大竹・井上・そして金子

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大竹の世界戦

正直、内山以降あたりからあまり日本人のボクサーを知らない。
マニアの灯火が消えかかっているからか、自身が老けたからか、世界だけは未だ追い続けていますが。

年齢的にも、最初で最後の大一番かもしれない大竹の世界戦
ずっと経済的優位を誇る日本に王者をお呼びする世界戦ばかりな中にあって、この試合は王者の地元、英国だ。
英国にとっては日本など眼中なき格下扱いだろう。

スポーツ新聞の記事で興味を引いたのは大竹はアマチュアキャリアや他のスポーツ経験すらさほどなく
24歳にしてボクシングをはじめたという異色、雑草だという事

そして彼自身の言葉

「記念挑戦のつもりはない。全ての面で相手の方が上回っているが、勝ち負けは別。後半に倒して勝ちたい」

である。

スコット・クイッグに対して冷静な分析ができている。

クイッグはパワーファイタータイプだがパワーだけでなくテクニックでも大竹を下回るものではない。
パワフルでタフで地元でとあらゆる面で優位は動かない。

大竹を少しみたところ、突出したものはない。しかし相手に合わせる柔軟性がある。。

「全ての面で劣っている」大竹がどのようなファイトプランを遂行して番狂わせを起こすか?
大竹の活路は頭脳だ。正面からの殴り合いでは分が悪い。
いかにクイッグの強いプレッシャーをかわすかだ。

こういう雑草選手の不利な世界挑戦を応援せずにはいられない。

井上VSナルバエス

十分に危険なチャレンジといえる偉大なマッチメイクだが
同時に

やはりフライ級から逃げた
強いが怖い相手は避けた
相性を十分考えた

相手といえよう。

フライ級からは逃げたというより、適正体重を考慮した結果とも、井岡、TV局とのしがらみなどが容易に想像される。
しかしレベコやヨドモンコンなんかじゃなくてホッとした。

これにより、井岡の相手選びも亀田だかの4買級制覇も見直し、色褪せることになるだろう。
しょぼい相手を選んでもボクシングファンには全く評価されない。
吠えれば吠えるほどにみじめとなる。

逃げ続けているうちに井上や大橋ジムが人気も実力も全て持って行きそうだ。

今となって、彼らに必要なのは強い相手とやって負けること(現実を知らしめること)なのではないか。
セコイ相手を選ぶのではなく、よくぞ挑んだ、その勇気、八重樫のような気概をみせることだけしか残されていない。

相性的にはおいしいといえるビッグネームのナルバエス。
体格も井上の方が大きいくらいだ。

しかし百戦錬磨のキャリアとドネアのような俊才には何もさせない鉄壁な防御など
崩して勝つにはきつい相手だ。
若さ、速さを活かして見栄えでポイント勝ちがせいいっぱいで退屈な試合になるかもしれない。

そして、世界戦じゃなくとも一番感動しているのは実はこの試合だ。

金子大樹VSジョムトーン・チュワタナ

内藤よりジョムトーンの方が、大きく不気味な壁だ。
どちらも有望なボクサーだが、本当に世界へ行くには超えなければならないアジアのトップにいる選手。

できればジョムトーンを無視して世界へいきたいところだが、金子はよくぞ決めたものだ。
内山に負けた金子にとり、楽な道を選んで世界へ再び向かうより、成長し壁を克服し内山に比肩する実力とファンの評価を得ることを選んだようだ。

伸び白というか器では内山以上だとおもう。好きな選手だ。

ジョムトーンにはまだ底が見えない。
楽勝ばかりか、苦戦しても素質の違いをみせつける試合ばかりだからだ。

パンチ一発一発の説得力が違う。相手の5発よりジョムトーンの一発の方が驚異だ。
強いていえば、手数やフットワークは少なく一撃必勝のムエタイの香りが漂うスタイルだ。

一方の金子も左右違うが似たタイプといえる。
普通のランカーに比べ体力や馬力が違い正直に打ち合って打ち勝つ骨太なボクシングだ。

内山や三浦の相手に比べても底が知れないという意味では劣らぬどころか上かもしれないジョムトーン。

ただこの試合、期待もあるが、お互い直球勝負なスタイルであることを考えると
タフなキャリアがある金子が勝つとおもっている。
怪物かもしれないジョムトーンだが、国際式ではおとなしすぎるスタイルに見えてしまう。

この試合、果たして差のつく結果となるのだろうか?

勝った方は世界挑戦すべき資格が十分にあるとおもう。

様々な駆け引きや裏事情があるマッチメイク
その中では大竹のチャレンジや金子の選択こそが最も気持ちがいいものだ。

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