パッキャオVSマルケス4 他

永遠のライバルの決着戦?他興味深い試合の数々でした。

が、マニアな自分としてはもうこの二人は特別な存在なので勝敗にあまり興味がありませんでした。
過去を知るものとして状況的にはマルケスの執念が実ってこのような結果になる予感はありました。

それにしても、完全決着を誓ってKO必至の試合になろうとはおもっていたもののそれを上回る壮絶な結果でありました。

警戒しすぎての技術戦になるとどうしてもアグレッシブで勝るパッキャオに勝つことのできないマルケスでしたが、もうカウンター一撃で倒すしか考えていないような静かな立ち上がり、方やパッキャオはノックアウトしてこのライバル関係に終止符を打とうといつも以上にアグレッシブな様子。

攻勢でパッキャオがポイント奪取する展開でしたが3ラウンド、ガードをかいくぐるマルケスの右オーバーハンドでパッキャオがダウン。
リナレスVSサルガドにも似たビューティフルダウンでしたがダメージはそれほどでもなく、以降、パッキャオが益々ギアを上げてマルケスを攻めこんでいきました。

パッキャオがダウンを奪い返し、マルケスの闘志と狙いは生きているものの、このままいけばパッキャオが倒す、マルケスかなりダメージ蓄積しつつある6回終盤までの展開。が、この回の最後に漫画のような逆転のカウンターがドンぴしゃりでパッキャオは完全失神してしまいました。
会場も一瞬何が起きたかわからず静まり返っている印象でした。

怪物的快進撃でトップに君臨してきたパッキャオの最後、衰えを指摘する声もあろうかとおもいますが、そういうことはなくいつもより強引にアグレッシブにこの相手をねじ伏せて終わらせたいという気持ちと戦い方がもたらした結果だとおもいます。

「これがボクシングさ、こういうこともある、少し休んでまた続けるよ」というパッキャオのコメントですが、やはり悔しいのか、マルケスに勝って、メイウェザーとも戦って引退したいのか、パッキャオの言葉は重くもあり信じがたいものがあります。もう自身のためというよりは国民のために戦っているような状態、領域に見えるのです。

片やマルケス、パッキャオに勝つためだけの現役生活、そのためだけのスタイル、肉体改造に見えます。ここ数戦、ステロイドでもやってんのかというくらいの肉体、パワーアップぶりを感じていました。この勝利に味をしめてブラッドリー戦、パッキャオ5戦目とまだ現役を続けるのでしょうか?結果だけみてメイウェザーがご満悦で吠えるのでしょうか。

勝敗だけでない領域の2人でしたので自分の評価は揺るぎないですが、もう世界チャンピオンを超越したような存在なのでこの先、誰とやるとかもうあまり興味ないかもしれません、自分。ボクシング栄枯盛衰、新旧交代、続けていれば必ずいつか負ける日が来る、それがボクシングですし倒された時以外のパッキャオはいつものパッキャオらしい、終始アグレッシブでリングジェネラルシップを持った強い彼のままでした。

2人の今後の動向はもはや2人で決めるものじゃなく金に群がる周囲が決める・・・んでしょうなぁ。

ガンボアVSファレナス

これからのボクシングの未来を占うという意味ではこの試合の方が興味深いものがあったりして・・・
ガンボアは言わずと知れた未来のスーパー王者候補筆頭。
ファレナスはアンダードックの単なる復帰戦の相手でしたが内山戦でみせた踏み込みの速さ、天性の才能、などでは侮れないものがあり興味深い相手でした。

結果はスピードで勝るガンボアの判定勝利、そこに異論はないですがファレナスの強さ、可能性が大いに発揮された内容でした。

ガンボアはスピードと勘が超絶なので大きな相手でも出入りで倒してしまう、カバジェロあたりとやっても上回るであろうスーパーな強さと上手さだとおもいますが少しパターンが見えました。

小さな体を逆に利点として、相手の攻撃はほとんどスウェーやダッキングでかわしてしまいます。
何度ファレナスの踏み込み鋭い、やや大振りな左を空転させたことか。
ファレナスの左はほぼガンボアの頭上を空振りしていました。

しかしイケイケで攻撃一辺倒の時、下から上に攻撃された時などはパンチを食います。
かなりダメージ食った中盤から終盤にかけて、ファレナスがガンボアの打ち終わりを合わせ出してから俄然面白くなりました。
この試合で一番見事なノックダウンシーンはファレナスが奪ったロープ際でのカウンターだったとおもいます。

あのダウンからの回復は見事でしたが以降はポイントメイクの安全運転にシフトしてしまいました。

スピード、テクニック、瞬間爆発力はガンボアが上ですが一発のえぐいパワーは内山の方が上です。
一発、二発じゃ当たらないし顔面狙って水平なパンチを打っても空振りさせられてしまいますが、ボディやおもいきった打ちおろし、狙いよりさらに下を狙って打てば当たるんではないかともおもえました。

ガンボアのような超絶身体能力の持ち主は相手が攻撃してきた時こそが一番の大好物で、鋭い反射神経で逆にカウンターを当ててしまいますが、プレッシャーはかけても打ってこない、自分の打ち終わりを合わせられると歯車が狂ってしまうようです。

ガンボアに攻めさせて相打ち、打ち終わりを狙う、さらに下から狙う。
これを徹底できればキューバの化け物、ガンボアもリコンドーも急に塩になってしまう可能性ありです。

まぁ、ファレナス自体が相当いい選手でガンボア相手でなかったら王者になれそうな器ではありました。
負けて評価を上げた形の試合となりました。
無名の内山の刺客はかなりの強豪でしたね。冷汗・・・

内山の次戦のブライアン・バスケスは個人的にかなりの強豪だとおもってます。
パワフル感は違いますがガンボアと似た小さなテクニシャンです。
内山の右強打をスイスイとスウェー、ダッキングする姿が想像されます。
仮想ガンボアとおもってボディや徹底した打ちおろし、ダックする相手の顎を砕くようなパンチを期待します。

ガンボアは今回Sフェザーでしたが今後、どの階級でやるのでしょうか。
個人的にはドネアの方が好みのボクサーですがやっぱり体の厚み、重量感が違いますので対決は難しい、階級上の選手だと感じます。
ブローナーあたりが標的でいいんじゃないでしょうか。

おもいがけず、すごい試合が続いた一日でした。

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コメント一覧
  1. ヒロイ様

    まさにマルケスがずっと狙っていたパンチだったと思います。
    パッキャオが「ラッキーパンチ」と言ったのですか・・・
    試合後からずっとマルケスを称えていたのですがね・・・

    本当だったら残念です。
    非常に残念です。

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  2. レパード玉熊さん

    3度手合わせしてるから出せたカウンターですね。
    劣勢でダメージ感じさせたマルケスがあんな渾身のパンチ打てたのはすごいです。
    最上級の2人、試合ですがもう勝敗とかあまり興味ないのは自分だけでしょうか。

    タイミングはいつなのかわかりませんが後遺症の残らぬ引退をお互いして欲しいですね。

    ヒロイさん

    狙いすましたパンチだとおもいます。
    ただパッキャオが強引に不用意なポジションにガーッと入ってしまいましたね。

    マルケスの方がダメージが深刻で鼻も骨折してたんで、あの一撃がなければ
    後半パッキャオが倒していたとはおもいます。
    惜しい負け、注意不足だったとはおもいます。
    が、今回はマルケスの執念と研究が実った結果、立派な勝利だとおもいます。

    五輪 金 太郎さん

    メイ絡みはタイトルマッチとか王者とかもう関係なくて
    VIP待遇の人がやりたい試合だけやるみたいな感じなんで本筋と違うのであまり興味ないっす。
    旬な時に周囲が期待する相手と戦ってこそ真のプロでしょう。
    パッキャオと同じくらい試合をこなしてくんないと困ります。

    ドネアなんか西岡戦の拳の怪我治ったのかな?
    もうそろそろアルセ戦ですよ。

    Borokabuさん

    ファレナスは別団体で王者になれるんじゃないでしょうかね。
    速さやごまかしで上回るガンボアに勝てませんでしたが作戦次第で勝てそうな可能性を感じさせてくれました。
    スーパーアマチュアの天才型ボクサーにはボディとか打ち終わりを狙うとかプロらしい泥臭いボクシングしないとポイントで勝てませんね。
    自分から仕掛けてもアマで培った技術には敵いません。

    マニアにマルケスファン多いですね。
    教科書のようなカウンターで、あんな入り方したらヘビー級でも倒れそうです。

    しかし今回はパッキャオが怒りのアグレッシブを発揮してて
    もう判定の声はないようなダメージがマルケスには既にありました。
    起死回生の逆転の一発だったとおもいます。

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  3. ガンボアは絶対的な強さでは無い事が、ファレナスとの戦いで見えましたね^ファレナスよりも器用でパンチがありもっとタフな選手なら勝てそうな気がします。内山選手はパンチは強いですがタフネスはどうなんでしょう?パッキャオはマルケスの日本刀カウンターで沈みましたね。マルケスは体も大きくなり、勘も鋭いですね^昔から応援していましたが、テクニシャンでガツツのある選手だと改めて思いました。ブラッドリーの不当判定^逃げボクシングで、次の試合が決まらないような勝ち方では無く、本当の勝利でした。パッキャオのダウンを見たのはフライ級時代以来でした。

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  4. マルケスとは
    噛み合っちゃうんだろうなあw
    過去3戦と
    同じ展開だろうと思って見てたけど
    最初のダウンからして
    チト違ったんだろうなあ・・・

    でも
    意外に
    後引かなかったみたいでよかったw

    メイとやらずに引退ってのだけは
    残念すぎる。
    他の試合じゃモチベーション
    完全にあがり切らずに
    敗戦増えそうだし
    かと言って
    メイみたいに勝ちに徹して
    逃げたり出来なそうだし
    とにかくメイにケチつく前に
    やって欲しいよ~w

    マルケスとは
    噛み合っちゃうんだろうなあw
    過去3戦と
    同じ展開だろうと思って見てたけど
    最初のダウンからして
    チト違ったんだろうなあ・・・

    マルケスに完勝したメイ側が勝機ありと
    思ってくれればありえる?w

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  5. >今回のマルケスは幸運に恵まれただけだ!   

    その幸運というのは、マルケスだけに、マルケスだからこそ神様が
    プレゼントしてくれた「天佑」のレベルのものだと思うんですけどね。

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  6. 最後はショートの右フックだったけれど、パッキャオのあの広いスタンスでは右のロングフックを打たれたらなすすべがないのははじめから解っていた事。良く今迄無事。
    細かなサイドステップもダッキングもできないからただ打たれるだけ。
    これまで被弾しなかったのはロングパンチを打つ選手が皆無になったから。
    スタンスが極端に広いので手打ちパンチでも足のキックがあるので相手にダメージを
    与える事ができる。反面デイフェンス面で危険を伴う。
    30歳を大きく過ぎても活躍できたのは手打ちの省エネボクシングだからと思う。

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  7. パッキヤオが言ってたように、今回マルケスが勝ってたのは たまたまラッキーパンチに当たっただけですよって!!! 皆さん リプレイ再び見て下さい  あのパンチに当たらなかったら確実にマルケスを10ラウンドでKOで仕留めたはずだ!!! 今回のマルケスは幸運に恵まれただけだ!   

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  8. トータルで42ラウンド目に炸裂したカウンター!

    それまでの長い過程が打たせたものでしょう。

    マルケスしか打てないブローですね。

    5戦目はもういいでしょう。

    お互いグローブを吊るす事を考える時期ですね。

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  9. ブリブリボクシングファンさん

    ボブ・アラムにっこりとありますが
    5度目、パッキャオ引退しないほうが儲かるし・・・

    結果は予想通りなものがあります。

    パッキャオは勢いはすごかったが負ける要素ないボクシングではなかったです。
    攻撃偏重でパンチを食うスタイルですから。

    そんなパッキャオに勝つためだけに挑んで来るトップボクサーたち。
    研究に研究を重ね・・・いつかはこうなることだったでしょう。

    それを39歳(俺と同じ)マルケスがやったのは見事ですが、4度目ですからね。

    メイなんかは勝てる確証がないとやんないタイプなんで今後吠えてももうどうでもいいです。

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  10. 思えばブラッドリーとどっこいの試合をしてたあたりから
    衰えはあったかもですよね・・・。
    たらればですが、やっぱマルガリート戦あたりでメイとやってほしかった・・・。

    40近いマルケス!アッパレとしか言いようないですね。

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  11. Moonさん

    自分も4日は見ておりません。

    パッキャオはファンを楽しませたい、負けを恐れぬ姿勢でやってる感じで好印象は変わりません。
    いつも相手よりアグレッシブだし今回はリスク冒していつも以上に無理してくれました。
    そんでもって押せ押せの状況まできてましたよね。

    マルケスも好きな選手ですがパッキャオの対戦相手はとにかくパッキャオに勝てば全て、お金と名誉が欲しいという感じです。

    もうパッキャオはボクシングスタイルそのものが勝ち負けを超越した存在です。
    いつでもどんな時でもエキサイティングにやってくれるんで。
    ボクサーの理想像じゃないでしょうかね。

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  12. 4度目のパッキャオvsマルケスは、私はちょっと食傷気味に感じていました。3度戦っていますが、イスラエル・バスケスvsラファエル・マルケス(おっと、こちらは弟だ)の方がワクワク感がありました。
    しかし、ゴングが鳴ると流石に実力者同士。今回はアグレッシブに行くというパッキャオ、激しい撃ち合いでした。最後は押していたパッキャオにマルケスのカウンター一閃! ボクシングの怖さと醍醐味を見ました。
    5〜6日前、大阪でダラダラした試合があったようです(見ていないので)が、大違いの試合です。......まぁ、あの人たちはどうでもいいですか。

    5回目がありそうな感じですね。カス・ダマトが「北半球で一番嫌な奴」と、言っていたプロモーターのボブ・アラムが、パッキャオの横でほくそ笑んでいました。

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