人生の教訓ではいつもほろ苦い思いをするものだ。
ドネアの発言にハッタリや脚色は一切ない。
https://www.youtube.com/watch?v=_0ucqVRdStY
ノニト・ドネアは2021年にバンタム級で議論の余地なき世界王者に復活したいと考えている。コロナウィルスのパンデミックが明けたら、まずはWBC王者のノルディン・ウバーリ(17勝12KO)に挑戦することを計画している。
元4階級王者のドネア(40勝26KO6敗)は昨年11月にモンスター、井上尚弥に対し印象的なパフォーマンスを発揮した。
あの試合でドネアがみせたのは、彼がまだエリートファイターであり、最高のファイターを打ち負かすことができることを示していた。勝てはしなかったが、微調整で勝てたかもしれないことを示した。ドネアがこの試合でミスしたパワーショットのいくつかは井上をノックアウトしていたかもしれない。
ドネアが当てたパンチで井上の顔面がボロボロになった。日本人ファイターは顔面に2か所の骨折とひどいカットを負った。
ドネア
「5月15日にウバーリに挑戦する予定だったが、コロナウィルスの影響で白紙になりました。次の試合がウバーリであることを願っているし信じている。ボクシングがどうなっていくのか、次にどう進むのか把握しようとしている。予定は変らないと信じてトレーニングしている。私はファイターでリングは私のテリトリーだ。リゴンドーとの再戦も楽しみにしているよ。スーパーバンタム級に上がることもできるが、バンタム級でやり残したことがある。ここが自分のテリトリーだしゲームプランを継承するための場所でもあるんだ。」
33歳のウバーリはドネアがパワーで優位に立てる相手だが、非常にタフなので試合を長引かせたらドネアにとっては厳しい戦いになるかもしれない。ウバーリは昨年11月に井上尚弥の弟の拓真を一方的な判定で破った。拓真は当時評価が高かったので、パフォーマンスが悪かったのには驚かされた。
ドネア
「自分が精神的にどこにいるのか、どうすればまたそこに戻れるのか、井上との試合が大きな学びとなった。今の自分がどこにいるのか実感できたことが最大の収穫だった。人生の教訓ではいつもほろ苦い思いをするものだ。「苦い」という味が常にあるんだ。アンダードッグだった私は4回持たないと言われていたが、井上に地獄を与えた。それは「甘い」味わいだった。
それが、ボクシングが誰に継承していくかの理由だ。あの試合では自分にはまだ多くのエネルギーがあることを教えてくれた。まだ引退せずジムに残るためのモチベーションとインスピレーションを与えてくれた。
あの試合のポスターをジムに貼って、毎朝起きてあの時の顔をみる、それがモチベーションになるんだ。バンタム級を制覇するという、私のゲームプランになる。井上との試合は自分を振り返る貴重な経験だった。もう一度全てをやり直して、言い訳や作り話をするのをやめないといけない。」
ドネアがスーパーバンタム級やフェザー級に戻ることなくバンタム級に留まることを選択しているのは良いことだ。ドネアの能力はバンタム級でより輝くが、もっと手数を出していった方がいい。井上戦やステフォン・ヤング戦では待ちすぎ、狙いすぎで相手のヘビーショットを浴びていた。
ドネア
「もうボクシングを20年やっている。さすがにモチベーションはかなり消耗しますが、井上との試合でモチベーションが上がった。自分にはまだ多くのものが残っている。パワーやスピードだけでなく、エリートファイターとしての総合的な側面がある。心を癒して体を動かすだけだ。試合後ジムに戻ってきて2020年に向けて精神的なモチベーションとインスピレーションを高めようとしました。スパーリングでもトレーニングでもとても調子がよかったので、自分にはまだ多くのものが残っているとわかっていた。
そして子供たちに、あのモハメド・アリトロフィーを持って帰ると約束したんだ。心も身体も最高の状態だった。誰も私を止められないと感じた。だから自分から引き金を引いていった。
若い頃は自分から仕掛けたりはしなかった。試合の中で自分の引き金をみつけるまで決して無理はしなかった。でも井上との試合で自分がどこで引き金を引けばいいのかわかったんだ。」
井上について聞いてみた。
「私はありとあらゆる相手と戦ってきた。相手を見るときは試合を解剖するんだ。立ち位置や身体の回し方、どうやって崩していくのか、パワーはどこにあるのか、相手のパワーを潰せるか、カウンターは使えるか、自分のカウンターを井上が嫌がっていると感じたんだ。そうやって物事をみて勉強している。私はファイターの動きを見るのが得意なんだ。」
現在、37歳のドネアには残された時間は少なく、バンタム級を制圧するのは難しいかもしれないが
ノルディン・ウバーリ
ギジェルモ・リゴンドー
井上尚弥VSジョンリエル・カシメロの勝者らに勝つことが出来れば、実現も夢ではないかもしれない。ノニト・ドネアにはそれだけの偉大なキャリアとこの階級を制するパワーがある。
ドネアの記事だとおもって書いたが長かったので端折った。
WBSS参戦から井上尚弥との決勝戦まで・・・
識者もマニアも辛口だった。
ライアン・バーネットにもゾラニ・テテにも勝てない。
ラッキーで決勝にきただけ。
もう過去の人
けれど終わってみれば、ドネアの発言は挑発でも強がりでもなんでもなく
全て正しかった。
その通りだった。
発言にハッタリや脚色が一切ない。
この男はメチャクチャ正直で素直で誠実だ。