バンタム級の暑い夏/井上、カシメロ、ウバーリ、ドネア、リゴンドー、そしてフルトン

Sバンタム級は、アメリカ人が主役になりつつある。体格もパワーも違うだろうが、井上尚弥なら、ウィルフレド・ゴメス、マルコ・アントニオ・バレラ、マニー・パッキャオに次ぐ、伝説のSバンタム級になれるだろう。

2020年4月、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズで優勝したばかりのWBA/IBFバンタム級統一王座の井上尚弥(20勝17KO)は、WBO王者のジョン・リエル・カシメロ(30勝4敗)と対戦することになっていた。どちらも爆発的なパンチ力を持つ選手なので、世界中のファンは楽しみにしていた。勝者は、バンタム級で主要な団体のタイトルを持っている残りの1人、WBCタイトル保持者のノルディン・ウバーリ(17勝12KO)との間で、4本のベルトを賭けることになっていた。

多くは、井上が最後の一人となり、少なくとも間違いなくカルロス・サラテ以来のバンタム級で最高の活躍を見せるだろうと予想していた。しかし、それはリングで証明されなければならなかった。

4月25日に予定されていた井上-カシメロ戦のリングには、誰もいなかった。

秋になって試合が再開されると、井上もカシメロも他のバンタム級と対戦することになった。ウバーリは、井上がWBSS決勝で破った相手、後に殿堂入りするノニト・ドネア(40勝6敗26KO)と戦う予定だったが、一連の出来事により、この対決は今週土曜日の夜(Showtime、米国東部時間午後10時)に延期された。

COVID以前から、ウバーリVSドネアの可能性は高かった。それがついに、非常に魅力的なShowtimeのカードに来たことは、バンタム級の絵画のピースに過ぎない。

9月までのカードがどうなるかはわからないが、Showtimeがバンタム級で巧妙なプレイをしていることは間違いない。Sバンタム級への投資により、スティーブン・フルトンとブランドン・フィゲロアの対戦が実現するなど、Showtimeは昨年秋以降、両階級で世界最高のアクションを数多く提供している。今週末にはウバーリVSドネア、8月にはカシメロが未だ巨人で元Sバンタム級の王者でもあるギジェルモ・リゴンドー(20勝13KO)を相手に防衛戦を行う。

今年Showtimeと提携していないSバンタム級のビッグネーム、井上と統一Sバンタム級の王者のムロジョン・アクマダリエフとの対戦は、まだ宙ぶらりんの状態だ。

昨秋、ジェイソン・モロニーを見事に撃破した井上の次戦は、マイケル・ダスマリナス(30勝2敗20KO)という指名選手に阻まれている。体重に関係なく、世界最高と言われる選手が同クラスの無名ファイターと対戦するのを見たい人はほとんどいないだろう。

しかし、短期的に見れば、これらのイベントがバンタム級の状況をより面白くしているのではないかという疑問がわいてくる。

ドネアが勝てば、2019年のファイト・オブ・ザ・イヤーに続いて、井上との2度目の統一戦が実現する可能性がある。今週のPBCポッドキャストで、ドネアは、バンタム級で統一王者になるという目標の一環として、井上ともう一度戦いたいと明言した。

さらに興味深いのは、ドネアとリゴンドーがともに若い相手を倒した場合だ。

2013年、リゴンドーがドネアに統一戦で勝利したことで、他のSバンタム級は全世代が追い出された。2021年、ドネアとリゴンドーが1つ下の階級でベルトを統一することができるだろうか?とんでもない話になるだろう。

もう1つの選択肢は、ソーシャルメディアで世界に向けて翻訳されたカシメロの悪口が、カシメロがキューバのマエストロに勝てば、2人が再びテーブルにつくことで再開することだ。二人はリングの外でも面白いやり取りをしている。8月にカシメロが勝てば、アメリカでのカシメロの知名度は確実に上がり、3階級制覇したタイリストの誠意も高まり、2020年に考えられていたよりも井上にとって手強い相手だと納得する人も出てくるだろう。

このシナリオで井上がカシメロに勝った場合、以前勝っているドネアと戦っても意味がなく、カシメロがリゴンドーに勝っても井上がいなければその評価は薄れるだろう。

Showtimeは、カシメロとドネアのフィリピン統一戦という、あまりにも珍しいバンタム級への投資を推し進めるだろうか?カシメロとウバーリの統一戦にお金を出してくれるだろうか?井上とアクマダリエフが顔を合わせることになるのか、あるいは井上がSフライ級にいたときには対戦する機会がなかった男たちを担ぎだしてくるのか。2020年4月25日が無事に終わった世界では、ありえなかった道がもっとあるかもしれない。

井上、カシメロ、ウバーリ、あるいは後者2人を追うベテランたちには、問題を解決するための時間がまだある。もし、これが島国のボクシングのようになってしまったら、元も子もない。全員が力を合わせれば、当初の予定よりも満足のいくスケジュールになるかもしれない。

よくわからない記事だが、海外有名メディアの記者がこう書いており、バンタム級に熱い視線を注いでいるということだ。

私の期待は

ウバーリがドネアに勝ち
井上がダスマリナスに勝ち
カシメロがリゴンドーに勝ち

井上がカシメロに勝ち
井上がウバーリに勝って

バンタム級を統一するシナリオだが、2022年を待たねばならず、結果もこうはいかないかもしれない。

ダスマリナスだって人生をかけている、立派な強打のナンバーワンコンテンダーだ。予想通りの役目を演じるつもりはないだろう、こういう男が一番不気味だ。リゴンドーとドネアは共に高齢だが、Sバンタム級の議論の余地なき世界王者でもあった。

せめて、カシメロかウバーリと戦って、4冠統一はできなくとも、井上尚弥にはバンタム級を卒業してもらいたい。そして恐らく30歳を迎える井上尚弥の最後の舞台がSバンタム級であってもいい。

Sバンタム級は、アメリカ人が主役になりつつある。
体格もパワーも違うだろうが、井上尚弥なら、ウィルフレド・ゴメス、マルコ・アントニオ・バレラ、マニー・パッキャオに次ぐ、伝説のSバンタム級になれるだろう。

スティーブ・フルトンは、フィゲロアがネリーに勝って、大喜びしていた。それは自分の予想が当たったからであり、「バンタムと俺たちじゃフィジカルが違うんだ、普段彼らも重たいだろうが、俺たちはもっと重たい。井上尚弥にもあっさり勝てるとおもうよ。」と言っていた。

その口を黙らせてやろうじゃないか。

恐らくフルトンとフィゲロアが戦えば、判定でフルトンが勝つだろう。
しかしフルトン相手なら、井上は5ラウンドかからないんじゃないかな。

大橋ジムはボブ・アラムではなくアル・ヘイモン、もしくはエディ・ハーンと契約すべきだったな。

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コメント一覧
  1. ドネアはリゴンドーに過去に完封されて負けたから、腹いせにカシメロ戦の順番をリゴンドーの弱みに付け込んで獲得したんじゃないのか
    普通なら正式決定してるのに割って入る非常識な事なんてしないでしょう
    しかも勝者はリゴンドーと戦わずに井上戦に行くみたいですし
    カシメロは口だけの選手
    そして、ドネアは紳士だと思っていたのに今回の件はガッカリしました

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  2. カシメロvsリゴンドーは正式発表されていた
    それなのに、リゴンドーが怪我をして出れなくなったでもないのに2ヶ月きった状況でカシメロvsドネアに急遽変更
    リゴンドーはカシメロ対策の準備をしていたはず
    それなのに、よくこんな横暴なやり方をリゴンドー側は受け入れましたよね
    普通に考えてあり得ないでしょう
    それに最近はエキシビションマッチが流行っていますし
    特にメイウェザーvsYouTuberの試合は酷かった
    こんなやりたい放題なことばかりしていたら、ボクシング界にとって良くないし衰退していく一方だろうね

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  3. >大橋ジムはボブ・アラムではなくアル・ヘイモン、もしくはエディ・ハーンと契約すべきだったな。
    最後の文は大いに納得です。バンタム、Sバンタムで主要な選手はみんなPBC契約じゃなですか。トップランク契約の井上が4団体統一を願うなら実現は無理な気がします。

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  4. SB級は最終的に
    WBAIBF(DAZN系)
    WBCWBO(PBC系)
    になりそうだけど、4団体統一戦には両者歩み寄りが必要だが、
    プロモーター違いだからこそ、価値が上がる。尚弥の参入はその後でいい。

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  5. PFPはたらればの最強議論ですし、適正がほぼバンタムの井上に、1.5階級位違う統一王者(予定)のフルトンorフィゲロアや、フェザーのラッセルやナバレッテと早く試合しろというのも酷でしょう。
    例えるなら、カネロはベテルビエフと、クロフォードはチャーロ弟とビックマッチ組みましょう、もしpfp1位なら少々階級差パワー差があっても相手に弱点が無いわけでないから勝てますよね、というようなもの。実際にカネロはコバレフ戦では少しでも自分に有利になるよう、当日の増量制限に加えて、コバレフが激闘をした試合から2か月しか経っていない日に試合を設定しましたからね。

    パワーとスピードでごり押しせず慎重に戦えたモロニー戦は良かったですし、次戦もサウスポーのウバーリやリゴンドーが匙を投げそうになる程、万全な試合運びであってほしいです。

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  6. 試合が増えない中で、王座が統一されていくのは色々と都合が良いね
    理想ではB級SB級共に来年の頭までに統一されて、4団体王者同士のマッチが組めたら完璧
    さらに欲を言えば対戦相手は米国人だと市場的にも良い
    フィゲロアvsネリの時もオッズではネリが上だったにも関わらずメキシコ人ではなく米国人のフェゲロアの方がファイトマネーが多かったし、やっぱり自国の選手の方が市場価値が高いんだなあと感じた

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  7. 井上がP4P1位になるには、バンタム、Sバンタム、フェザーあたりを無双しないと無理っぽい。実力がどうこうでなく、カネロと試合数も相手のネームも違うから。このキャリアで2位か3位というのも脅威だが。とにかく年3はやろうじゃないか。

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  8. 確実に一回り大きくて攻防、特にディフェンスに長けた黒人王者ですが、パワー型ではないし華のあるファイターではない。まだ新人王者だし、ゲイリー・ラッセルには勝てないだろう。井上がというよりフルトンやフィゲロアはそんなに大物ではないとおもわれる。

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  9. 個人的にモンスター井上のイメージは、見るからに凶暴なゴジラ的なやつじゃ無くて、一見ベビーフェイスでありながら凄まじい戦闘力を秘めたフリーザ様っぽい不気味なモンスターです。

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  10. (レオフルトンのハイライト見ただけですが)フルトンの頭、気になりませんか?バッティングと頭叩いて拳傷めるのが心配です。

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  11. 井上はカシメロとは戦わない運命なのかな?ネリーはバンタム級でないと魅力がないので戻ってくると予想してネリーvカシメロを期待します。本人はウエイト作れるって言い続けてるので戻りたいと思うしプロモーションもその方向で行くと思います

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  12. 大橋ジム的には井上に4団体統一してもらって階級を上げたタイミングで拓真や中嶋におこぼれ的に各団体の王者決定戦をさせるつもりだと思う、相手はモロニーやロドリゲス、マクレガーあたりだろうから勝てるかは分からないけど。
    井上がSバンタムに上げるころには王者はフルトンとアフマダリエフの二人だけになってそうだしSバンタムのパフォーマンス次第でフェザーに上げるかどうか決めればいい。

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    • リーマクレガー大柄でパンチもありそうですよね。こないだの左ボディでダウン取って最後は左フックだったかの初回KOは驚きました。あの相手ダスマリナスが4Rかかったフランス人でしたが。左ボディが得意そうなのは尚弥の影響も多少あるのかな?wある動画で井上は凄いって偉く褒めてましたが。スピードもあってディフェンスもいいし現時点でもかなりのキャラに成長してるのでは無いでしょうか。

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  13. >しかしフルトン相手なら、井上は5ラウンドかからないんじゃないかな。

    大胆予想ですね(笑) でも私もフルトンに勝てるのかなって思ってます。うるさいジャブを持ってたり一見スマートそうに見えますが以外と大振りな所があったり、非力なのかKOが少なかったり、レオに腹殴られてくの字になったりしてたので何となく隙がある気がしましたので。

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    • えー信じられないですね!
      フルトンの倒してきた相手めちゃくちゃ強い相手ばかりですよ 僕はフルトンは本物だと思ってます。
      井上と戦った場合はフルトンの判定勝ちを予想します。ついでに井上はもうピークをすぎつつあるんじゃないかな

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