最後のBサイド(脇役)/ワシル・ロマチェンコVSテオフィモ・ロペス

出世が早いのは結構なことだが、一戦一戦が大事になり試合間隔は伸び、残されたキャリアは僅かとなる。ワシル・ロマチェンコVSテオフィモ・ロペス、もしかしたら試合は実現しないかもしれない。

テオフィモ・ロペスは5月30日に行われる予定だったワシル・ロマチェンコとの統一戦の契約交渉に不満だ。昨年12月以来試合をしていないロペスは今年2,3試合戦いたいと考えていたが、コロナウィルスの影響により、今年初戦となるロマチェンコとの試合も延期される可能性が高い。

ロマチェンコはこの試合に備えアメリカでトレーニングを行っていたが、物事が不安定になった今、故郷のウクライナに帰国した。全てのボクシングイベントが中止となったアメリカにロマチェンコが留まることは無意味だからだ。

残念ながら、現在22歳のロペスは今年1試合できればいいほうだろう。32歳で完成されたベテランのロマチェンコに対し、ロペスはまだ成長を続けており、ライト級の体重を作るのに苦労している。統一戦が遅れるほど、ロペスの減量は困難になり、ロマチェンコに有利になる。

統一戦が1年延期された場合、その時期までロペスがライト級のリミットを守れるだろうか。ロマチェンコには減量の苦労はない。ロペスはロマチェンコとの試合を契約済みなので、いくら望んでも今はスーパーライト級に転向はできない。

テオフィモ
「私たちは試合を実現させるるためにかなり我慢しました。ロマチェンコは交渉でかなり一方的だった。今、このような状況になり、彼はウクライナに帰ってしまった。今後物事がどのように処理され、どうなるかイライラしている。

私はもうこれ以上ロマチェンコを待つつもりはない。私たちは彼の望む通りに従ってきた。ロマチェンコはニューヨークは嫌だと言い出した。今年私はまだ試合をしていない。もう3月だ。少なくとも年2,3試合戦いたいとおもっているが、このウィルスがいつ終わるかなんて誰にもわからない。ロマチェンコは試合をニューヨークではなくラスベガスでやりたいと言い始め、今度はカリフォルニアだと言い出した。」

交渉の開始から問題が山積みだった。ギャラの配分にも納得がいかない。ロマチェンコはビッグネームなので、自然とロペスはBサイド(脇役)に追いやられた。

しかしそれはテオフィモのような若いファイター全てが直面せねばならないものだ。ボクシングの老いたライオンとの交渉では通過儀礼のようなものだ。

スターになるためには、ロペスのような立場のファイターはロマチェンコのようなビッグネームに対し、少ないギャラのアンダードッグを受け入れる必要がある。勝てばロペスのキャリアは飛躍する。ほとんど全ての相手に対し常にAサイド(主役)として多くのファイトマネーを受け取るようになれる。

テオフィモ・ロペスは、ジャーボンティ・デービスよりも若い22歳なのか。かなり小柄だが筋肉質でかねてより減量苦が伝えられていた。未だ肉体が成長しているだろう若さで試合の延期はつらい状況かもしれない。

戦いながらキャリアを積んで成長すべき時期に、超大物と年に1試合できるかどうかという現実は微妙だ。出世が早いのは結構なことだが、一戦一戦が大事になり試合間隔は伸び、残されたキャリアは僅かとなる。

それだけは井上尚哉や田中恒成も同じだ。
あと数戦先、次の試合が最後になる可能性だってあるのだ。

ロペスにとり一番の敵はロマチェンコではなく、己の体重かもしれない。
もしかしたら試合は実現しないかもしれない。

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