「相手は田中恒成がいいな。彼は無敗の強いファイターだ。俺にとってはいい試合になるだろう」
せっかく好敵手が現れたのに、日本人との対戦が肩透かしのようにスルーされるのはデジャブか。
フリオ・セサール・マルチネスは昨年3月にメキシコで無敗プロスペクトのアンドリュー・セルビーに勝利、8月にロンドンでチャーリー・エドワーズを圧倒するも反則打でノーコンテスト、続いて12月には元王者のクリストファー・ロサレス、今年2月に無敗の指名挑戦者、ジェイ・ハリスを下し劇的に評価を上げている。
現在25歳のマルチネスはボクシングが再開されたら統一戦を計画している。IBF王者モルティ・ムザラネ、WBO王者の田中恒成が希望で、母国メキシコでの開催を望んでいる。
マルチネス
「メキシコの人々のために何か大きなことがしたい。彼らはいつも俺を支えてくれる。とても幸せだし感謝している。俺はただ全てのベルトを奪いたいんだ。最高の試合がしたい。エディ・ハーンやエディ・レイノソが何を決めようと俺が目指すのは最高のファイトとファイトマネーだけさ。フライ級の王座を統一したい。相手は田中恒成がいいな。彼は無敗の強いファイターだ。俺にとってはいい試合になるだろう。モルティ・ムザラネも素晴らしいファイターだ。決めるのは2人のエディ次第だけど、ベルトを持った男と俺はいつでも戦うよ。」
https://www.youtube.com/watch?v=_aWxAPrs6m4
ポケット・ロケット(マルチネス)は地元専門の選手ではない。アウェーでも平気だ。チャーリー・エドワーズ戦はロンドンのO2アリーナで、観客はみなエドワーズを応援していたがおかまいなしに圧倒した。
マルチネス
「イギリスはとてもいい国だ。両手を広げて私を受け入れてくれた。リングの外ではみんな私をチャンピオンとして接してくれた。だからまたイギリスで戦ってもかまわない。チャーリーと戦った時にエディ・ハーンズと出会ったんだ。エディとマウリシオ・スライマンがサポートしてくれている。チャーリーとの再戦計画でも支援してくれたけど、彼は階級アップで再戦を避けたから、代わりにロサレスと戦ったんだ。あの試合はこれからの俺の始まりに過ぎない。ジャッジに委ねたくなかったからロサレスをKOできてよかったよ。」
海外では田中恒成がWBO王座を返上した話は伝わっていないのか、WBOがまだ王座を空位にしておらず、中谷VSマグラモの決定戦の結果穴埋め待ちなのか。少なくともWBC王者、フリオ・セサール・マルチネスは田中恒成とやる気マンマンです。
せっかく好敵手が現れたのに、日本人との対戦が肩透かしのようにスルーされるのはデジャブか。
田中恒成VSフリオ・セサール・マルチネス
個人的には井岡との日本人対決より激アツだし、世界的にはホットな戦いではないだろうか。これまた田中陣営の意思が固い限りは、寺地と同じく実現は不可能になりそうだが、すぐそこに最高のライバルがいる状況でそれを見過ごすのはいかがなものか。
田中の方が速く、大きく、キレるが、マルチネスの方が狂暴で勢いがあり本場の評価を高めている。マルチネスはアンヘル・アコスタ並なのかそれ以上かとても興味深い組み合わせだ。
しかし過去から学べば、こういうミライモンスターを引き受けるのは金になればどんな試合、どんな場所でもしがみつく
モルティ・ムザラネ
になるだろう。
アーテム・ダラキアンも不気味に強いが相手にされていない。
マルチネスの「ポケットロケット」はいい例えだ。
マルチネスはどこか、ルイス・ネリーのようでもあり、ジョバンニ・セグラ程度のようでもあり、ウンベルト・ゴンザレス並に活躍するメキシカンになるかもしれぬ。ならば田中がマイケル・カルバハルになればいいのだ。
エディ・レイノソはこの小さな男を絶賛し、スーパーフェザー級まで視野に入れているそうだ。
あぁ、せっかくよきライバルが現れたものを・・・
中谷にその期待を託すべきなのだろうか。