ここで、ネリーの素晴らしい記録、31勝24KO無敗が、途切れることを願っても、悪いことではないだろう。
ルイス・ネリーとブランドン・フィゲロアは2021年の春までに予定されているスーパーバンタム級タイトル戦の契約に合意した。PBCにとっては驚異的な試合だ。スーパーバンタム級で最高の2人、そして両方のファイターは25歳以下である
WBAスーパーバンタム級王者フィゲロア(21勝1分、16KO)とWBC王者ネリー(31勝0敗、24KO)が統一戦で顔を合わせることになった。
ネリーvsフィゲロアの勝者は、スーパーバンタム級で他の王者を追いかける立場にある。
ムロジョン・アクマダリエフ - IBF/WBA
レイ・バルガス - WBC休養王者
アンジェロ・レオ - WBO25歳のネリーは、9月26日に無敗だったアーロン・アラメダを12ラウンドユナニマス判定で破り、空位のWBCスーパーバンタム級王座を獲得した。ネリーにとっては、2017年にWBCバンタム級王座を保持した後、スーパーバンタム級に昇格してから初めての戦いだった。
ネリーはスーパーバンタム級でのデビュー戦では、バンタム級でキャンペーンを行っていた時ほど壊滅的な姿ではなかった。しかしフィゲロアにとって、パワーと爆発力は健在だ。
フィゲロアは兄のオマール・フィゲロアに似ている。元WBCライト級王者オマール・フィゲロアを知らないボクシングファンのために、彼はいつも信じられないほど手数を出す。ノンストップのパンチが彼のキャリアを成功に導いた。
ブランドン・フィゲロアは、9月26日にダミアン・バスケスを10ラウンドノックアウトし、WBA暫定スーパーバンタム級のタイトル防衛に成功している。
願わくば、ネリーは近年体重で苦労しているので、問題なくこの試合のために体重を作って欲しいという事だ。もしネリーがスーパーバンタム級を作るのに苦労し始めたら、フェザー級まで上がる必要があり、その階級のトップと競争するのは難しいと感じるかもしれない。
どうやらルイス・ネリーはPBC内でやっていくようだ。
日本人との対戦はもうないかもしれない。
薬物、度重なる体重超過で無軌道ぶりを示すネリーはメキシコ伝統の軽量級の金のなる木として優遇されまくっているが、ここがひとつの試練だろう。
ブランドン・フィゲロアはナチュラルで体格が大きく、フェザー級超の骨格を誇る。しかしそのファイトはスイッチヒッターの変則スタイルから執拗なほどの手数と前進を止めないファイターだ。かなりの体重超過をしたハードパンチャー、フリオ・セハとの試合でも倒れることなく打ち合った。(引き分け)
アーロン・アラメダ戦のネリーは強打不発、アラメダの距離やジャブに手こずり、バンタム級時代のパワーが通用しないという結果を晒したが、アラメダが素晴らしい選手だったのか、通常のネリーの実力がこの程度なのかは測りがたい試合といえた。それでも、ボディワークが柔軟で、左の使い方が巧み、倒す姿勢は感じさせ、悪いファイターではないという印象だけは残した。
少なくとも、フィゲロアはアラメダよりさらに大きく、執拗なパンチャーだ。攻撃が防御を相殺するようなアタッカーであり、ディフェンシブな試合をする男ではない。そして恐らく打たれ強い。(ダメージを貯めるスタイルだ。)
ここで、ネリーの素晴らしい記録、31勝24KO無敗が、途切れることを願っても、悪いことではないだろう。
メキシカンを優遇、中心に据えるボクシングの本場といえど、ハンサムなアメリカの青年、ブランドン・フィゲロアに対する期待も応援も大きいはずだ。
どちらも、スーパーバンタム級の世界王者の面々は全て、まだ実績も信用も足りない者ばかりというのが本音だし、フィゲロアもネリーも本当の王者に値しないのだが。
頑張れ、ハートブレイカー、フィゲロアを応援したい。