
21日が過ぎるまで閑話休題という感じですが、表題にあげた選手の試合が決まりつつあるようです。いずれも海外での試合ですが国内世界戦より燃えるものがありませんか?
彼らは皆無敗の過保護選手ではない。だからこそこのような試合がセットされたのだろうが、これぞ本当のボクシングというものです。
三浦隆司VSミゲル・ベルチェルト
負けた試合が年間最優秀試合となり王座を失いつつも米国で再びのチャンスを掴んだ三浦、この試合は正当なステップをクリアした指名戦です。激闘の末三浦を倒したバルガスを倒して王者になった若武者ベルチェルトが普通に考えれば有利です。打ち合いの選手なので手の届かないレベルではないですが、アウトもインも若さも体力もあります。31勝28KOですからすさまじいKO率です。これは好戦的かつ倒すパンチを持つが故でしょう。左連打マシンです。
対する三浦、18連勝15KOだったミゲル・ローマンを倒し権利を獲得しました。この試合は大苦戦で殺人モードに切り替えなければ危うい内容でした。途中足を使ったり迷いもみせていましたが、本場だと三浦は倒し屋としてのスタイルしか通用しないでしょう。KO率こそベルチェルトに劣りますが、勝つにはKOしかない。一発の衝撃は三浦が上。ボンバー炸裂が必須条件です。
メキシカンとの対戦も多く、ベルチェルト陣営は当然研究、対策してくるだろう。ボクサーというほどアウトで芸術的なスキルを感じないベルチェルトですが、一定の距離を保って得意の左アッパー、フックの嵐や右ストレートを叩き込みたい。ロープに押されてのボディ合戦を最も嫌うだろう。
そうわかってはいても、三浦は圧力かけてボディを中心に左ボンバーにつなげるしか活路がない。ビリー・ディブを倒したような自然体な圧力で下がらせることができれば最高なんだが。ベルチェルトは手数も多いし打ち合い得意だからなぁ。下がったりリング中央で戦っている限りは三浦に勝ち目はないだろう。
激アツな試合ですが、それでも他団体のベルトより獲得の現実味があるものでレベルは一段下がるかもしれない。
三浦がKOできるかKOされるか、あるいは不発で捌かれるか、両者の特徴から打ち合いが予想される。倒さないと勝ち目のないわかりやすい試合だ。
同日にGBPに移籍したジェスリル・コラレスVSロビンソン・カスティリャノスがあるそうです。
GBP契約と米国進出を果たした元日本のお客さんコラレスと、雑草でも腐らずガンボアに勝ってこのチャンスを掴んだメキシカン。
アメリカンドリームであり極めてまっとうな対戦ですが、どこか切なく感慨深いものがあります。
この対戦だとカスティリャノスが勝っても不思議じゃないとおもいますが、内山ならカスティリャノスなど問題にしなかったろう。
どんなに無名でもアンダードッグでも内山にこの舞台にいて欲しかったです。
河野公平VSレックス・ツォ
亀1に勝って報われ、コンセプション、井上に敗れ、ボクサー人生を全うしたかとおもわれた河野、敗戦多い不器用な雑草はまだ未練を残していました。これぞボクシングジャンキーだ。
元々井上とやる時にこの試合の可能性もあったというから、これはやり残しの宿題ともいえるものなのかもしれない。
河野だけは亀と米国、ツォとマカオと海外試合経験を重ねることになるのだな。やはり雑種、過保護選手じゃないから出来る芸当だ。
ツォについてはこの記事に詳しい
[terashare title="香港のパイオニア・ボクサー" sitename="" description="「ボクシング不毛の街」を切り開くスーパースターの正体" url="https://victorysportsnews.com/articles/3390" imgurl="http://box-p4p.com/wp-content/uploads/2017/05/xo.gif"]素顔はいいやつっぽい。彼も自身ではどうにもならぬ使命、宿命を色々と背負っているようなのだ。
相当慎重に守られている選手であり金の卵だからこそ、ランキング1位であっても井上に挑戦したりはしない。
河野戦の内容、結果如何で進路を決めるのだろう。
キャリアと精神力で河野というボクサーの方が奥が深いので勝てるとおもうが、客観的には、ツォの方が有利だろう。河野より見栄えがいいし倒されない根性もある。河野が勝つにはKO勝利しかない。競った判定でも負けになる。
亀海喜寛VSミゲル・コット
この試合は決まったわけじゃないだろう。有力という程度か。
全盛期のコットではないだろうが、こんな試合が実現するなら過去のどんな日本人の試合より偉大な事だ。世界戦より価値のある試合というものがある。
でも歳の差は2つだけなんだな。
凄すぎます。
頑張れ、苦節の雑草たちよ、本物のボクサーよ。