「柔よく剛を制す」には「剛よく柔を断つ」という続きがある/デビッド・ベナビデスVSカレブ・プラント

時に強く、時にしなやかに。
コロナが収束した頃(収束するのかな)はスーパーミドル級が熱い。

デビッド・ベナビデスとカレブ・プラントの統一戦が盛り上がりを見せている。(keeps building toward a crescendo)

23歳のWBCスーパーミドル級王者、ベナビデス(22勝19KO)は、「俺に何でも聞いてくれ」というファンとのセッションで将来の対戦候補、IBF王者のカレブ・プラントについて語った。プラントを含む対立王者、ビリー・ジョー・ソーンダース、カラム・スミスの中でテネシー州の男(プラント)がもっともイージーな相手だと断言した。

ベナビデス
「カレブ・プラントで間違いないよ。奴ほど過大評価されている男はいない。パワーがないし6ラウンド過ぎればガス欠になる。ソーンダースもカラム・スミスも経験豊富だしプラントよりはパンチが強そうだ。だからプラントが一番弱いだろう。

プラントと統一戦がしたいね。とても個人的な戦いになる。プラントは俺と戦いたがっているようだしね。俺に勝てるとおもっているようだが、実際はそうはならないよ。」

ベナビデスとプラントは2019年に両者が王者になって以来、統一戦の機運が高い。プラントは2019年1月にホセ・ウズカテギを破り、ベナビデスは9月にアンソニー・ディレルを破り剥奪されたタイトルを取り戻した。

今年2月にプラントが地元でドイツのビンセント・フェイゲンブッツを破った時、ベナビデスはプラントを挑発した。ベナビデスは4月18日にローマー・アレクシス・アングロと凱旋試合を予定していたがコロナウィルスの影響で中止になった。

両者、カジュアルなファン(向こうの言い方)には不人気な王者同士だが、個人的には実力ではスーパーミドル級の2トップだとおもう。そんな彼らの統一戦の機運が高いのは楽しみだ。

カレブ・プラントは評価が難しい王者だ。

かなり高度でハイテク、クールなファイトをするが、ベナビデスの指摘通り、前半クールで後半バテる。体格、フィジカルがスーパーミドル級ではやや弱いようにみえる。しかし王座を奪った試合、2度の防衛戦では格の違う強さ、華麗さをみせている。スキルセットが全然違う。芸術度の高いファイトをみせている。

対するベナビデスは、相撲取りのようなデブから節制して開花したプロらしいケンカ屋で体格、パワー、フィジカル優位だ。ライトヘビー級に上げたヒルベルト・ラミレスやバドゥ・ジャックより、ライトヘビー級王者のドミトリー・ビボルよりもライトヘビー級に相応しい、クルーザー級もいけそうなフィジカルがある。23歳、アマ歴が少ないのでまだまだ強くなるだろう。ローマー・アレクシス・アングロは、ヒルベルト・ラミレスの技巧に敗れたが、その後、無敗プロスペクト、20勝18KOのアンソニー・シムズJrを破り再浮上していた。

試合が長引くほど底力のあるベナビデスが体力、馬力で有利になっていきそうな気がするが、ベナビデスはロナルド・ガブリルに手を焼いたりダウンした過去もありまだ未完成なので、プラントが前半のスピードとハイテクで飛ばしシャットアウトしてしまう可能性もある。

正直に言えば6-4か7-3でベナビデス有利だが、人間性まで含めると

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プラント支持だ。
彼の方が成熟した大人、頭脳派だ。

本当はベナビデス推しなんだけど、それでは深みがない。

ビリー・ジョー・ソーンダース、カラム・スミスの両雄は、英国を出て本場で数試合みてみないと何とも言えない。相手を選ぶし今は評価できない。ここにカネロやGGG、カネロ戦を見据えた村田も参戦することになるだろう。

コロナが収束した頃(収束するのかな)はスーパーミドル級が熱い。

その中でダークホースといえるのは、カレブ・プラントだ。

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