ユニエル・ドルティコスVSドミトリー・クドリアショフ他

昨日は所用を済ませたら試合も全て終わっておりライブ実況できませんでした。数々の試合の中で一番興味深かったこの試合。

https://www.youtube.com/watch?v=j6uIGAaPnjA

堂々の打ち合いで、キューバのドルティコスが恐怖のパンチャー、クドリアショフをKOしました。

スカッとするなぁ。

前半KOでクドリアショフ後半KOでドルティコスと読んでいましたが強打者同士のこの試合に長いラウンドは必要ありませんでした。

風貌も肉体もパンチも恐ろしいクドリアショフですが、こういう殺人マシンみたいな強打者は、筋肉の鎧が固く、ややスローで打たれ脆い部分があります。セルゲイ・コバレフもきっとこういうところがあるんじゃないかとおもっています。

対するドルティコスもほぼKOのパンチャーですが、この人の場合一発ではなくコンビネーションタイプ。迷いなく自分の一番得意な右ストレートを振り抜くエキサイティングな選手です。

この試合でも殺人マシン相手にガード高めで慎重に試合を組み立てつつ、臆することなく右ストレートをガンガン打ち込んでいたのがよかった。これだけ気持ちよく打ち込むとガードしてても食います。回転力も柔軟性も固いクドリアショフよりあります。守ってばかりでペースを奪われるなんて事をしません。

殺人マシンの圧力に屈することなくリング中央で戦えていたのもよかったとおもいます。前に出れない、下がる形だとどんな強打者のパンチも威力が落ちます。

WBSSではウシクやマイリス・ブリエディスを推していますが、このドルティコスのコンビをガンガン打ち込んで必殺の右に繋げるスタイルも大好きです。応援したくなります。

すっかり、アメリカが後退し、欧州勢の舞台となったLヘビーやクルーザー級ですが、米国黒人VS欧州勢ではなく、唯一キューバだけが対抗しうる存在なのかもしれません。ヘビー級もオルティスおじさんに頑張って欲しいとおもいます。

クドリアショフを嫌いなわけじゃありませんが
本当にスカッとたなぁ。

強打者相手には下がったり、臆することなく堂々と立ち向かい、自身渾身のパンチを打ち抜けばいいのだ。臆病になったらその時点で負けである。

ホルヘ・リナレスVSルーク・キャンベル

すみません、これからじっくり観戦します。
ダイジェストしかみていませんので。

期待値高い五輪金メダリストをスピードで上回り、ダウンを奪っての勝利。やはりリナレスは金メダリスト以上の輝きであったのだ。未だ、マイキーやロマチェンコには及ばないとおもっていますが、試合が実現すればかなり高次元で楽しみなレベルです。今となってはベネズエラの世界王者はとても貴重です。

一時低迷していた頃は、内山や三浦がリナレスを超えた部分もあるのではという風潮もありましたが、今となってはやはり本物だけが生き残る、帝拳の敗戦の連鎖もこの男が断ち切ってくれました。海外で結果を出し続ける。日本人とは本来の地力が違うのでしょう。

井上尚弥の輝きもかつてのリナレスに似たところがあります。美しすぎる正統派、けれど階級やパワーの壁は無限ではない。案外井上もフェザーだとオスカー・バルデスみたいなレベルかも・・・

なんて妄想したりもしてますが、リナレスの成長や過程に見習う部分も多いとおもいます。

アンドレ・ウォードが引退と・・・
五輪組でもアテネとなるともうこの人かGGGくらいしか残っていませんでした。

ボクシングを極めていくとメイウェザーやウォードのような派手さやエキサイティングさよりも、塩分高めの地味な奥深さに特化していくんだなと教えてくれました。

今でも①はコバレフの勝ち
②はローブロー地獄

だったとおもっており、コバレフのこの言葉

「引退は歓迎だ。他の多くのボクサーにチャンスが増える。俺が復帰するから引退するんだろ」

は性格悪いなぁと同時に一理あるとおもいます。

あんなのと3度もやったら体が持たないよ。無敗という伝説を残してきれいに引退を選ぼう。

Lヘビーはやはりウォードが主戦場にしていくには危険なパンチャーが多すぎ、肉体的にしんどい部分があったろうとおもいます。

非常に地味ではありましたが、そう来るか、ズルいけど上手いな、さすがだな。という部分は随所にあり、相当にボクシングIQの高い天才でした。
見習う部分は多すぎます。

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コメント一覧
  1. クドリャショフは再戦で雪辱しましたがドゥロドラ戦でも相手が怯まず打ち返してくるんでKOされちゃいました。あれの上位互換がドルティコスだったかとおもいます。ブリエディスはもっとステップしてドゥロドラの攻撃をいなして自分だけ打ちまくってました。柔軟性や足がクドリャショフに足りないのが致命的ですね。

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  2. あなさん

    そんなに深くは考えていないのですが

    ドルティコスは191センチとクルーザーでも背が高く
    ガンガンと打ち下ろしの右を放って来るんで
    クドリャショフのハンマーに怯えなければこうなるんじゃと予想してました。
    誰も怖がることなくおもいきりできる選手みたいですね。

    次は恐らく総合力の高いガシエフになりそうですが
    誰とやってもこの打ち下ろしの右は気持ちがいいですね。

    今は井上の方がパーフェクトにみえますし階級も違いますが
    バルデスと井上って体格も骨格もボクシングの質も
    とても似ている気がします。

    バルデスの方が相手の質が高いだけで。

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  3. クドリャショフ負けちゃった… 個人的には打つときは超硬質、ディフェンス時は意外なほど軟体 ちゃんと細かくバランス取れる足もあって攻防分離ですが、割合コンプリートファイターという印象だったのですが、この二試合のディフェンスに違和感を感じます ボディワークがおっしゃるとおり固いし、ドルティコスの右クロスの機転になってる右へのステップアウトを無策に許してる どうしたクドリャショフ
    ドルティコスについては管理人様と同意見です 先のゴロカネロ戦でも感じましたが、ヘビーを除けば打法がしっかりしてる選手間では威力とうち終わりの処理は必ずトレードオフです 強く打つ選手は空転させればうまくいくし打つ側はそれでしっかり相手を動かさなければいけない 三浦はベルチェルトにアウトボックスされましたが、強打者相手に意地でも下がらないというのは滅茶苦茶有効な手だと思います そしてそらを詰めたゴロカネロはやはりハイレベルな技術線でした ドルティコス、強さに対する評価はまだなんとも言えませんがこの試合は満点の出来でしょうね 攻めるゴロしかり受けるドルティコスしかりやはりボクシングはこういう方向で洗練させないとつまらないかなと思います
    リナレスロマチェンコは自分も期待してます あとは階級が合うか分からないがカーンロマチェンコも ボクシングの組み立てでは雲泥の差ですが、単純な運動量とクイックネスと運動能力でアドバンテージを取れない相手にロマチェンコがどう試合するのか興味があります 現状はベルチェルトくらいしかいませんからね
    バルデスは基本的なパンチの正確さで差をつけた内容やダウンを食った自分からまっすぐ下がるシーンなども井上を想起させます 才能は全然違うと思いますが アンカハスとやったら案外こういう試合になったりして

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  4. クドリャショフさんほんとに31歳ですか⁈もはやゴツい亀仙人にしか見えない…
    がっつりKO敗け喰らってしまいましたが、このまま消えるには惜しい、まだまだクルーザー級の門番的な感じで頑張って欲しい…

    欲を言えばウシク、グロワッキ、ブリエデス、ガシエフあたりとの試合を一通り見たいです。

    ジャズとボクシングはレベルが上がるほど観てる方はつまらなくなる、とジョージ・フォアマンが言ってたのを思い出しました。

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  5. camaroさん
    一瞬のマ夏?さん

    ドルティコスの試合はいつもこんな感じでおもいきりがいいです。
    はずれなしです。

    たった2ラウンドですがクドリアショフのボディやパワーはきつかったとおもいますが
    結果的には圧勝劇でした。

    やや単調な気もしますがこのおもいきりの良さは大いに買いです。

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  6. ドルティコス、強かったです。丁寧に組み立てようとするクドリアショフをオーバーハンドを何回も何回も打っていて、ガードしていても効いていきますね。
    でもパンチ力もそうですが、やっぱりパンチの精度が高いです。
    いや~久しぶりにスッキリです。  でもドネアはちょっと影がみえてきてしまったかも。。。

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  7. クドリアショフ相手に下がってた絶対勝ち目ありませんからね。
    見事なKOでした。
    クルーザー熱いです。

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  8. もりさん

    私には弱者が強者を攻略するお手本のような試合という印象です。
    特に②で強く感じました。

    ボディ攻撃は常套手段ですが、反則ギリギリを遂行する能力の高さに関心しました。

    悪い意味ではなく。

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  9. コバレフは強いけど、何回やってもウォードにには勝てないと思います。ウィテカー ロイジョーンズ メイウェザー ウォードというアメリカ黒人スーパーボクサーの最後の傑作だと思います。

    特にコバレフ ウォード1は史上に残る
    名試合と思っています。

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