最激戦区なんだけども、イサック・クルズやサブリエル・マティアスのようなキワモノやテオフィモ・ロペスのような不安定系、抜群のポイントゲッター、デビン・ヘイニーのような微妙な王者が君臨するSライト級の新たな刺客が彼です。
リチャードソン・ヒッチンズ
17勝7KO 26歳
ハイチ人のルーツを持つアメリカ人で、アマではどうしてもアントワン・ラッセルに勝てず五輪を逃したかとおもったらハイチ代表で出場するも、そこでもアントワンに負けてしまったというトップアマですが、世界王者確実・・・かもしれない実力者です。
ごくオーソドックスなアウトボクサーですが、スピードと見切り、反射神経が抜群で、ディフェンスも一流、無理をしないでポイントに徹するような狡猾さもあるので極めて厄介です。動画をみて、前戦、ホセ・セペダを完封したのを観て、これは世界王者になっちゃうだろうなとおもいました。
アマではメイウェザーに見いだされたらしく、メイウェザーの負けない戦い方を崇拝しているのだろうな、いわば、もう一人のデビン・ヘイニーみたいな印象です。力量差があると倒しにもいくのでヘイニーよりはエキサイティングですが、相手が強いとポイントに徹することもできるほどの速さと反射神経を備えています。
それにしても、ゲイリー・アントワン・ラッセルは、このヒッチンズとかジャロン・エニスの上をいくのだからたいしたものです。早くプロでも世界戦をして欲しいです。
グスタボ・ダニエル・レモス
29勝19KO 28歳
戦績ならこっちが上です。元世界王者、リー・セルビーを筆頭に最近はノックアウトばかりで無敗をキープしている、アルゼンチンの世界王者候補です。しかしアルゼンチンを出たことは今まで一度もありません。ヒッチンズ戦がアメリカデビューになります。
いわば、ちょっと前でいうマルコス・マイダナやルーカス・マティセみたいな存在で最近でもアルゼンチンに似たポジションのプロスペクトはいましたが、みんな挑戦者決定戦レベルで敗れてしまいました。世界王者になるには愚直すぎるのかな。
映像をみてもまさにそうで、レモスの方がパワーがあり耐久力もありそうだが、そのパンチが当たれば、ノックアウトすれば勝てそうだけど、ヒッチンズが勝ちに徹する試合をしたなら厳しいだろうなというのが容易に想像されます。
いわば
シャクール・スティーブンソンVS吉野修一郎
みたいなスタイルマッチを想像しています。
こういう試合の場合、私は常に弱者、グスタボ・ダニエル・レモスを応援していますし、リチャードソン・ヒッチンズをそんなによく観たわけではないので、究極的に言えばチャベスがメルドリック・テーラーを破ったような、無骨が俊才を砕くような、そんな瞬間を期待します。
ヒッチンズ、こりゃ王者になっちゃうんだろうな
とは感じましたが、どこまで狡猾な選手かはわかりませんし、そっくりなヘイニーやアマで勝てなかったアントワンもいますので、すごい王者になるかどうかはわかりません。