やっとついに対戦するようだ。ヘビー級にあまり関心なくなって久しいが世界的には大変注目されているドル箱マッチだろう。やはりボクシングはヘビー級が頂点のはずだから。
タイソン全盛時以降、関心が薄れていったのだがそれはルイス、クリチコ、特にポカあれどクリチコブラザーズの存在が飛びぬけておりアメリカ黒人系が振るわなくなったことが理由だろう。クリチコは強い、KO率も半端ない。それは認める・・・しかしどこかスローモーでジャブ重視の退屈な試合、度迫力というよりは規格外の体格をもったスーパーヘビー級の到来という印象を受けるからだ。
といって自分はタイソン絶対支持ではなくクリチコの方を上と評価している。今も昔も突出した強さを誇示する一方ライバル関係がいまいちだったのは同じ、クリチコの今とタイソン全盛期であっても当時存在しなかった超体格のクリチコが勝つであろうとおもっている。
今、総合的に一番強いのがこの弟の方であろう。兄貴より筋肉が発達しておりヘラクレスのような体から放たれるジャブ、ストレート、左フック、いずれも屈強なランカー達を粉砕してきた。今のトレーナーと組んでからスタミナ配分などもコントロールされポカしなくなってきたしリンチのようにじわじわ痛めつけ破壊するような組み立てをしてくるようにもなった。
しかし個人的には兄貴の方が好みだ。2敗は不運なものばかりで弟のような打たれもろさをまだ見せていないから。
でもやっぱり年齢的にスタミナきつそうな大味なボクシングになってきた。もうそろそろ引退だろう。
この試合は唯一、そんなクリチコの牙城をもしや打ち破る存在かもしれない人気者、ヘイがやっと試合に応じた格好だ。
黒人としてはめちゃハンサムな方だしクルーザーから上げてきたそのスピード感あふれるボクシングは華もある。攻撃の迫力もすごいしヘビー級でもKO率高い。タイソンほどでないにしてもタイソン的な期待ができるし軽量級のような華麗さをみせる新しいヘビー級のスタイルを持っている。
この試合、玄人筋であればあるほどクリチコが勝つという予想だろう。
ヘイが自分のスタイルで闘うにはクリチコは大きすぎ、拳が硬すぎ、遠すぎるのではないだろうかと。
自分もそのようにおもっているし西岡とセルジオ・マルチネスが闘うような体力差があるんではないかと感じるが、ひょっとしたらひょっとするかもという胸騒ぎもある。
最近は盤石な弟だが以前は コリー・サンダースやレイモン・ブリュースターに痛烈にノックアウトされておりピーターにも倒された。
負けは全てKO、突如スタミナロスしたり効かされて立て直せないような脆さもあわせもつのが特徴だからだ。
総合力は高いが兄貴より打たれもろい、心も弱い
というのが自分のウラジミール評だ。
とはいってもヘイだって打たれて強くはない。むしろヘビー級ではガラスの顎だろう。
引退してハリウッドスターになるなんてチョろいこと言ってるし口悪いわりに逃げ回ってたような経緯もあるので本当に肝が据わってるのか疑わしいところもある。
動き回ってポイント狙い(ニコライ・ワルーエフ戦のように)、スピードと思い切りよさで相手をたじろがせるか・・・
どっちのスタイルで来るかわからないが、ボコボコにKOされる恐怖を乗り越えてエンジン全開で襲いかかれば彼のスピードと迫力にクリチコがビビってしまう、そんなシーンも期待できなくはない。
タイソンのころ、かすったパンチで倒れた相手、当たってないのにおねんねしたような選手もいたがいつの時代も特にヘビー級は精神状態、ビビったら負けというようなところがあるようにおもわれる。
番狂わせ起こし兄貴の出番なんてこともあるかもしれない。
玉砕覚悟でガツガツヘイには向かっていって欲しいものです。