開で、ラフで激しいアタックでウッドに迫っていきますが、細かな被弾も多く激闘です。ウッドはサウスポーにスイッチしながら対抗しますが、サウスポーはあまり達者ではない様子。対処しているようでプレスを受け被弾も多い。
試合は7回、ウォーリントンが若干優勢ながら、総力戦で両者にダメージがある中、ウッドのサウスポーからのコンビネーションが火を噴いて逆転ノックアウト。まだ続けられたとおもいますが、最近のウォーリントンの打たれっぷりや消耗、ダメージを考慮すると即ストップで仕方のないノックダウンでした。
これでウッドはコンラン、ウォーリントンと英国のトップに勝ち抜きケリをつけた形となります。
ウッドとウォーリントンは数値上は同じ170センチですが、ウッドの方が背が高くみえました。
ウッドのファイトは激闘の果ての逆転KOが多く、とてもエキサイティングで観る者を魅了しますが、言い方を変えれば誰とでもかみ合い、被弾し、打ちつ、打たれの接戦になりやすい正直なファイトともいえます。スピードもパワーも平均的にみえます。今が人生最高の時、ピークを謳歌していますが年齢も35歳なのでこれからも綱渡りの王者といえるだろう。
しかしこういう勝ち方をしていると人気が上がり本来の実力以上のものが出ることもあり、まさに今主役の座にいるといっても過言ではない。
次は指名戦か、勝った方がひとつ上の王者、ジョー・コルディナと戦うともいわれているのでまさに英国のやりたい放題路線は続くものとおもわれる。
正直に強い英国の人気王者ですが、挫折ありの苦闘型で、日本人ともかみ合うだろう。なんなら松本や堤と今戦っても勝ち負けになるレベルの王者といえそうだ。
ウォーリントンは悔しい負け方で、パワーがあれば勝っていただろう。
しかし結果は非情で、ダメージも心配で、色々と見直すタイミングにきている。