ミゲル・バスケスという塩王者を破り王者となったものの一度も防衛戦をせず王座を返上したミッキー・ベイの抜けた穴を争う決定戦。
ミッキー・ベイには気の毒なほどのファイトマネーだったらしいが、ファイトマネーで欲をはるのはいい試合して名前を売ってからにしなさいといいたい。
個人的にはミッキー・ベイよりも決定戦の組み合わせに秘かに興味がありますが。
デニス・シャフィコフVSランセス・バルテレミ
シャフィコフはミゲル・バスケスの塩ボクシングを前に何もできず負けましたがその他は全勝。
36勝19KO1敗1分
見た限り、戦績ほど手ごわさを感じない。ファイターボクサー型の手数のサウスポーで距離をとられると単調で何もできない。
しかしロシアンファイターらしく修行僧のような顔も含め頑丈でしぶとそうではある。
前戦ロイ・ムクリス戦では降参?の形でムクリスをわずか3回で諦めさせた。
対するランセス・バルテレミ、この人が管理人の注目選手だ。
Sフェザー級タイトルをとって返上したしかSライト級へジャンプしたはずだ。
前回も元王者アントニオ・デマルコとSライト級契約で判定勝ちしている。
今最も勢いのあるテレンス・クロフォードが日の当たるスター候補ならバルテレミは日陰のダークナイトな存在として注目していたのだが
ライト級で仕切り直すのかな?
チャンスがあるならある程度階級はどうでもよかったか?
兄はかつてゾウ・シミンにも勝って五輪金メダルのヤン・バルテレミ。
しかしパワフルでプロ向きなのは弟のランセスの方であったらしい。
このバルテレミのボクシングというのが厄介で、長身アップライトから自在な左をビシビシと繰り出し破壊力も抜群。
右はやや大振りだが鞭のようにしなる体躯でディフェンスもクリンチもまた巧み、強さとやりにくさを備えた嫌なスタイルだ。
しかも倒す力を備えていながら、あまり無理をせず判定でいいやなポイントアウトボクシングも辞さないキューバンな性格。
人気なく地味でヒールな存在ではあるが、言わば管理人の好きな怪物的要素を備えたボクサーの一人だ。
難航不落なバルテレミを攻略する手本のような小柄なファイターのシャフィコフは相性としては悪くなく、堅いジャブとガードをかいくぐって距離をつぶしファイトすればシャフィコフに勝機はありそうだ。身長差は実に15センチ。
ややなめた挑発をするバルテレミの弱点は間違いなく高く上げたトランクスのボディだろう。そこを打てればシャフィコフにも勝機がある。
しかし結局は対応力とポイント奪取能力があるバルテレミがタフなシャフィコフを倒すのは諦め、無難に判定勝ちしそうというのが予想。
と、大変押しているバルテレミではあるものの、かつて超ファイター系に危ないシーンをみせたりしているので、底は知れないがテレンス・クロフォードの領域ではないだろう。
しかし番狂わせ以外めったに負ける姿をみせないスケールのある強いボクサーであることは疑いようがない。
かつてのセレスティーノ・カバジェロがそうだったように。