大橋ジム、人気ものが全て勝つという会長ご満悦な予定調和となりましたが、各試合とも見どころはあったとおもいます。
その中でもやはり五輪組の村田、清水、いびつなスタイルなんですが、やはりトップアマたらんところか。
明日が終わるまでは駆け足で・・・
村田VSサンドバル
金メダリストと無名選手といえぬほど実力に差が感じられないのはいつものことだが、やはり本場選手じゃないサンドバルとはパワー差が顕著。
村田のディフェンスはブロックばかりだが、あれだと強打者はタブーなのだろう。
だからパワーレスな相手が多く、標的はソーンダースなんだろう。いつのまにか決まりのようになっているのも不自然。
最後はサンドバルが尋常じゃない効きっぷりだったが
あれは最初の右ではなく、クリンチ際に側頭部を殴ったのが効いたのだとおもう。
レフリーよ、あんな効き方してんのにモタモタカウントして・・・即介抱せよ。
清水VSデメシーリョ
じっくり見たのははじめてだが、初戦で少し見て幻滅していたのだ。
しかしやはり五輪メダリスト、和製カバジェロだ。
ギクシャクしてるが防御勘はよく、左腕を上げるだけの効率いいブロックが秀逸。
サウスポーだが右が石のように堅いのか、右の畳みかけが強烈だった。
左より右が器用で強そう。すごくヘンテコなボクシングだが、楽しみに思えてきた。
オスカー・バルデスがとれなかったメダルをとった男として。
パワーレスなポイントゲッター型の日本人アマボクサーは通じないとかつて書いて清水に懸念していたが、意外なパワーがありアウトボクサーでもない。ヒョロヒョロとギクシャクはどうしても気になるが。
細野とまったく違うタイプの強打者ですね。剛腕じゃなくて鉄拳系
八重樫VSサマートレック
八重樫は今後はこういうボクシングをした方がいいという方向がみえた。
スピードを生かして慎重なアウトボクシングをしていれば、自身もなかなかいいパンチは入れられないが、相手はもっと何もできず焦れてくるので、中盤から後半、相手から攻めてこざるをえない。
八重樫は自分から仕掛けず応戦していればいい。
今日は最後まで肩の力が抜け、スタミナもパワーも余力ある効率的な攻め方をしていたので最後のストップは妥当だろう。
元々近距離じゃないと自分のパンチも当てにくい八重樫だが、近距離戦は後半まで我慢、相手が仕掛けてくるまで待った方がいい。
しかしサマートレックはギャーギャー言いながら攻めるから強そうにみえるだけで無策であった。
川島の解説がなにげに痛快なほどボロ糞であった。「単調なんですよ、単発だし、もう打つ手がない」
来年も八重樫のボクシングがみれて幸せ。
井上VS河野
途中から完全に河野応援になってしまった。
もうダメかというボディを食ってからの執念や反撃がすさまじく、やはり元王者、歴戦の大ベテランだとおもわせたが、最後は無情にもガマンではどうにもならないカウンター。
自分から前に出て攻めて食ったものだから仕方ない。これがボクシングの真実、残酷さだ。
河野の最後だから?あのダウンで続行はレフリーもセコンドも間違った判断だとおもう。
絶好調というわりに肌つやが悪いように見えた井上はやはり減量が過酷そうだが、内容はほとんど文句がなくやはりロマゴン、エストラーダに勝つ可能性を秘めた男は彼だけだ。五輪組よりずっとスマートで速いが、そこが弱点なのかもしれない。
圧勝でも必ず相手の抵抗にはつきあう。
36歳が23歳にボコボコにやられる。残酷な世界だな。でも元王者の河野にこういう勝ち方ができる。ロマゴンだってこうはいかないかもしれない。
今日はいいキャリアになったとおもう。来年は3戦くらいやってせめて15勝くらいの記録を作ってからビッグマッチが見たいんだが・・・
今日はレベルはともかくえぐいKOが多く、ボクシングはじめて見た方には強烈だったかもしれません。
でも八重樫のレフリーだけがまともで、後はストップが遅かったですね。