ノニト・ドナイレVSニコラス・ウォルタース

ゴロフキンVSルビオの前座で決まったらしい。

ノニト・ドナイレVSニコラス・ウォルタース

ファンにはうれしい試合だけど、ベチェカ気の毒だ。はっきりと負けたわけではなくドネアの負傷決着。
なんだかんだいっても軽量級はドネアが一番金になり、彼が一番いい試合をこなしている。
というか唯一ドネアだけだ、いい試合が組めるのは。

前回両者揃い踏みで一番のインパクトを残したのはウォルタースだ。
ドネアとはフェザー級でいい試合をみせたダルチニアンを全く寄せ付けず、失神相当の完全ノックアウトをしてみせた。
ダルチニアンの変則もプレッシャーも強打も全く意に介さず、潰してしまった。
仮に体重が同じだとしても、下から上げてきたものとは骨格、パワー、体力が全く違うという印象を与えた。

気持ち、予想としては、スピード、テクニック、切れ味で上回るドネアを推すが
ドネアが過去戦った誰よりも危険でパワフルな怪物性を秘めている相手だろう。

で、ウォルタースを復習してみる。

パワー、馬力がありKO率が高いが獰猛なファイターではなく距離をキープして戦うボクサーファイターだ。
固いガードでディフェンスもいい。スピードは並、やや変則で遅いくらいに見えるが重そうなジャブから組み立てるオーソドックス。
自分から仕掛けるというより相手に合わせて打ち返すタイプだ。
返すパンチが結構大振りでだが力を込めて打つので全てにパワーがのっている。
基本に忠実でいて慎重さもあるがバタバタしていて美しいスタイルではない。
結局は前に出て全てを壊すスタイルだ。

国籍からしてなんとなくジュリアン・ジャクソン(バージン諸島)を思い出す。
どんなにアマチュアで鳴らしたテクニシャンだろうが失神させてしまう。
技術的底は浅いがとにかくプロ向きな素質・身体能力が備わっている。
ボルトの国だもんね。

特に怖いのは左フックと左右のアッパー。

ダルチニアンは接戦のようでいて距離をキープされパンチが届かず返しの重いパンチにボディも顔面も効かされた。
逆にウォルタースはほぼノーダメージ。一方的であった。

ダルチ戦を比較するとウォルタースの方が強そうだ。体格・パワーが違う。

ドネアが勝つには相手と同じか遠い距離でジャブ・スピードでウォルタースを翻弄することだ。
返しの変則で重いパンチ、左とアッパーに十分注意し深追いしないことだ。

プレッシャーをかけられ、下がりながらの戦いだと苦しい。
打ち合いで勝てる相手ではなくテクニックと足とカウンター一閃で攻略するべきだ。

ハグラーとハーンズが戦うような根本的な体力・馬力の違いがこの両者にはある。

しかし、ここでウォルタースがフェザーのパワーを見せつけドネアに勝ったとしても、ロマチェンコのような高速エンジンボクシングに勝てるとはおもえない。

ならばドネアの勝ち上がりを期待するしかない。時間をかけ、フェザーに順応したか体格、パワー、スタイルを磨いてくることを期待する。

いわばこれはフェザー級ウォーズの準決勝であり、勝てばロマチェンコ・グラトビッチの勝った方との決勝だ。

ドネアVSロマチェンコこそ決勝に相応しい。

それにしても王者の面々は個性的です。

単純な実力差なら

ドネア=ロマチェンコ>ウォルタース=ジョニー・ゴンザレス>グラトビッチ

におもえるが、誰もが誰かを食うようなそんなスタイルを持っている。

相性もあるが

グラトビッチの肉弾スタイルではドネアには勝てないが、ウォルタース相手なら根性と手数で攻略するとおもうところがあるし、ウォルタースはアンダードッグながらアップセットを起こす怖い可能性を秘めている。

見た目、才能だけでは図れないプロならではの楽しみがここにはある。

と、ここは華麗なドネアの勝利を期待するが、ウォルタースのダルチニアン戦のインパクトはこれほどまでに強烈に輝いています。

[youtube]http://youtu.be/44xauZGtKXE[/youtube]

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