メイ・パックより緊張しているこの試合、ついにやってきました。
オラシオ・ガルシアのことを何度か記事にしてきましたがそれはどんな選手か、長谷川に勝機があるのかを確かめたかっただけです。
ラファマル、モラレス、ジョニゴン、イスバス、数々のメキシコ超一流の継承を感じるガルシア、
キコ・マルチネスよりスケールが大きく、全盛期であっても勝てるかわからない相手に見えるが、やはり長谷川のコンディション次第だろう。
誰に勝っても、負けてもおかしくない、当たり前だがそういう選手だ、特に今は。
全盛期の長谷川なら期待できるがダメージと加齢で衰えた今の長谷川では厳しい。相手が強すぎる
というのが大方の予想だろう。
しかし本当にダメージや劣化があるのかは本人にしかわからない。
自らこの相手を選び、調整してきたからには自信もあるだろう。
今となっては、全盛期を彷彿させる、絶好調の長谷川を信じて応援するしかない。
あるいはディフェンスや戦術の進化、成長も見たいところだ。
モンティエル戦以外の長谷川の敗戦は相手の技術よりも体力やパワーにつぶされた印象だ。
階級アップが裏目に出た、バンタムだから力が発揮できたのだとおもわせる負け方。
なので、超ハードパンチャーで体格もいいガルシアは相性的にも危ない相手だ。
あえて、苦手タイプの本格的な選手を選んだとおもわせるマッチメイク。
長谷川が強かったころは際どいタイミングを支配してほぼノーダメージで勝ってきた。
逆に打たれた試合は全て苦戦、一発で散る、一発でほぼ決まってしまう。
なのでこの相手に対し無茶な打ち合いをしたら必ず強打を浴びて深刻に効かされてしまうだろう。
ガルシアは強いが変則的なところはなく、直線的に強打を振ってくる正直なスタイル。
攻撃こそ最大の防御となっているところがあり、あまり守ることが少ないので上手いとはいえない。
スピードも技術の幅も長谷川の方があり、見栄えはいい。
有効打を食わない展開であれば長谷川のスピードがポイントを抑えるだろう。
それには、パッキャオと戦ったメイウェザー並みの慎重さが必要だ。
プレッシャーにつぶされたり、ヤケ気味に打ち合ったら一発で沈むと覚悟しておいた方がいいだろう。
とはいえ単純にアウトボクシングをすればいいというわけではない。
長谷川は八重樫と同じカウンターパンチャーでありアウトボクサーとはいえない。
タイミングと踏み込みの選手なので必ずヒヤヒヤのシーンはあるだろう。
といかくパンチをもらわぬように動きたい。
長谷川のパンチも割と大砲が多いので、先にいいカウンターを当てたら昔のアレハンドロ・バルデス戦のような速攻決着もあるかもしれない。効かせたら詰めは鋭い。
両者、しっかり仕上がったようだが、体つきがいいのはガルシアだ。無駄な肉はゼロ、いかにもパンチが強そう。
当日の体重は長谷川の方が重いかもしれないが、パワーも馬力も耐久力もガルシアの方が絶対強い。
バンタムと同じ戦いはフェザーではできない。
過去と同じような強気な打ち合いは破滅を招く。
長谷川の出来がどうこうよりも、オラシオ・ガルシアを攻略するための戦い方があるはずだ。
昔の強さを誇示するよりはこの若きホープに負けない戦い方を遂行すべき。