山中VSエスキベル 粟生VSボスキエロ

日曜日の昼過ぎに行われた注目の世界戦、山中の試合は挑戦者決定戦から急きょ繰り上げでしたが結果としては一安心、ただし内容、試合レベルは微妙な世界戦ではありました。

山中VSエスキベル

山中の調子はよく最大の武器である左ストレートは極上でした。バンタムにして体格もある山中の左の破壊力、シャープネス、突き抜け具合は素晴らしく、当たれば超一流どころでも十分通じるとおもわせるものがありました。

ラリッたマルケスのような風貌のエスキベルは戦績的にも世界トップランカーレベルでしょうが特筆すべき武器はなかった。相打ち、相手の打ち終わりを合わせるパンチは結構強そうでしたがスピードやスキルは平凡に映りました。コツコツと試合を組み立てても射程が遠くて速くて破壊力のある山中の左で全て吹き飛ばされてしまうような感じで敗色濃厚の苦しい展開でした。

山中のスピードやパワーが明らかに上回る内容でもっと早い結末が期待されましたが、大事な試合なので慎重だったのか、決めるのが遅すぎ、決定機に仕留めるのがまだ上手くないとおもいます。左ストレートは圧巻でしたが相手の粘りに押されたり不用意なパンチを食ったり、総合的には不安要素もたくさんありました。

ドネアの返上で空いた王座を獲得しましたが、バンタムスーパー4のメンツやWBA王者、モレノに対してどこまでやれるのかまだ不安が残ります。
左が当たれば勝機あり、当たんないと厳しい、まだそんな偏ったスタイルであるような気がします。
左だけは異様に素晴らしいので西岡のように王者になって以降の総合力アップに期待します。

停電などひどいアクシデントでみっともない興行となってしまいました。弱った相手を5分も座らせて休ませるなど言語道断。ダウン後にエスキベルの眼の前で再開後仕留める姿勢の山中も駄目です。コーナーに戻らなければ。山中の戴冠は素晴らしかったけど今日の相手なら大場や岩佐の方が強そうで今後の成長に期待します。しかしながらいつでもKOを期待できる本格パンチをもった王者誕生で試合が毎回楽しみな選手です。WBAお飾り王者を人気、実力で圧倒して消し去ってください。

粟生VSボスキエロ

この試合は粟生、陣営ともに対策不足を感じました。ボスキエロの鍛え抜かれた体やファイトスタイルを考慮すれば想定内のボクシングでしたが、固いガードや接近してからの荒い攻撃に対処できずお付き合いしてしまいました。屈強度は高かったであろう挑戦者でしたが離れてのスキル、スピードなど粟生の方が本来の能力は高いであろうに終始相手の土俵でお付き合い、接近しての左アッパー封印してクリンチという作戦はせこいし見栄え悪すぎでした。

ここ数戦で急激に大型化しパワフルになった粟生は減量苦で階級アップを検討しているみたいですが、ボスキエロの無骨なパワーファイトにタジタジでしたので相手がファイターでもボクサーでも自分のボクシングを発揮できるスタイルを再構築して欲しいものです。
ちょっと自信過剰じゃなかったでしょうか。

過去2戦から粟生はセルジオ・マルチネスばりの確変を期待してましたがまだまだ崖っぷちの危ない王者です。
マイキー・ガルシアやエイドリアン・ブローナーの方が強そうに見えてしまいます。

粟生は川島ばりに日本では稀有なブロッキングでなくスウェーなどを多用するディフェンスの天才とおもっていますが世界レベルだとコツコツと軽いパンチを被弾するし見栄えよろしくない。クリンチ多用しない、ファイターでもボクサーでも対応できるスタイルを身につけて欲しいです。

前半のポイント考慮すれば結果はそこそこ妥当、しかし最後3ラウンドは全て挑戦者。もともとこういうタイプには毎度苦戦する粟生、引き分けも負けもありな苦しい内容でしたが大いに勉強になっただろう。

ボスキエロは屈強でしたが強いていえば西岡とやったムンローみたいにタフネスと馬力の選手で王者になるスキルはない選手。
西岡のように華麗に攻略する粟生を期待してましたのでちょっと無念でした。
やりにくいことこの上ない相手を退け、首の皮一枚次につながったのでここで天狗になるよりよかったのでは?次に期待します。

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