イーストロンドンの汚れた勝利/アジンガ・フジーレVSシャブカト・ラキモフ

これまたボヤキの連投になります。深酒ともいいます。南アフリカで行われたIBFスーパーフェザー級のエリミネーターですが本来は後楽園ホールで尾川堅一VSフジーレで行われる予定でした。

この時はフジーレのビザの問題だかで延期になりましたが、その後、尾川陣営がフジーレ戦を避けて裏でエリミネーターか暫定王者決定戦を画策したとかの違反行動をしたとかで、試合がキャンセルされ、代わりに抜擢されたのがラキモフでした。

しかしラキモフはかなり期待値の高いロシア(タジキスタン)のプロスペクトであり、決して楽な相手ではありませんでした。色々ニュースをみていましたが、肝心の試合映像がなかったのでスルーしてましたが、ありました。(消えるかもしれません)どうぞ・・・

両者の全貌がわかり素晴らしい映像です。
フジーレはリスペクトしているというフロイド・メイウェザーの影響を随所に感じるディフェンスマスターですが、少しそれに傾倒しすぎているかもしれません。バックステップ全開で印象が良くないですが、センスは確かなるものがあります。地元であること、捌いて随所に有効打という点ではポイントリードしていたようです。

対するラキモフは、攻撃的なサウスポーで総合力の高いパンチャーです。アウェーでフジーレに積極的に仕掛けていきますが、フジーレのディフェンスとタイミング、ボディに劣勢です。

8回、ポイント劣勢のラキモフがセコンドから「気合を注入され」フィジーレを攻め立てていきます。やや逃げ切りっぽいフジーレをコーナーに追い込んだラキモフの左ストレート一閃、フジーレが深いダメージのダウン。再開もラキモフにトドメを刺されてフジーレは崩壊、失神。壮絶な逆転ノックアウトで幕。

ラキモフは尾川より厄介な相手だったんじゃないかな、なフジーレですが、話はここから始まるのです。

南アフリカボクシング委員会は、ロシアのシャブカト・ラキモフを永久追放すると主張している。

イーストロンドンのホテルのラキモフの部屋に、使用済み、密封されたボトルを含む大量の薬、注射器、チューブ、医薬品の点滴が見つかったのだ。

ボトルにはロシア語で「ネオトン」というラベルが貼ってあった。パフォーマンス向上物質としてしられる「ホスホクレチアン」という成分が入っているらしい。

さらに試合中、7ラウンドのセコンドでラキモフが何かを嗅がされている映像が確認できる。(バッチリ映っています)

これらを根拠にフジーレ陣営はIBFに猛抗議をしている。

しかしラキモフ陣営はこれらの不正行為を真っ向から否定した。

アレクセイ・ティトフ(ラキモフのマネージャー)
「ロシアマラソンに備えたインフルエンザの薬です。ラキモフではなく私が使ったのです。看護婦を連れてくることができなかったからね。」

現在、見つかった薬の分析が行われている。

その他、7回のインターバルでラキモフが嗅いだもの、これは臭い塩のような(アンモニア)で、興奮を刺激する効果があるとされる。

アレクセイ・ティトフ(ラキモフのマネージャー)
「鼻血を止めるためのアドレナリンです。それは許可されているものです。興奮剤とは知りませんでした。」

ロシア陣営は各コーナーを監視する「ドーピングエージェント」や検査官もいなかった事の方が問題だと主張する。

アンモニアは薬物検査には現れないので検査で黒と出る可能性は低い。

アレクセイ・ティトフ
「フジーレ陣営は言い訳をやめた方がいい。私たちはフェアに戦い、正々堂々と彼を打ち負かしました。」

IBF王者テビン・ファーマーと戦う相手はドーピングのミソがつく、宿命でしょうか。ロシアはアマチュア含めて国家的なドーピング大国なので極めて怪しいですが、個人的な見解は白に近いグレーとなる気がします。

いくらなんでも、ホテルに証拠を残すほど愚かな事はしないとおもいますし、7ラウンドの気つけ薬のようなものもあからさますぎます。ドアップでカメラに収められています。合法の範囲内ではないかとおもいます。密封されたボトルとか普通捨てていく?そもそもよく税関通れたな。

それでも、これだけ疑わしいことを平然とやって後始末もしないロシア陣営も杜撰です。アフリカだからテキトーだろとでもおもっていたのでしょうか。私が関係者だったら大事な選手の試合を前に自分も含め、いかなるスタッフの怪しい動き、所有物、ましてや薬なんて徹底警戒しますよ。

たとえそれが「アトピーの治療薬」だったとしても・・・

ドーピング、黒と出るかはわかりませんが、なにか不純な動機、モノに頼ったことだけは間違いなさそうだ。

あーあ・・・

両者ともに、ファーマーのスピードに劣り、王者になれない気がするからまあいいや・・・

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