アイルランド発オーストラリア経由ボストン/TJドヘニーとマクドネルファミリーのサクセスストーリー

今年中に日本にやってくるだろうヨーロッパの刺客についての記事です。岩佐はここからが第二章といえるでしょう。井上も・・・

TJドヘニーは長い間アイルランドにとどまっていましたが21歳で母国を離れ、オーストラリアで建設労働の仕事をしていました。ボクシングに対する情熱が再燃し、気持ちを切り替えて2年前にボストンに渡りました。もっと技術を磨くために。

ボストンは肌に合っていました。大きなアイルランド人コミュニティーが支えてくれるからです。ドロップキックマーフィーズというバンドのベーシスト兼シンガーソングライターのケン・クレーシーからプロモートを受けました。そのバンドの「我らボストンの移民」という曲はアイルランドボクサーがテーマです。ドヘニーは故郷の手厚いサポートを得たも同然です。

ドヘニー
「ボストンは故郷のようなものです。アイルランドのビッグコミュニティーがあります。」

彼は、セントパトリックデーにボストンのハウスオブブルースでマイク・オリバーと戦います。

ドヘニー
「世界ランク10位以内に入ってタイトルが現実のものとなった時、ここでワールドクラスのファイターとトレーニングする必要がありました。」

表面上は、この試合はIBF王者岩佐亮佑への挑戦(6月か7月に予定)への比較的楽な調整試合にみえますが、もし負けたらランクを落とす危険な試合でもあります。

対戦相手のマイク・オリバー(26勝8KO7敗1分)もかつては同様でした。無敗のホープとして当時IBF2位のコンテンダーでしたが、レイナルド・ロペスに敗れて脱落していきました。その後敗北を重ね、2015年にアンソニー・ピーターソンに初回KOで負けてから2年間試合をしていません。

ドヘニー
「みんな、相手はブランクがあり、峠を過ぎた過去の選手といいますが、経験豊富なファイターです。クレバーでサバイバルする方法を知っているので、私は絶対この試合を落とせません。世界挑戦真近で間違いを犯すわけにはいきません。」

ドヘニーはタイでマイク・タワッチャイに勝ち、1位の座にいますが、それまで2年間、ラウンドを失った事はありません。新しいコーチのヘクター・バルムデスの下、ジョナサン・グスマンやハビエル・フォーチュナ、マーク・デルーカなどの才能ある選手とトレーニングに励んでいます。

今年中には日本で岩佐亮佑へ挑戦するでしょう。王者の岩佐は小國からタイトルを奪い、今月フィリピンのサウロンからイージーな防衛をしました。

ドヘニー
「岩佐には弱点がたくさんありますが、穴王者ではありませんが勝てる(beatable )相手です。日本に行けば大きなチャンスがあると夢想しています。」

https://www.youtube.com/watch?v=BODvrrIjIaM&t=513s
https://www.youtube.com/watch?v=NkwgwMMo7ec

ジェイミー・マクドネルは井上尚弥との試合が決まる前はスーパーバンタム級への転向を検討していました。2階級王者の井上はほとんど日本で試合をしています。唯一のアウェーは米国でのアントニオ・ニエベス戦でした。

マクドネルは井上尚弥の3階級制覇のパーティーをぶち壊すことができると信じています。

マクドネル
「トレーナーはスーパーバンタム級こそ私にとって最善だと言っていましたが、井上の話を持ち出した時、正直私はこのキッズについて何も知りませんでした。聞いたこともありませんでした。

この試合はすごいものになりそうです。勝てば大きな未来が開けそうです。多くの人々に認知されるからです。私はバンタム級とスーパーバンタム級のドアをこじ開けます。まだバンタム級の体重を作れることはここ数戦で証明していますし、何の問題もありません。」

マクドネルはリー・ハスキンスに負けた2008年以来負けなしです。数々のタイトルをとり、当時無敗の亀田にも2度判定勝ちしています。

リボリオ・ソリスとのモナコでの試合はノーコンテストでしたが、弟のギャビンが、無敗のガマル・ヤファイを破ってWBCインターナショナルSバンタム級王者になり、マクドネルファミリーのサクセスストーリーは続きます。

He’s a very beatable opponent
という言葉の正しい訳を知りませんが、ニュアンスからして勝てる相手、おいしい相手と受け取れます。岩佐はまだそのようにみられているという事でしょう。岩佐の弱点とはどこだろう?巧いけどパワーレスだし強襲すれば脆そうと感じたとしても無理はない。

ドヘニー自身、そこまで強いホープには見えませんが、アイルランドでロンドン銀メダルのジョー・ネビンと五輪の座を争うほどのトップアマでした。しかも今の練習環境がなかなかやばい。アイリッシュは精神力も半端ない。

次戦のマイク・オリバーというのはかつてはSバンタムの選手で体格も大きくないですが今はSフェザーにクレジットされており、最後に負けたのがアンソニー・ピーターソンというのがちょっと不気味です。全然Sバンタムじゃありません。過去の選手なのでアップセットはないでしょうが、ドヘニーや岩佐よりパワフルかもしれません。

この相手を迎え、岩佐はサウロン戦のままでは心もとないです。
技術戦になることは間違いないでしょうが。

井上の方はあまり心配していません。マクドネルが驚くことになるだろうとおもっています。
しかし相手は誇り高き英国ボクサーであり、在位も長いので自信満々、当日もデカいでしょう。負けることなどまったく心配していないような発言の数々です。この自信が吉とでるか凶とでるのか・・・

マクドネル対策で呼んだというセルバニアはいいけど、もう一人の中国人は長身で世界ランクも高いけど本当にそんなに手ごわいパートナーなんだろうか?まあいいや。勝って海外で名を売って欲しいものです。

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