現在、全てが宙に浮いた状態です。今後数日、数週間で状況がどう変わるのかさえわかりません。
コロナウイルスのパンデミックにより、世界中で開催される予定だった多数の試合（大小問わず）が延期、または中止になった。
次から次へと試合がスケジュールから削除され、ファイター、プロモーター、会場、放送局、ファンはボクシングに関わらず、スポーツ全てがいつ再開するかさえわからない状況になった。ボクシングにオフシーズンはないが、少なくとも数か月はこの状況が続く恐れがある。
試合がないと、ボクサー、プロモーター、マネージャーだけでなく、誰もお金を稼ぐことができない。スパーリングパートナー、ジム、トレーナーも同様、会場や放送局もスケジュールがなく、未来を保証するものは何もない。
ジェイソン・モロニー
「うんざりしますが、真剣に受け止めなくてはなりません。このウィルスで何千人もの人が死んでいる。試合の延期や中止に泣き言をいう事はできません。なるべく早くこの状況が収束し試合が実現することを願っています。」4月25日に井上尚弥VSジョン・リエル・カシメロの前座でジョシュア・グリーとタイトル前哨戦を行う予定だった彼は述べた。
デビッド・ベナビデスは4月18日に地元のフェニックスで自身の初防衛戦を予定していた。地元での試合は悲願だったので、大きなショックを受けた。
ベナビデス
「故郷で戦うことはここ5年間の悲願でした。でもこの試合だけでなく世界中全てのファイトが中止された状況を考えると、公共の安全のためには最良の決定だとおもいます。」ベナビデスはアメリカでコロナウィルスが最初に問題となったシアトルに住んでいる。しかし彼は必要な予防措置を全てとっていると述べた。
ホセ・ベナビデス・シニア（父親でありトレーナー）
「不安はありますが予防策は講じています。今は家を出ることすらしていません。」ホセ・ベナビデス（兄）
「残念ですがこれはゲームではありません。真剣に受け止めなくてはなりません。」デビッド・ベナビデスは試合に備えて既に激しいスパーリングをしていたが、延期に伴いスパーリングパートナーを家に帰した。ベナビデスだけでなく、彼らスパーリングパートナーも失業になる。
ベナビデス
「3人のパートナーと12ラウンドづつスパーリングをしていました。キャンプはピークに達していました。この知らせを受けてとてもショックを受けました。プロモーターは準備だけはしておけと言いましたが、パートナーに報酬を払い続けることができないので家に帰しました。ジムでひとりで出来る事、トレッドミルで走ったり、バッグやミットを叩いたり、とにかくトレーニングは日常の一部だから、最低限できることは続けますが、この事態が収束するまではスパーリングパートナーを雇うことはないでしょう。」
ウェルター級トッププロスペクトのジャマル・ジェームスは4月11日にミネアポリスの地元でトーマス・デュローメと暫定王座を争う予定だった。
ジェームス
「いつ再開してもいいように準備だけはしておかねばなりません。コロナウイルスは全てを止めた世界的なパンデミックですが、いつ収束するかわかりません。だから私は集中し続ける必要があり、延期を嘆いてはいられません。トレーニングは続けていかねばなりませんが、燃え尽きたくはないので無理はしません。やり方を少し変えるだけで最初からやり直す必要はありません。私は試合は実現するとおもっている。延期は残念だけど、デュローメが言い訳をしたり怪我をしたわけじゃないのだから。」プロモーターもファイターと同じくらい焦っている。
カール・モレッティ（トップランク副社長）
「事態が変化や収束していない状況では何も準備できません。まだ進行中の出来事なので答えが見つかりません。延期した試合を再開したいですが、それは明日かもしれないしずっと先になるかもしれない。スケジュール表自体がないのです。誰も先のことがわからない。誰が地獄の詳細をしっているのでしょうか。ラミレスVSポストルもテオフィモVSロマチェンコもなにも進めることができません。」ロベルト・ガルシア（ホセ・ラミレスのトレーナー）
「ラミレスVSポストルはこれで2度目の延期です。うんざりです。2回ともスパーリングパートナーとの契約を解除しました。誰もが家に閉じこもっています。家にいるよう伝えました。アメリカのボクシングはトーナメントをキャンセルしたのです。アマチュアのキッズたちもジムには来ていません。これは深刻な事態です。家で手を洗うことしかできない。うまくいけば、ホセの試合が最優先なので、ジムに他の多くの人間が出入りするわけにもいきません。」制裁機関も影響を受けている。WBCはメキシコのオフィスを閉鎖し、今週バンコクで行われる予定だったムエタイの大会を延期した。
カール・モレッティ（トップランク副社長）
「現在、全てが宙に浮いた状態です。今後、数日、数週間で状況がどう変わるのかさえわかりません。」
