モンティエルに敗れたキレキレの長谷川とは違い
バンタムを離れ、階級アップしてからはひとつとしてスカッとした試合がない長谷川。
それが如実に現れた10ラウンズでした。
カルロス・ルイス・マチュカは若く、伸び盛りのいい選手であったがパワーがある方ではない。
スピードも技術もいいものはあるが長谷川に及ぶものではなく劣勢でいたが、長谷川にパワーを全く感じないから思い切り相打ちのタイミングでカウンターを打てた。その同じパンチが2発炸裂した。
ルール上何とか勝てたが、ダメージもパワーも完敗であった。
試合には勝ったがこれは誰もが感じる負け試合だ。
長谷川を称える面をみせたマチュカ、いいやつだ。
加齢と体質により体重は落ちないが、耐久力もパワーもフェザーはおろか、Sバンタムの域ですらない。
技術やスピードではフランプトンやクイッグをしのぐものがあるとはいえ、頑丈さ、タフさ、芯の強さでとても敵わないだろう。
ポイントメイク、判定でいい線までいけるものは持っているが、切れ味や勘は鈍り、パワーも耐久力もない。
それが証明された。
おもえば、バンタムでバタバタ倒していたころも、マルドロットやベチェカなどやや大柄で体幹の強そうな選手には効かせられず逆にダメージを残す部分があった長谷川。
続けるにしろ、大きな相手は無理だし、かといってキコ・マルチネスのようなスラッガーも厳しい。
再起2戦は10度の防衛に劣らない貴重な経験、キャリアとなったであろうが、どこを修正し、どういう進路を進むのか、注目だ。
陣営はいいかげん気づいただろう、バンタムから上げて以降、いい試合はひとつもなかった、技術的なことより体力、パワー、耐久力がまるで違う、上のクラスで長谷川のボクシングは通じないということを。