not enough まだ足りない/ジャニベク・アリムハヌリ

Zだったが、発音が難しいのか、Jに変わり、米国ではジェイベックと呼ばれている、GGGの意思を継ぐミドル級プロスペクトです。けれどサウスポーからのそのボクシングスタイルはGGGとは異なります。プロスペクト紹介されていたので再登場です。GGGのロマンから、過去に何度か紹介していますが・・・

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25歳
世界選手権金メダル
アマチュア300勝8敗
プロ5勝2KO

トレーナー:バディ・マクガート
マネージャー:エギス・クリマス
プロモーター:トップランク

プロの試合としては直近のスティーブン・マルチネス戦の出来が最もよかった。

アリムハヌリ
「以前とはかなり違う試合ができた。以前の試合は米国トレーニングに慣れるためのものだったが、最後の試合ではかなり改善され、米国流に慣れ、いいパフォーマンスを披露できた。」

プロとして米国での最初の数試合は出来がイマイチだった。「まだ本当の才能が発揮されていない」多くの識者が言った。彼のアマチュアの実績を考慮すれば、最初の米国での3試合はあまりに平凡なパフォーマンスだった。

アリムハヌリの次戦はロマチェンコVSクロラの前座、クリスチャン・オリバス(16勝13KO4敗)を予定している。オリバスはKO負けがない。

前回のスティーブン・マルチネスが本来スーパーウェルター級のファイターでブランク明けだった事を考慮すると本物のミドル級であるオリバスとの戦いで真価が問われるだろう。この試合の勝利、出来がアリムハヌリのミドル級、スーパーミドル級の可能性の扉を開くことになる。

アリムハヌリには優れたアマチュアの実績がある。9度のカザフスタン国内王者、アジア選手権2度金メダル、2013年の世界選手権金メダル、リオ五輪では準々決勝で敗れた。

プロで5戦しかしていないが、20戦~25戦というキャリアのあるまともな相手と戦っており、次第に頭角を現していくだろう。アリムハヌリはまだ識者から多くの信頼は得られていない。期待値が違うのだ。

アリムハヌリ
「本当のチャンピオンになりたい者にとって「まだ足りない」という気持ちが大事なんじゃないかな。「もう十分だ」とおもってしまったらそこから先に進化、成長はない。「まだ足りない」という気持ち、それが私の原動力であり改善の道なのです。次の試合だけでなく未来のチャンピオンシップのためにもその気持ちで準備を進めている。」

2016年10月にプロデビューしたアリムハヌリだが、ブランクがちだった。

アリムハヌリ
「アマチュアボクシングを続けていてプロで戦う決心がつかなかった。だからプロキャリアが進まなかったんだ。同時にカザフスタン国内王者になるために75キロから81キロに体重を増やしていた時期でもあった。プロデビュー戦をカザフスタンのアスタナでできると聞いたので、自分をプロの世界で試すことにしたんだ。」

アメリカで契約する前にもアリムハヌリはアマチュアに戻って国際的な大会で勝利した。アリムハヌリのボクシングは相手を圧倒して終わらせるより、長く生かしてゲームを楽しんでいるようにみえるところがある。彼のチームはアリムハヌリのそうした部分を解消しようとしているようにみえる。

アリムハヌリはカザフスタンの首都アスタナ近くのジランディで生まれた。7歳の時にボクシングをはじめた。

アリムハヌリ
「ベクザット・サタックハノフ(シドニー五輪金)やイェルマハン・イブライモフ(シドニー金、アテネ銅)などカザフスタンの先輩ボクサーをみて、とても幸せな気分になったのを今でも覚えている。ボクシングへの興味はそこからはじまりました。父にボクシングがしたいとお願いしてそこから自分のボクシング人生がはじまりました。」

アリムハヌリの憧れのヒーローはモハメド・アリだ。

アリムハヌリ
「多くの人が言うように彼は史上最高の伝説のボクサーです。」

アリムハヌリは既に結婚しており、3人の子供がいる。ボクシングを離れると読書や狩りが趣味だ。

まだ25歳なのだな。
300勝8敗とはすさまじいアマチュア記録だ。

五輪金メダルはならなかったが、世界ボクシング選手権大会、ミドル級王者は

ゲナディ・ゴロフキン
マット・コロボフ
マット・コロボフ
アッボス・アトエフ
イエフゲン・キトロフ
ジャニベク・アリムハヌリ
アーレン・ロペス
オレクサンドル・キズニアク

となっており、キトロフの時の銀メダルが日本の村田諒太だ。
なので、ゴロフキンを継ぐカザフスタンのミドル級世界王者といえる。

そのファイトスタイルは未だ慎重で爆発的なものはないが、やろうとおもえば何でもできそう、本気を出していないだけのようにもみえる。もうアンドラーデやブラントに通用するのではないか。

出世を急いだ村田やキトロフがプロではもう黄昏期にきているのに対し、ゆっくりキャリアを構築するアリムハヌリや村田のライバル、ファルカン兄弟などはまだこれからのプロスペクトなのは皮肉なものだ。ほんの少しの時代差、年齢差がプロでもそのまま進んでいく。

アリムハヌリ以降、キューバのアーレン・ロペスがプロになるのは難しいだろうが、オレクサンドル・キズニアクという選手は2018年10月にプロデビューとなっている。しかし試合の記録はない。この今一番新しいキズニアクというウクライナのアマチュア王者が、またまたロマチェンコの意思を継いだかしらぬがすごいメダルだらけの選手なので紹介して終わりとする。

ウェルターを除くとそこはロシア圏の世界なのかもしれない。

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