サウル・アルバレスVSオースティン・トラウト

Sウェルターの統一戦、パッキャオやメイウェザーの次の世代の頂点争いです。

メキシコ/ハリスコ州/ウェルター級王者
WBA/Fedecentro/ウェルター級王者
第41代NABF北米ウェルター級王者
WBO/Latino/ウェルター級王者
第10代WBC/Youth/ウェルター級王者
初代WBC/Silver/S・ウェルター級王者
第44代WBC世界S・ウェルター級王者
サウル・アルバレス(メキシコ)
Saul Alvarez
42戦41勝(30KO)1分

WBA/Continental-America/S・ウェルター級王者
WBA/Fedelatin/S・ウェルター級王者
WBC/Continental-America/S・ウェルター級王者
第46代WBA世界S・ウェルター級王者
オースティン・トラウト(米国)
Austin Trout
26戦26勝(14KO)

無敗王者同士の対戦、ネット中継でしたが比較的スムーズに見ることができました。
ラウンド毎の採点はしてませんが、トラウトが手数とアグレッシブでポイントアウトしたように見えました。
が結果は

115-112
116-111
118-109

でアルバレスと出ました。
終盤流していたアルバレス、終了ゴングと同時にガッツポーズ、方やトラウトは首捻ってたんで、この内容で勝敗決まってしまったの?と疑問でしたが、はっきりと差の出た採点結果に少し驚きでした。

内容はどっしり構え、距離を保ち、ジャブを多発するトラウト、その隙を見てビッグパンチを当てに行くアルバレスという図。
トラウトは負けにくい、塩王者との前評判でしっかり見たのは2回目ですが大柄でサウスポースタイルから踏み込まず、シャープなジャブを連発し、後は相手が出てくるのに合わせる、こういうタイプのボクシングは崩れにくいでしょう。非常にやりにくいスタイルです。

対するアルバレスはこのスタイルを崩しに圧力かけていきますが、ジャブが邪魔で、トラウトも踏み込んでこない、打ったら打ち返されるで手こずっていました。

関心したのはアルバレスのディフェンスで、以前よりかなり上手くなっている。上体の動きでトラウトのパンチをかなりはずしていました。
ディフェンスだけで魅せるところもあり、こんな上手かったっけ?と次世代のスターはやっぱ進化しとるわと唸りました。

7ラウンドに均衡を破るアルバレスの右でトラウトが痛恨のダウン、かなり足に効いたダウンでしたが、それでも手数増やし抵抗、アルバレスはチャンスを活かすことはできず。

とてもハイレベルで拮抗した試合、有効打と意外なディフェンステクで安定感を見せつけたアルバレスでしたが試合全般ではより手数を出して細かなジャブを当て、終始積極的だったトラウトがポイント支配した内容に映りました。

しかし意外な大差でアルバレスの勝利!

本人の問題ではないかもですが、明らかにお金になる人気アイドルアルバレスに周囲が好意的、甘くなっとると確信した残念な結果でありました。
同時にやりにくい、難しいトラウト相手に手数で劣り、スタミナ切れ、ダメージもあるように見えましたのでこのスター選手の実力が明確にもなったような印象でした。

自分の見方が狂っていたのかな?地味でやや退屈なトラウトとの再戦はもうないかもしれません。
元々人気で劣るのにダウン屈した時点で勝利の目は薄いと自覚していたのか?
自分にはトラウト勝利に映りましたよ。

アルバレスは今後無理やりでもトップスター、ビッグマッチの中心に据えられる運命にあるでしょうが最強という評価はできません。
エリスランディ・ララやバネス・マルティロシャンとやれよと言いたくなりますし、GGGほどの剛腕ではないという評価です。

結果に戸惑う歯がゆい試合でした。

昨日はWBC Sバンタム決定戦が行われ、ビクトル・テラサスがクリスチャン・ミハレスに勝利して王座につきました。
見れてませんがこの試合はミハレス勝利が実際正しいようです。押されながらも的確性、有効打で上回り、ダウンも奪ったとのこと。
ミハレスは元々前に出るタイプではなく下がりながらもテクニックで相手を凌駕するタイプです。

歴戦の栄光と挫折で底の見えるミハレスよりまだ色のついていないテラサスに未来を与えたという印象です。

この試合が注目なのは長谷川や下田、あるいは先日バスケスJrを破った石本のターゲットになりうるからです。
しぶとく職人的なミハレスですが実力の底は見せている、テラサスもムンローに逆転されたり小さなモンティエルに際どく勝ったり、レベルは見えてきます。勝てないレベルの相手ではないでしょう。大体この辺はミハレスに逆転食らったラファマル含め、階級上げたマレスも含めてどっこいな実力の持ち主ばかりだとおもわれます。

特に長谷川のモロターゲットといえる相手ですので興味深いです。
テラサスが相手となれば勝負は5分、体力で押すファイターボクサーのようなので、意地になっての打ち合いよりもスピード差で攻略が理想でしょう。
打ち合いとなってもがっつり付き合うよりは回転力でごまかす方が得策でしょう。

頂点レベルの王座というよりはまずベルト、その先のビッグマッチを目指す上で格好の標的だとおもいます。
その上にリゴンドーやドネア、実力ではバクティンがいると確信しています。

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コメント一覧
  1. プクーさん、ありがとうございます。今後もいい試合が多いので頑張ってみたいと思います。

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  2. カネロとトラウトすっきりしない判定だったようですね。
    皆さんはネット中継でご覧になっているようですが、
    (もちろん正規の方法なのでしょうが)
    相すればみられるのでしょうか?
    出来たら教えてください。お願いいたします。

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  3. pさん

    昔のチャベスみたいでカネロはクラシカルでいて重厚感がありますね。
    あのディフェンスは関心しました。進化してます。

    僕はアンダードッグに肩入れしちゃうところがあるんでダメですね。
    それでもブラッドリーVSパッキャオはパッキャオですが。

    サイトは趣味なんで気分で色々と変えちゃいます。
    今は変なデザインですがスマホでみれるんでこれで落ち着いちゃってます。

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  4. お久しぶりです。時間が出来たので書き込みします。

    ハイレベルな試合でしたね。自分の感想はプクーさんの反対で、カネロがどっしり構えてトラウトがジャブで手数を上回ったといったところです。

    ちなみに自分の採点は116-111でカネロ。1,4,5Rはどっちがラウンド採ったか微妙でしたが手数が勝ったトラウトに1Rと5Rあげました。8Rはカネロが休み、12Rは手を抜いた結果です。
    118-109は全体的にみるとカネロ贔屓に見えますが自分の採点ではボクシングの採点は1Round毎で切らなければならないので仕方ないと思います。

    前半は僅差のラウンドが多かったので差がついた判定は以外かもしれませんが、ダウンのあった7Rからは試合が動いた感がありました。ラウンド毎にカネロのパワーショットがヒットしているのが響いていると思います。特にアッパーが効いているんじゃないでしょうか。

    判定の疑問ですが、自分は公平な結果だと思いました。手数よりもクリーンヒットに重きを置いているので、もしかしたら皆さんとは違う判断基準かもしれません。

    しかし、パッキャオvsブラッドレイの件は大いにプロモーターがボクシングファンからの信頼を失ったと言えますね。

    話が変わりますが、コメント欄の文字の大きさと色が変わりましたね。
    自分的に、かなり見やすくなりました!感謝です!

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  5. ろーれんさん

    先日試合したばかりだし、まだ確実とはいえないのでは?
    この人もテラサスに挑んでよさそうなものを。

    ダルチとやっても倒されるか完封するかでしょうに。

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  6. borokabuaaiさん

    うーん、耐久力といってももろ食えば倒れちゃう階級、王者クラスばかりですからね。
    打たれないボクシングが長谷川スタイルだとおもってます。
    なんやかや、楽しみな選手であるのは変わらず。

    ダルチニアンにチャンスがありそうですが、モレノ、山中と負けて一階級上でもあんまりなぁ。
    この人は人気ありますが判定に泣くことあっても救われることはないですね。

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  7. 長谷川の耐久力は落ちてないでしょうか?かなり休んだので、ダメージから回復しているのでしょうけど。ダルチニアンは誰と戦っても面白い試合をするので、トップランクと契約しましたね^サラテス狙いで、トップランクが考えているのでしょう。(ダルチニアンは豪腕タイプのファイターですが、アマ歴170戦もあるんですね^戦い方はストリートファイタータイプですが)どちらにしても誰が見ても判る簡単明瞭な採点方法と、ルールが確立されないと本場でボクシングは、衰退する気がします。

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  8. 五輪 金 太郎さん

    役者が逆だったらどうだったでしょうね。
    カネロがトラウトのボクシングをしてりゃ勝ちだったかも。
    亀田がパノムンレックのボクシングしてたらきっと圧勝だったように。

    まぁ、どこまでひどくない、いい試合でしたが。

    長谷川は後遺症とか、力が落ちたというのはあるのでしょうかね。
    そういうの考慮してません。
    むしろ敗戦で学習し強くなていると信じています。

    格下には圧勝できるスピードと技術があるが、相手が強くなるとイチかバチかの戦術しかなくなる、勢いまかせでエイヤってなってしまうのだとおもってます。

    そこがアマキャリアもほとんどなくプロで20戦そこそこで世界王者になった者の壁だとおもいます。
    ポテンシャルでテラサスには勝てるとおもいますが、ダルチニアン優先のようで大人気の王者のようです。

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  9. ダウンシーン以外は

    手数では圧倒的にトラウト
    ゴクゴク単発の有効打がカネロ
    有効打があった回と
    ダウンのあった回をカネロにまわしても
    微妙だった印象でシタ
    ケド
    カネロのディフェンスをチョッとだけ
    見直しちゃいましたw

    僅差の判定の場合
    ビッグマッチでは不満が残って
    しまいますねw

    個人的には長谷川大好きだケド
    こないだの復帰戦だけじゃ
    後遺症まだあると思うw
    打たれ弱いのを露呈したうえ
    大降りからのディフェンス劣化
    が心配ですw
    穴的なチャンプ相手なら
    別ですがw

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  10. borokabuさん

    トラウトの頑張りを完全否定してしまう
    118-109

    これは公平とはいえないジャッジでしょう。

    その他試合も含め
    公平に試合を見る以外に、プロモーターとしてどっちに勝って欲しいか
    関係者はどんな結果を望んでいるか
    そんなことまで裏読みして試合を観戦しなきゃなんないんですかね。

    これだと
    日本でやれば長谷川有利、メキシコだとテラサス有利でしょうね。
    よほど一方的な試合にならない限り。

    カバジェロ、本人にも非があるんでしょうが実力の割に干された立場で終わってしまいそうです。

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  11. 自分もネットで見ましたが、114-113でギリギリカネロかな?現場で見るのと大分違うので、わかりません。それでもカネロ寄りの判定が下ったと言えますね^しかしトラウトもコット戦の様にジャブから左ストレートを打ち込む事も出来ず、どっちもどっちの凡戦^この試合よりミハレス対テラテス戦 こちらの方がハッキリとミハレスの勝ちに見えましたが、結果はテラテス^ボクシングの採点は難しいですね。体操とかシンクロでは無く、格闘技として簡単な採点方法にして欲しいです。ダウンは3ポイント、スリップも1ポイント(戦場の接近戦では殺されるから)攻撃中心に採点を傾けないと眠いです。その他、ファンマとコンセンプションはKO勝利(これはわかり易い) ベテランのカバジェロは判定負け^これでカバジェロは大きい試合に呼ばれる事なく消える運命でしょうか^今後は分り易いGGGとマティセに期待します。

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