永遠のライバルの決着戦?他興味深い試合の数々でした。
が、マニアな自分としてはもうこの二人は特別な存在なので勝敗にあまり興味がありませんでした。
過去を知るものとして状況的にはマルケスの執念が実ってこのような結果になる予感はありました。
それにしても、完全決着を誓ってKO必至の試合になろうとはおもっていたもののそれを上回る壮絶な結果でありました。
警戒しすぎての技術戦になるとどうしてもアグレッシブで勝るパッキャオに勝つことのできないマルケスでしたが、もうカウンター一撃で倒すしか考えていないような静かな立ち上がり、方やパッキャオはノックアウトしてこのライバル関係に終止符を打とうといつも以上にアグレッシブな様子。
攻勢でパッキャオがポイント奪取する展開でしたが3ラウンド、ガードをかいくぐるマルケスの右オーバーハンドでパッキャオがダウン。
リナレスVSサルガドにも似たビューティフルダウンでしたがダメージはそれほどでもなく、以降、パッキャオが益々ギアを上げてマルケスを攻めこんでいきました。
パッキャオがダウンを奪い返し、マルケスの闘志と狙いは生きているものの、このままいけばパッキャオが倒す、マルケスかなりダメージ蓄積しつつある6回終盤までの展開。が、この回の最後に漫画のような逆転のカウンターがドンぴしゃりでパッキャオは完全失神してしまいました。
会場も一瞬何が起きたかわからず静まり返っている印象でした。
怪物的快進撃でトップに君臨してきたパッキャオの最後、衰えを指摘する声もあろうかとおもいますが、そういうことはなくいつもより強引にアグレッシブにこの相手をねじ伏せて終わらせたいという気持ちと戦い方がもたらした結果だとおもいます。
「これがボクシングさ、こういうこともある、少し休んでまた続けるよ」というパッキャオのコメントですが、やはり悔しいのか、マルケスに勝って、メイウェザーとも戦って引退したいのか、パッキャオの言葉は重くもあり信じがたいものがあります。もう自身のためというよりは国民のために戦っているような状態、領域に見えるのです。
片やマルケス、パッキャオに勝つためだけの現役生活、そのためだけのスタイル、肉体改造に見えます。ここ数戦、ステロイドでもやってんのかというくらいの肉体、パワーアップぶりを感じていました。この勝利に味をしめてブラッドリー戦、パッキャオ5戦目とまだ現役を続けるのでしょうか?結果だけみてメイウェザーがご満悦で吠えるのでしょうか。
勝敗だけでない領域の2人でしたので自分の評価は揺るぎないですが、もう世界チャンピオンを超越したような存在なのでこの先、誰とやるとかもうあまり興味ないかもしれません、自分。ボクシング栄枯盛衰、新旧交代、続けていれば必ずいつか負ける日が来る、それがボクシングですし倒された時以外のパッキャオはいつものパッキャオらしい、終始アグレッシブでリングジェネラルシップを持った強い彼のままでした。
2人の今後の動向はもはや2人で決めるものじゃなく金に群がる周囲が決める・・・んでしょうなぁ。
ガンボアVSファレナス
これからのボクシングの未来を占うという意味ではこの試合の方が興味深いものがあったりして・・・
ガンボアは言わずと知れた未来のスーパー王者候補筆頭。
ファレナスはアンダードックの単なる復帰戦の相手でしたが内山戦でみせた踏み込みの速さ、天性の才能、などでは侮れないものがあり興味深い相手でした。
結果はスピードで勝るガンボアの判定勝利、そこに異論はないですがファレナスの強さ、可能性が大いに発揮された内容でした。
ガンボアはスピードと勘が超絶なので大きな相手でも出入りで倒してしまう、カバジェロあたりとやっても上回るであろうスーパーな強さと上手さだとおもいますが少しパターンが見えました。
小さな体を逆に利点として、相手の攻撃はほとんどスウェーやダッキングでかわしてしまいます。
何度ファレナスの踏み込み鋭い、やや大振りな左を空転させたことか。
ファレナスの左はほぼガンボアの頭上を空振りしていました。
しかしイケイケで攻撃一辺倒の時、下から上に攻撃された時などはパンチを食います。
かなりダメージ食った中盤から終盤にかけて、ファレナスがガンボアの打ち終わりを合わせ出してから俄然面白くなりました。
この試合で一番見事なノックダウンシーンはファレナスが奪ったロープ際でのカウンターだったとおもいます。
あのダウンからの回復は見事でしたが以降はポイントメイクの安全運転にシフトしてしまいました。
スピード、テクニック、瞬間爆発力はガンボアが上ですが一発のえぐいパワーは内山の方が上です。
一発、二発じゃ当たらないし顔面狙って水平なパンチを打っても空振りさせられてしまいますが、ボディやおもいきった打ちおろし、狙いよりさらに下を狙って打てば当たるんではないかともおもえました。
ガンボアのような超絶身体能力の持ち主は相手が攻撃してきた時こそが一番の大好物で、鋭い反射神経で逆にカウンターを当ててしまいますが、プレッシャーはかけても打ってこない、自分の打ち終わりを合わせられると歯車が狂ってしまうようです。
ガンボアに攻めさせて相打ち、打ち終わりを狙う、さらに下から狙う。
これを徹底できればキューバの化け物、ガンボアもリコンドーも急に塩になってしまう可能性ありです。
まぁ、ファレナス自体が相当いい選手でガンボア相手でなかったら王者になれそうな器ではありました。
負けて評価を上げた形の試合となりました。
無名の内山の刺客はかなりの強豪でしたね。冷汗・・・
内山の次戦のブライアン・バスケスは個人的にかなりの強豪だとおもってます。
パワフル感は違いますがガンボアと似た小さなテクニシャンです。
内山の右強打をスイスイとスウェー、ダッキングする姿が想像されます。
仮想ガンボアとおもってボディや徹底した打ちおろし、ダックする相手の顎を砕くようなパンチを期待します。
ガンボアは今回Sフェザーでしたが今後、どの階級でやるのでしょうか。
個人的にはドネアの方が好みのボクサーですがやっぱり体の厚み、重量感が違いますので対決は難しい、階級上の選手だと感じます。
ブローナーあたりが標的でいいんじゃないでしょうか。
おもいがけず、すごい試合が続いた一日でした。