本来ならもっとワクワク感で迎えたこのビッグマッチ、つかの間でも現実逃避したいような感じで観戦させていただきました。
蓋を空けてみなきゃわからない対戦でしたが非常にハイレベルで興奮の内容でした。
http://box-p4p.com/tube/sergio-martinezvssergiy-dzinziruk.html
鉄壁なジンジルクですがいつも以上に気合が感じられ、前に出ていました。
ジャブもディフェンスも素晴らしくバランスもいい。やはり戦績どおりの完成度だと感じました。
方や闘牛士のようなマルチネス、最近ド派手な試合が多かったですが改めて惚れ惚れするテクニシャンぶりです。ジンジルクのジャブが当たる距離での打ち合いでしたが足と上体をフルに動かし的を絞らせない。
ジャバーのジンジルクですがマルチネスの的が絞りきれずフェイント、カウンターの対処だけで忙しそうです。
標的を捕まえたくて追うジンジルクと捌きながらやりかえすマルチネスという構図でマルチネスのカウンターがはまり3回、5回とダウンを奪います。普通なら食わないようなタイミングのパンチでジンジルクも呆れて笑っていましたが焦りがつのっていったようです。なんとかつかまえて倒すしかないと決意したように感じました。
その後もノーガードなどで華麗なボクシングをするマルチネスが冷静かつ大胆にパンチをきめ8ラウンドに3度のダウンを追加して圧勝劇となりました。
ダウンこそ奪われましたが体格でもパワーでもテクニックでも逆転の期待を抱かせるジンジルクの完成度の高さを感じましたがマルチネスはやはり化け物的に今強いんだなと感じる圧巻のボクシングを見せてくれました。
体重が同じならわかりませんが、P4Pの声多いパッキャオ、この日相変わらず強かったコットなどと比べてもこのウェートのマルチネスの方が心技体充実しておりパワーも技術も上だろうと感じさせる出来でした。
ドネアショック直後ではありますが、またひとつ、最高クラスの内容であったとおもいます。
負けて全てを失ってしまったであろうジンジルクですがこの人も長谷川と同じで並みの王者、世界戦ならすぐ王座に復帰するであろうとおもえるレベルでありました。
こんなに本気で強気の彼をはじめてみました。
特に前座で行われたアンディー・リー、この人もホープで激戦制して勝ちましたがその内容に比べはるかにレベルの高い試合と写りました。
この試合、惚れ惚れするほどハイレベルであったとおもいます。
今年まだはじまったばかりですが内容濃すぎです。
個人的に大好きな無名王者のディミトリー・ピログ、彼はまだマルチネスとやるには実績なしですがただちに結果を出して戦って欲しいとおもいます。彼くらいだろう、マルチネスに勝てるロマンがあるのは。
試合中、直後だけはどっぷり興奮させていただきました。