バイプレイヤーの壁/ワシル・ロマチェンコVS中谷正義

リナレスも中谷もホットな存在とはいえ、本場では所詮supporting actor (バイプレイヤー)の扱いだ。

https://www.youtube.com/watch?v=3mou4rphWQE

ワシル・ロマチェンコの復帰戦の相手は、彼を破って統一王者となったテオフィモ・ロペスが一度戦った強敵のようだ。トップランクのボブ・アラムは、オリンピック金メダリストのロマチェンコが中谷正義とのカムバック戦を視野に入れていることを明らかにした。

アラム
「ロマチェンコとは話をしていて、初夏を視野に入れている。彼はバブルの中での戦いに疲れている。彼は大きなチケットを売っているんだ。アメリカで大きな戦いができると思っているし、もしかしたら日本の中谷正義と対戦できるかもしれない。彼はロペスに対し全力を出し切った。中谷は本当にハードパンチャーだ。」

ロマチェンコ(14-2, 10 KO)は、元3階級世界王者で、10月にロペスに全会一致の判定負けを喫した後、再びパウンド・フォー・パウンドのトップに立つことを目指している。

厄介で頑丈な中谷は、タフなテストになるだろう。

中谷(19勝1敗、13KO)は、12月にフェリックス・ベルデホに9ラウンドのテクニカルノックアウトで勝利し、今年のファイト・オブ・ザ・イヤーのコンテンダーとなった。中谷は78-72、78-72、77-74の劣勢で2回ノックダウンされた後に逆転してプエルトリコ人をフィニッシュした。

中谷の勝利は、2019年にロペスに全会一致の判定負けを喫した後の見事な復活劇となった。ロマチェンコはロペス戦の後、右肩の手術を受け、中谷はベルデホ戦で右眼窩骨を骨折した。

このサイトのメイン画像が中谷VSベルデホなのは、あの試合以上のボルテージが未だにないからだ。恐らく井上尚弥の次戦がこの画像に代わるだろう。

しかし、それより早く、中谷の次の話題が出てきた。
なんと、元P4Pトップ、五輪2冠、アマ396勝1敗の男が候補だという。

実質、中谷がロペスに勝っていたと一部で囁かれる試合であり、ロマチェンコがロペス戦を払拭し再起するのに都合のいい相手なのだろう。トップランクのアラムにとっても日本人は交渉がしやすい。

日本では、井上尚弥の実力が飛びぬけており、階級を超えた世界の頂点に至らんとしているが、

テオフィモ・ロペス
フェリックス・ベルデホ
ワシル・ロマチェンコ

だとしたら、中谷正義の方が中身が濃すぎる。
世界最激戦区、最も注目を集める本場のトップ中のトップとの連戦だ。

世界王者は世界最強、相手を選ぶなんてもってのほか
ファイターの気持ちはひとつだろうが、あまりにも険しい道のりだ。

願わくば、中谷にはWBOかなにかの世界戦に出て欲しいし、ライアン・ガルシアら、米国の若きスター候補に絡んで欲しいが、これもまた選択の余地なき宿命なのかもしれない。

中谷はテオフィモ・ロペスを大いに苦しめ、フェリックス・ベルデホを逆転KOしたが、KOまでの過程は0-3だ。ベルデホには正直なパワーがあったが、明らかなる弱点もあった。(プエルトリカンに多い。)中谷自身、ずっと東洋で戦って、本場で通用こそしたが、まだ修正、課題の余地も多い。大柄でジャブが鋭くやりにくい選手だが、さすがにロマチェンコの牙城は高い、あるいは相性が悪そうだ。

決定したら全力で応援するし、ロペスのパワーを畏怖しすぎ、元々小さなロマチェンコに対し、中谷の勝機もあるとはおもうけど、別の茨の道も用意されていい。

ライト級は新旧交代の様相だ。

ホルヘ・リナレスでさえ、過去の人になりかけており、新王者、デビン・ハニーのステップアップの候補にあがっている。リナレスも中谷もホットな存在とはいえ、本場では所詮supporting actor (バイプレイヤー)の扱いだ。

中谷やリナレスには、彼らライト級の新しい主役たちの踏み台になって欲しくない、大きな挫折を味わせて欲しいと願っている。

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コメント一覧
  1. 個人的にはロマチェンコの様なトップ選手が失うものが大きいからやらないなんてのは片腹痛い理由です。
    むしろその方が見たいですよ。
    もしくは自分より強いものや不利な相手に次々と挑んでいくそれが望むボクシング。
    パッキャオの凄いところはそういうところだと思います。
    相手選ばなきゃ金は後から幾らでもついてくる。

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  2. 現状だとロマチェンコ選手にしても中谷選手にしても負けた場合失うものが大き過ぎる様な気がします。
    中谷選手は今日復帰勝利したリチャードコミー選手の方が噛み合いそうというか見てみたいですね。

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  3. 中谷×ベルデホ
     ベルデホは中谷をスピードとテクニックで序盤圧倒してますが、実は中谷はベルデホが入ってくるところをカウンターぎみに左ボディを何度かあてており、またクリンチも、わざとベルデホをおさえて、ベルデホの体力を削ることをやってます。

    ベルデホは中谷のボディをいやがり、下に意識させたところに、中谷の得意の右をベルデホの顔面にヒットさせベルデホはどんどん失速して、足が死にます。

     足が死にスピードやパワーを失ったベルデホのパンチが中谷にあたらなくなり、逆に中谷のパンチがベルデホに当たりだします。

     そして中谷の劇的な逆転勝ちが生まれます。井岡ジムはとにかはく重りをもたせて、山や砂浜など走らせることで有名です。中谷は井岡ジムで相当スタミナを鍛えられてます。

     ロマチェンコ戦もベルデホ戦のようにロマチェンコの体力を削るボクシングを行い後半勝負をかけたらワンチャンあるかもしれません。

     ロマチェンコはロペス戦やサリド戦は実は体力を削られて負けている。サリド戦は徹底したボディとタックルで体力を奪われた。

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  4. あくまで希望的観測ですが

    ロマは
    ・復帰明け
    逆に中谷はブランクがいいオーバーホールになった(今回眼窩底折ったけど)
    さらに世界を熟知するスタッフを得た
    ・プロでこれほどの長身と試合したことない
    中谷は自分より短躯の相手に慣れている
    ・一発で仕留めるパンチ力はない
    中谷はベルデホのパンチですらKOは免れた
    加えて決してno masはしなさそうなド根性

    十分期待出来るのではないでしょうか。
    ロペスがロマに勝ち、もう一人の中谷が王者になり歯噛みしたものですが、これほどスケールの大きな選手になって帰ってくるとは思いませんでした!!

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  5. 中谷は亀海みたいになってきましたね
    超一流にとっては丁度いい調整相手なんでしょう
    ここでアップセットできるか善戦マンで終わるのか

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  6. もし、中谷が五輪2連覇、三階級制覇、元PFP1位のロマチェンコに勝てば、歴史的大事件になる。
    ロペスにやぶれたとはいえ、けがもあった。
    ライト級の王者クラスからすぐに中谷にオファーを出すことになる。ヘイニーか、デービスか、ガルシアか。 

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  7. 眼窩底やってましたか中谷、4rに貰ったカウンターはやはり強烈だったんですね。

    石田順裕然り、強豪に勝ってしまうとその後のキャリアがベリーハードになりますね。

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  8. ロマチェンコに勝つのはデイビスやライアンに勝つより難しいと思う、ロマチェンコをKOでも判定でも勝てば一気にライト級のトップクラスになるけどロマチェンコに勝った無冠の選手とか誰もやりたがらないんじゃ...。

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