私が好きな天才と雑草/アルベルト・マチャドとヘスス・マヌエル・ロハス

忘れそうでしたが忘れない。プエルトリコの実力派の試合がようやく決まりそうです。個人的には天才と雑草、対照的な両者です。

アルベルト・マチャドVSラファエル・メンサー

アルベルト・マチャドの初防衛戦がようやく決まった。7月21日にハイメ・ムンギアVSリアム・スミスのアンダーで指名挑戦者ラファエル・メンサーと試合をします。

マチャドは昨年10月にジェスリル・コラレスを8ラウンドKOで破り王座を獲得した。身長178センチのマチャドはこの階級では大柄で、コラレスに対し優位性を示した。

マチャド
「世界王者になるために多くの犠牲を払ってきましたから、死に物狂いでタイトルを守ります。メンサーは指名挑戦者であり素晴らしい戦績を持つ相手です。だからこそ。防衛するために今まで以上の準備で臨みます。」

メンサー(31勝23KO)はガーナ以外で戦ったことがないが、ガーナは過去素晴らしい王者を輩出してきた。

メンサー
「マチャドの事はよく見ている。私が勝てる相手であることは間違いない。マチャドよ、私は君が勝てる相手じゃない。私は恐らくマチャドをノックアウトしませんが、ボクシングのレッスンをしてみせよう。」

無冠時代から王者候補とみていた実力者。コラレス戦は序盤はコラレスのスピードに翻弄され劣勢だったが、たしかな技術と対応力で凌ぎ、やはり決定力があるので逆転した。内山の悪夢、コラレスのセンスも見事だったが粗削り、マチャドは徹底的に訓練されている。長身強打のサウスポーで左ストレートと、特にコンパクトな右フックのカウンターが素晴らしい。試合枯れなのと、この階級では大柄でスピードは並な点が次点だが、本格的なボクサーだ。

約1年かけてやっと実現するこの試合。メンサーはたしかドン・キングの支援を受けアメリカでトレーニングしているとか。まともな映像がないので判断できないが素晴らしい戦績のミステリアスなアフリカンです。ずっとKOではなく判定でボクシングのレッスンをしてやると言ってますが、見た限りはマチャドのボクシングの質の方が高いのだが・・・

ヘスス・マヌエル・ロハスVSジョセフ・ディアス

8月11日に決定。直近の試合で王者のゲイリー・ラッセルに敗れたロンドン五輪代表のジョセフ・ディアスに即チャンスが訪れた。

ディアスはこの試合に勝ち、ラッセルとの再戦やフェザー級のメインストリームに駆け上がる事を目標にしている。大筋合意であとは詳細を詰めるだけだという。

5月の試合でラッセルに敗れ、プロ初の敗北を屈したディアス。前半ラッセルにリードを許し後半反撃するも時は遅すぎた。ディアス(ジョジョ)は再びWBA暫定王座をかけて、プエルトリコの危険なファイターと戦います。

ロハスは昨年9月、ドミニカのクラウディオ・マレロを7ラウンドKOしこのベルトを手に入れた。

ジョジョはゲイリー・ラッセルには屈したが126ポンドでは屈指の可能性を持っている若いファイターです。26勝14KO1敗。ロハスは26勝19KO1敗2分。唯一の敗戦は2008年にメキシコのホセ・アンヘル・ベランサに敗れたものです。

マチャド以上に試合が決まらなかったロハスの試合がようやく決定。しかし相手はいきなり強力だ。この試合も、いつも常にアンダードッグだろう。昨年一番感動したのがこの戴冠劇である。30戦以上戦い1敗しかしていない立派な戦績だが、彼をみると雑草を強く感じる。ポイント計算できるスタイルではない。戦い方はマレロ戦と同じでいいはずだ。トップアマのディアスがテクニック、ポイントは有利に進めるだろう。昔のパッキャオのごとく、今は人気も失うものもない。ディアスという人気者を倒して結果で皆を納得させていくしかない。今までのように。

現王者のサンタクルスやアイドルのフランプトンにも勝てるのではないだろうか、負けたラッセル戦で見直した部分がある。ただのテクニシャンではなく、タフで根性の座ったファイトでラッセルに勝ちにきた。自身五輪代表のトップアマだが、スピードスターのラッセル相手にポイントを捨ててボディアタックで倒しにきていた覚悟の決まった選手。ラッセル戦のように12ラウンドフルに戦えば恐らく手が挙がるだろう。

ディアスの根性も見直したが、この試合は今すぐラッセルは無理でもベルトが欲しい、ベルトがとれるディアス陣営が選んだ試合だろう。ファイトスタイルもセンスも異なるが、昔のパッキャオのような、昭和の日本人のようなロハスを応援したい。

それにしてもプエルトリカンはジェルウィン・アンカハスに負けたマックジョー・アローヨといい、王者になると試合が組めず枯れる傾向が強い。著名プロモーターと契約できるまでの辛抱なのだが、ファイトマネーや条件が悪くても年に2、3試合はしようよ。両者とも約1年ぶりの試合です。

ヘスス・マヌエル・ロハスと引き分け、ジョセフ・ディアスと対戦予定もあったホルヘ・ララが、ロハスに負けたマレロに初回で倒されるとか、試合の度に結果が違って出そうなこのあたりのトップランカー同士で、実は今でもマレロが一番センスがあると感じるのですが、結果を出すのは恐らくジョジョなのかな・・・

ロハス頑張れ!
メンサー、ドグボエのごとく本物であれ!

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