両国に行ってきました。行けない予定でしたが前日の世界戦のしょぼさにいてもたってもいられなくなってしまった。
ボクシング観戦仲間とともに会場へ。正直テレビの方がよく見えるのだけどこの臨場感はやはりいいものです。
三浦VSディアス
粟生がやられ、ゲレロに勝った過去もあるディアス、14連勝中なので侮れない相手ですが正直世界王者としてはおいしいレベルか。
粟生と同じように遠距離からのいきなりの右を食うようだと厳しいとおもってましたが・・・
三浦の必殺の左が何度も火を噴きました。ディアス、対策してなかったか、あるいは最初の一発でもう効いちゃって駄目だったか?
三浦の左一発に怯えつつ立て直したいディアスでしたが時間の問題でした。
三浦にとってこれ以上ない、己の武器がはまりまくりの完勝です。
しかし強いていえば、左狙い一辺倒、相当ダメージあるディアスを前にしても一発狙いで連打が出ず、やきもきしました。
ダウン後に連打、ラッシュができれば早い回でレフリーストップもあったでしょう。
強打を印象づけた三浦の圧倒試合でしたが、強い王者かといえば微妙で、左さえ当たればの、まだ穴王者といえなくもない。
マイケル・ファレナスの方が強いサウスポーだとおもってしまった。
三浦の左は近い距離からコンパクトでドスンと衝撃を与えるタイプ。はじけ飛ぶようにダウンしても以外と相手は立ってきます。
左を意識させたからこそ右フックでダウンも奪った。
当てる工夫、懐に入る工夫、今後は右やジャブやコンビネーションも加えていきたい。
八重樫VS五十嵐
アマチュアで五十嵐全勝とのことだがプロではどうみても八重樫の方がよく見える。
体格差あるので八重樫は予想通り突貫ファイター化していた。フライでは仕方ないか。
それでもハンドスピード、精神力で見栄えも攻勢も上回り、予想どおり王座獲得。
八重樫はポンサワン戦からすっかり名勝負製造機の熱いファイターになってしまったが、機動力もテク二ックも相当なものがある。
進化すれば小型デュラン、昔だとウンベルト・ゴンザレスやロセンド・アルバレスのような重厚なファイターボクサーになって欲しい。
事実上、これはまだ日本王座ともいえるベルトだし、先日陥落したブライアン・ビロリアの方が評価は高いままだ。
五十嵐もおもったより気力、体力があった。
しかし体格差を活かすパワーがなく、左ストにも必殺の決め手なく相手の舞台に付き合う形になった。
全体のパワーレスと主武器のなさ、これを克服して欲しい。
山中VSツニャカオ
ここで山中負けられないとの想いと12年も追い続けた世界戦、試合が始まればツニャカオを応援していました。
シンプルだけど全てが一撃必殺の山中、多彩なのはツニャカオでした。
やはり山中の方がバンタムではパワーがあり、芯が強かった。
しかし相手が悪かっただけでこの日のツニャカオであれば他団体のベルトは巻けるであろう。
最強挑戦者にふさわしい実力・精神力だった。
この苦労人にさらなるチャンスを与えて欲しい。
全て、いい試合であったが、やはり山中VSツニャカオのレベルが段違いであった。
山中のスタイルは実にシンプル、慎重で高いディフェンスと槍のような左右ストレート、遠距離からおもいきり踏み込んで来るカウンター。
それでここまで硬質で強い。防衛戦の相手も全て元世界王者。もはや風格すらある。
デリック・ゲイナーやジュニア・ジョーンズのようでありアントニオ・セルバンテスのようでもあり日本人離れした武器、スタイルだ。
来週のドネアVSリコンドーが軽量級頂点の争いだが、その次に位置するくらいの逸材といっていいとおもう。
王者多すぎな日本だが、認めるのは内山、山中、期待こめて佐藤の三人だ、今はまだ。
休憩中にセレス小林さんがいて話しかけた。
「あのツニャカオですねぇ」
「うーん、強いよ、もう13年前だねぇ」
「岩佐君頑張ってください」
「はい、頑張りますよ」
「日本に王者多いですねぇ」
「今はベルト一本だけじゃ駄目だね、統一しないとね」
そうです、
ベルト一本じゃ王者といえない時代です。
流行の、強豪回避した穴狙いの複数階級制覇、なんかじゃなく、本当に強いならその階級の全団体を統一すべき
そう感じる昨今です。