山中慎介VSビック・ダルチニアン他

山中慎介VSビック・ダルチニアン
粟生隆寛VSターサック・ジャンデーン
長谷川穂積VSフェリペ・カルロス・フェリックス

まだ先ですがこんなカードが組まれました。
マニア的には初防衛にしてビック・ダルチニアンを迎え撃つ山中がメインですね。あのダルチニアンが日本に来るんかい、カバジェロ以上の衝撃かもしれません。

当初、ウーゴ・カサレスとの対戦と言われていた山中、WBA王者の逃げ道封じかともおもいましたし初防衛でカサレスならまぁまぁかなんておもっておりましたがいかんせんバンタムで実績ないカサレスは承認下りなかったのかな。この試合はダルチ側からの要望だとおもう。

ダルチニアンは言わずと知れたビッグネーム、フライ級王者時代は無敗で長期防衛
今をときめくドネア戦でショッキングすぎる初黒星、そこからSフライも制した2冠王者です。
バンタムに上げて、トップレベルの試合で数度取りこぼしはありましたが人気、実力未だ衰えずなレイジング・ブルであります。
本場で活躍してるし試合は面白いしでまさか日本にやってくることはなきスターだとおもっておりました。

バンタムでは未だ無冠ですがホルへ・アルセ・クリスチャン・ミハレス、ヨニー・ペレスに快勝してますんで王者にふさわしい実力者です。
徳山とやったディミトリー・キリロフ(後の王者)なんかリンチ状態での圧勝でした。
個人的にはアブナー・マレスにも勝ってました。はっきり負けといえるのはドネアとモレノ、アグベコ戦だけでしょう。

今更そのスタイルを説明するまでもない、変則、ラフ、技術の裏付けはしっかりしているがダルチニアンだけの孤高のスタイルです。
マフィア顔で威嚇、牽制しまくりながら獰猛で強烈な左パンチをブンブン振りまわす、狂犬スタイルです。
日本に浪速の闘犬という茶坊主がいたような気がしますがダルチニアンはヨーロッパ、オセアニアの闘犬です。
その差、凄みはチワワと土佐犬、子猫とライオン、蚊とスズメ蜂くらいあります。

そんな猛者の挑戦を受けた王者山中、世界的にはダルチニアンの方が1000倍有名人でしょう。
世界のオッズだと3-7くらいで不利なんじゃないでしょうか。

ポイントとしては
キャリアは劣るが山中の方が大きい
お互いサウスポー、かみ合うのかどうか

この2点に注目したいです。

ダルチニアンは絶対に自分から仕掛けてきます。リーチはありそうですが大きな山中相手ですから踏み込んでいかないとかみ合わないだろうしそもそも本能的に待ちのボクシングはできない、許さないタイプだ。

山中の戦略としては距離とって挑発にのらず破壊的な左を合わせるのでしょうが、慎重になりすぎると呑みこまれてしまいます。
骨格があり強かったヨニー・ペレスは初回からダルチニアンに呑みこまれてしまってましたし。

左を当てるための右の使い方、接近された時の対処がカギでしょう。
山中をよく知るマニアだったらこの試合5-5、あるいは6-4くらいで山中いけるんじゃね、と思ってるとおもいます。
僕もその一人です。彼の左ストレートは超一級品です。
獰猛な野獣が呑み込んでしまうのか、スナイパーが仕留めるのか・・・

シャープなドネアと距離の達人モレノだけはきれいにダルチニアンを攻略しましたがその他は攻略とまではいかなかった。
ミハレスやトマス・ロハス的なテク二シャンでも屈強なペレスもドファイターのアルセも跳ね返されました。
アグベコはスピード、アップテンポで攻略しましたが山中にあのリズムはありません。

どうしたってどっちが先にえぐいパンチ当てるかのビリビリした展開になるでしょう。

しかしながら初防衛にしてダルチニアンを迎え撃つ山中の気概に敬服します。
ダルチ二アンの左より山中の左が炸裂すると信じて応援します。

粟生VSターサック

この試合は実力伯仲の普通にいい世界戦かなとおもいます。
挑戦者をあまりよく知りませんが負けたのは、マルケス兄、ホァン・グズマン、スティーブン・ルエバノと世界屈指の王者だけ。
マル兄も結構打たれていたような記憶が・・・

しかしこのターサックという人の戦績はすさまじいいがある意味わかりやすい。
自分よりスピードやテクニックが上の相手には完敗、
中途半端に巧かったり強い選手には馬力勝ち
といったところでしょうか。

ならば粟生はテクニックとスピードで勝負すべきでしょう。

ゴリゴリ打ち合ってスタミナ合戦になるのはよくないとおもいます。
彼の場合、消耗戦に持ち込まれずに戦うことが理想でしょう。
僕は以外と彼のボクシング好きです。ボスキエロのようなドファイターにもエリオ・ロハスのようなドボクサーにも苦戦しちゃってますが、まだ発展途上だからでしょう。
内山と五分とおもってます。
ただ華麗に勝っても慢心することなかれ。上には上がいると常に思っていて欲しい。

長谷川穂積VSフェリペ・カルロス・フェリックス

やっぱ帝拳とセットか。もうちょい早く再起が観たかったけどまぁ豪華な興行なのでいいか。
相手を調べましたがよくわかりません。無敗の地域王者らしいけど強豪との対戦歴なし、数少ない映像みるとメキシコのメインストリームではないっぽい。
なんか草ボクシングみたいなリングに上がってる映像もあった。地元のヒーロー的な存在かもしれません。

ただどんな相手にせよ、フェザー級です。
フェザー級で長谷川が再び王座に返り咲くにはスピード維持しつつガンボア並の破壊力を備えるか
アウトボクシングでポイント先取に徹するか

どちらかの道しかないとおもわれます。
長谷川が物足りないのではなく階級の王者がパワフルすぎるからです。

いままでの長谷川で通用しそうなのはクリス・ジョンくらいだとおもいます。

パッキャオのせいで階級の壁を越えてみたのだろうけど、あれは異次元であり、ダルチニアンやモンティエルが階級の壁で苦労してるのが現実である。
相手がどんなに強くとも、へっぽこでもKOを意識せずフェザーでこれと決めたスタイルを伸び伸びと発揮して戦ってもらいたい。
この試合に限っては初回KOなんかより判定での勝利の方が観てみたい。

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コメント一覧
  1. ともきんさん

    まともなランカーが挑戦すらできない王者が一人だけいる。

    帝拳の強気路線は無言の行動による抗議であって欲しいです。

    あいつさえいなきゃ日本ボクシング黄金期なんだけどなぁ。

    どうしてもうしろめたさがあります。歯がゆい。

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  2. かつてはダルチニャンに長男坊をぼこぼこにしてほしいと思っていましたが、長男坊は世界から相手にされていないようで納得です。

    それにしてもダルチニャンが日本でタイトルマッチをするだけで感動もんですね。

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  3. 通りすがりさん

    もうWBAの方は世界中で逃犬として暗黙の了解なんじゃないでしょうかね。
    試合相手や内容見ればわかりますからね。
    打診しても断られるし、ケチな注文つきそうだし・・・恥ずかしいです。

    山中の試合ではそれが伝わるような放送、解説を願いたいですね。

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  4. いつかこのサイトにダルチニアンが好きや~ とか書いたんですがまさかそのダルチニアンが日本にくるとは・・・   信じられん・・・
    同じ日本人として山中を応援したいがそろそろダルチニアンにも3階級制覇してほしい・・・

    しかしダルチニアンはなんで山中に挑戦なんでしょう?
    日本が誇る偉大なる3買級制覇王者に挑めば3分もかからずにベルトとれるのに・・・

    いや~ ダルチニアン楽しみですわ

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  5. boxさん

    日本は今世界王者がたくさんいるので本物だけが勝ち残る、そういうサバイバルな状況から逃げてないですね、一人除き。
    そもそもフィリピンなんかより王者が多いのはやっぱ国内でいい試合が組めるからだとおもいます。

    せめてTVはじめマスコミは偉大な挑戦者とちゃんと伝えて欲しいですね。
    モンティエルが長谷川とやった時は試合の雰囲気で伝わってたとおもいますが。
    どこぞの雑魚挑戦者と格が違いすぎる、これがバンタムの世界クラスだと。

    ミハレスやトマス・ロハスみたいな長身サウスポーがボコボコにされてしまってますしモレノのボクシングは特徴的すぎます。

    個人的にはダルチニアンが威嚇して踏み込んできた時は警戒しつつもロープに下がったりブロック一辺倒になっちゃだめだとおもいます。ビビるのが一番危険です。勇気だしてカウンターを打ち返すくらいでないと。

    たぶんダルチニアンより山中は手数少なくなるとおもうしプレッシャーかけるのはダルチニアンでしょう。なので一発のタイミングを研ぎ澄ませて欲しいですね。

    山中の左はドネアVSダルチニアン戦の戦慄と同じくらいのインパクトがあるとおもいますんで。

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  6. 思わず!二度見をしてしまいました。自分のボクシングの情報のメインはほとんどこのサイトで後は自分で気が向いた時に他でちょっくら見るくらいなんですが、今日のこれはちょっとヤバいです。知らなかった・・・ダルチ呼んじゃうんですね帝拳は!ちょっと西岡とマルケス戦から火がついたのでしょうか。細野と内山戦もカバジェロとソリス、そして次はダルチですか。日本のボクシング界どうしちゃったんですかね。ビッグネームがこんなにも日本に来るなんて・・・自分的に一番ダルチの嫌なところは、とんでもない圧力は当然ながら右と左のスピードが違いすぎることですかね。右リードが遅いから油断していると、とんでもない速さと威力の左がとんでくる。左の速さで一番速い時はドネア並みに速かったです。左の速さも調節していてカウンターを非常に合わせづらいと思います。一見危険すぎるボクシングスタイルですが、よく考えると左だけを当てるための合理的なスタイルですよね。まあ、尋常ではない勇気とパンチ力が必要ですが。
    山中がダルチを攻略する上で一番参考になるのはモレノ戦でしょうか。ああいうボクシングをしつつ自分の左を組み込んだ戦略を立てて頑張ってほしいです。山中が勝つには自分の左を先に当てて少しでもダルチにプレッシャーを与えること、山中の左にダルチが恐怖心をほんっの少しでも持てば試合は変わってくると思います。ダルチも山中も左には絶対の自信を持ってます。コンパクトな山中とダイナミックなダルチ。山中大好きなんで去年も含めてこれが自分では西岡対マルケス戦の次にビッグなカードです。ちょっと興奮しすぎてまともなコメントできません。すいません。長いので長谷川と粟生省略ですが3人とも頑張れ!

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