「NEHO」のマントラ/アイザック・ドックボーVSエマニュエル・ナバレッテ

岩佐の再起戦、また日本から地道に出直しではなく1月19日、パッキャオVSブローナーの前座で、セサール・ファレスとIBF王座挑戦者決定戦という噂があります。いいじゃないか、望むところだ。岩佐にとってはこういう試合を勝ちに行く必要がある。

話変わって12月8日はP4Pナンバーワンのロマチェンコと技巧派ペドラサの統一戦があります。共に同じ時期にトップアマだった二人、共通の対戦者はいても直接対決はなかったようです。王者になりたてでいきなりロマチェンコ、いい覚悟です。その他にもマニアには興味深い試合が満載です。そのうちのひとつ、アイザック・ドックボーVSエマニュエル・ナバレッテに注目してみます。

アイザック・ドックボーはWBOスーパーバンタム級王者になるまで、彼の出生の一部である特別なマントラについて、紹介されることはあまりありませんでした。

「NEHO」と言われるこの言葉は、彼のボクシングに切っても切り離せない。

「NEHO」は逆境の際自分自身を鼓舞する事を意味し、ガーナのファイターによって使われてきた言葉です。4月に王者ジェシー・マグダレノに挑戦したドッグボーは、初回にダウンをし、「NEHO」の精神を発揮する必要がありました。8月の初防衛戦では、日本の大竹秀典を初回ノックアウトし、今週末に2度目の防衛戦を迎えます。

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ドックボー
「「NEHO」は試合の状況に関わらずずっと使い続けている言葉です。ネバーギブアップ、最後まで自分の使命を完遂せよというような意味です。「NEHO」という言葉を聞くと精神的に高揚します。困難な状況の時、みんなはどうしますか?みな自分自身の方法で気持ちを高める方法を持っているとおもいます。「全てを根こそぎ破壊せよ」という意味に間違って聞こえるかもしれません。軍隊が戦場に行くとき、戦士はみんな怖がっています。しかしリーダーは戦士に強い信念を与えねばなりません。私はNEHO、NEHO、NEHOと繰り返し暗唱し自分を鼓舞しています。」

ドッグボー(24歳)は19歳になるまで、「NEHO」を知らなかった。父のポールが第一次大戦を経験した曾祖父の話をして「NEHO」を始めて伝えた。ドッグボーは戦士のDNAを持ち、イギリスで育ちましたが、彼のルーツはガーナにあります。

ドッグボー
「私の家系は常に戦士であり、神は私がファイターになるための扉を開けました。最初に「NEHO」という言葉を聞いたのは19歳の時です。それは私の血に隠されていたものです。ボクシングという旅を通じて血が騒ぎ、湧き上がるものです。」

ドッグボーは今年最後に再び戦います。8月に大竹を簡単に倒しましたが(大竹がストップされたのは初めてです。)次の相手のナバレッテは大竹と似た背の高い相手です。

ドッグボー
「ナバレッテはこの階級では最高の相手でしょう。エキサイティングな倒し屋だが、私こそこの階級でトップです。ナバレッテを私の塹壕の中に連れていきます。彼の長いリーチをかいくぐり懐に入る必要があります。具体的な戦略はまだありませんが、ナバレッテを過小評価してません。彼はパンチがあります。リングに上がれば彼の攻略法が見つかります。」

ドッグボーはこの試合にアクセントを加え、エキサイティングなものにする事を約束した。主に英国に住み、トレーニングしているが、11月には王族と接見するためにガーナに帰国した。1月にはペンシルベニア州立大学で学ぶ。

しかしまずは、ナバレッテを攻略せねばならない。

ポール・ドッグボー(父親)
「試合が楽しみです。あるプランを持ってこの試合に臨むつもりです。時にはプランが狂う時もあるかもしれませんが、ナバレッテには常にプレッシャーをかけていく。アイザックのプレッシャーにナバレッテは後退し続けるでしょう。この試合がアイザックにとって最後のスーパーバンタム級の試合になります。アイザックは成長しており、体重を作るのが難しくなってきたのが、今までのキャンプとの違いです。試合が楽しみです。アイザックがプレスすると、ナバレッテの光が消えていきます。その光が消えるまでよく観ておいてください。」

「NEHO」は大竹戦でも聞かれました。観客のNEHO、NEHO、NEHOという声援は独特です。単純に「KO」かとおもってました。「倒せ、倒せ」あるいはもっと暴力的な・・・まぁ、暗唱しやすい、気合が入りやすい言葉です。

ドッグボー陣営のコメントは一々、小難しいな、やたら戦争に例えてくるなとおもったら、そんな背景があったんですね。大竹の事もゼロ戦にのった玉砕の神風特攻隊に例えていました。

10代で五輪代表となり、日本の清水に惜敗し、160センチに満たない身体でまさかプロでここまで大成するとはおもっていませんでしたが、今年の風雲児となりました。一気にスーパーバンタムナンバーワンの評価を獲得しました。アメリカンドリームを実現しトップランクと契約、ペンシルベニア州立大学にも通うといいつつ、ベースは英国とややこしい事この上ない。

この試合を最後にフェザー級に進出するという。史上一番小さなフェザー級王者になるかもしれません。しかしわざわざ、ドッグボーの事を取り上げたのは、今週8日に行われる試合の相手がなかなか曲者だからです。

エマニュエル・ナバレッテ
25勝22KO1敗
23歳

メキシコのホープですが、そのボクシングは独特です。
170センチの長身から左右にスイッチする器用な選手ですが、動きはギクシャクしていてスローです。下がりもします。しかし、そのスローで凡庸にみえる戦いぶりで相手を潰してしまいます。メキシカンらしくフォローが効いたエグイパンチを放ちます。少し清水のようでもあります。

先日、中澤を倒したジョン・ジェミノも5回TKOで下しています。なかなか強い相手に勝率、KO率も高いので、見た目以上のパワーとやりにくさを備えた選手であるとおもいます。

このナバレッテを簡単に倒してしまうならドッグボーはやはり特別な王者でしょう。体重苦で階級を上げるといいますが、元々大柄なナバレッテの方が当日は重くパワフルかもしれません。結構、見逃せない試合、相手であるといえるかと。

ナバレッテ
「これは待っていたチャンスだ。ドッグボーには敬意を表すが、このタイトルは俺のものです。12月8日にエマニュエル・ナバレッテという名前が世界中に知れ渡る。勝利を確信している。」

この面構え、ダニエル・ポンセ・デレオンぽいというか、見えない強さがありそうな予感。

私はナバレッテの見えにくい強さに期待していますが、世間の予想は圧倒的にドッグボーでしょう。これが最後のスーパーバンタム級だそうです。だとしたら、未来のドッグボーVS清水は因縁の再戦としてあるのかもしれません。ドッグボーが雪辱したがっています。背はナバレッテよりはるかに高い清水ですが、仮想清水を空想できなくもない選手ともいえそうです。

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