ティム・チューVSブライアン・メンドーサ/ジャニベク・アリムハヌリVSヴィンチェンツォ・グアルティエリ他

もう、追うので精一杯ですがボクシングは絶えず、永久に世代交代を繰り返す。今週末もマニアには楽しみな試合がいくつかあるようです。

観戦後記

ティム・チュー

しっかり観たのは初回で終わったオカンポ戦と井上岳戦くらいだったが、彼の特徴がよくわかった。親父から授かったフィジカルとパワーがすさまじい事。スタイルは平凡で前手で相手のパンチを払いながらジリジリとプレスをかけていくのだが、親父秘伝なのか、最小限のディフェンスとボディーワークであまりパンチを食わない。ポジショニングと頭の位置がいい。しかし動作は最小限、しかし自身もそんなに速くなく、当て勘が優れているわけではないので、プレスはかけるがあまりヒットせず、中盤以降になり、相手が弱ると馬力とパワーで突破していく。特に強引なアッパー、右ストレートが、ガードを無視して貫通してくる。それで相手を痛めつけて差を生み出して後半にKOするかポイントを積み重ねていく。

メンドーサもパンチャーでいいファイトを演じていたが中盤までがせいぜい、あとはチューのパワーに削られていった。チューはポイントゲームで劣勢だったが、最後まで傷ついた様子がなかった。よほど頑丈なのか、まともには打たれていないのだろう。

とにかく、フィジカルとパンチが強いが、テレル・ガウシャやトニー・ハリソンに苦戦したように、スピード系に逃げ切られてしまう可能性や、見えない速度、タイミングのパンチを食って効いてしまう可能性はある。

Sウェルターでも頭一つ抜けたフィジカルとパワーの持ち主だが、ジャロン・エニスやテレンス・クロフォードの方が強いとみる。

ジャニベク・アリムハヌリ

このレベル(無敗の王者)相手でも圧勝。ミドル級にして軽量級サウスポーのようなスピードと隙の無さで理詰め、慎重に攻めてくるのでポイントゲームはほぼ勝てない完成度を誇る。

しかしミドル級王者として傑出したフィジカルでもパワーでもないので、何か特徴を持ったファイトであれば攻略可能だろう。ティム・チューとは逆にフィジカルとパワーでごり押していく、下がらないファイトをすれば攻略の糸口はある。

今スカスカのミドル級では安定王者の部類だが、対抗王者のカルロス・アダメスみたいなパワー系ならいい勝負になるだろう。エリスランディ・ララは同タイプで小さいだけに厳しそう。

ティム・チューVSブライアン・メンドーサ

ティム・チュー 23勝17KOは無敗の快進撃でここまで来、統一王者のジャーメル・チャーロと対戦予定だったが、チャーロがカネロを選択、そして残念な試合をしてしまった。チャーロにとっても注目度の高い良きライバルの出現だったが、その機会を自ら棒にふった。

チューは人気、勢い、親父の威光、全てを備えた次世代のスーパースター候補で戴冠が期待されているだろう。オッズも有利だろう。たしかに申し分のない勝負強さ、タフさを発揮しているが、技巧派にはまだ弱い部分もあるので、絶対的優位とはいえない気がする。

対するブライアン・メンドーサ 22勝16KO2敗は敗北経験のある雑草選手なので、オッズで大きく不利だろうが、ここ2戦は元王者のジェイソン・ロサリオをKO、そして無敗で人気の巨人、セバスチャン・フンドラを攻略し勢いにのっている。

キャリアや試合をみるとこの男も正統派ながらかなりの激闘型、パンチが強く、スピード系に弱い、チューと似たタイプにみえる。
試合はきっと激しいものになるだろう。メンドーサの闘志とパンチ力は侮れない。

シャクール
「メンドーサは素晴らしいファイターで大好きさ。チューのことは興味がなくよく知らない。でもトニー・ハリソンに勝ったんだから強いんだろうけど、メンドーサが勝つよ。」

ジャニベク・アリムハヌリVSヴィンチェンツォ・グアルティエリ

カザフスタンの世界選手権覇者、ジャニベク 30歳、14勝9KO、大物と絡むことなく紆余曲折あったが結局王者に落ち着いた。今のミドル級はスカスカだ。慎重で勝ち味が遅く退屈な面もあるが、スピード、テクニック、完成度が高くその牙城はかなり高いものとおもわれる。

対するグアルティエリは21勝7KO 30戦無敗のエスキバ・ファルカオを破り空位のIBF王座を獲得、いきなりの統一戦となる。ファルカオが不運なダウンを何度かしたのでグアルティエリの勝利となったが内容は接戦でファルカオの方が素質があると感じたが、粘り強いことは間違いない。前戦では村田と戦ったスティーブン・バトラーを2回でノックアウトしている。

ジャニベクの速くて隙のないスタイルに粘りのグアルティエリが風穴を開けることが出来るかという内容になるだろう。ジャニベクが慎重なのはそれだけ打たれたくないことの現れだろうから、一発食うと脆いのかもしれない。

この試合は注目度は低いが無敗の王者同士のミドル級の統一戦なのだ。

ミゲル・ベルチェルトvsディエゴ・ルイス

ベルチェルトのライト級での再起戦。
オスカー・バルデスにノックアウトされ、再起戦のジェレミア・ナカティラにもいいところなく敗れたベルチェルトはバルデス戦で壊れてしまった印象を受ける。その後の試合でバルデスにドーピングが発覚し(本人否定、ハーブティー)ベルチェルト戦もそうだったのではないかと疑問におもうが真相は闇の中。

ディエゴ・ルイスは格下でフェザー~ライト級をさまよう中堅なので、さすがにベルチェルトの再起は手堅いとおもわれるが・・・

内山、三浦、ベルチェルトの頃は熱く、強い王者だったが、あっという間に時間が過ぎ、今こういう激闘型のメキシカンが通用しなくなってきたと感じる。ディフェンスが少々雑で隙もあるが、無限連打でガンガン攻めるベルチェルトのようなファイトが懐かしい。

エマニュエル・ナバレッテがザッツメキシカンなスタイルで頑張っているのでベルチェルトにも復活して欲しい。

そういえばタイソン・フューリーの試合もあるんだな。

ウシクとの試合も決まったとあるが、勝利が前提なのか、負けたら白ける。

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