運命のクォーターバック/ワシル・ロマチェンコVSテオフィモ・ロペスとその周辺

脱帽だ。ロペスは拳にダイナマイトを持っている。肩をすくめるしかないよ。運動神経抜群で攻撃的で、リチャードは彼のダイナマイトに巻き込まれました。最初の一発で戦いは終わりました。

ニューヨークのボクシングだけでなく、スポーツ界全体として注目を集めている天才は、不可能なほど高いレベルのスーパースターの後継者であると言われる。すぐにでも困難な仕事に着手し伝説のスターが投げかける長い影に対処しなければならない。

ジミー・エリス、グレッグ・ペイジ、ラリー・ドナルドなどのヘビー級は、リング内外において、モハメド・アリのようなスーパースターになりたいと考えていた。

IBFライト級の新王者に輝いたテオフィモ”テイクオーバー”ロペスが比較として最も言われた象徴が伝説のロベルト・デュランだ。22歳のロペスの短いキャリアでは、そのような評価が妥当性を持っているか判断するのは時期尚早だが、土曜日の夜にマジソンスクエアガーデンで成しえた事、そしておそらく来春に起こる試合で、ブルックリン生まれのロペスがその評価を正当化する可能性もある。

ノックアウトアーティストとして、ただ一瞬の輝き以上になる可能性が・・・

ロペス(15勝12KO)は10101人の観客の前で、恐るべき強打者の王者リチャード・コミーを2回で粉砕し、この日のメインのテレンス・クロフォードの試合を観客の熱狂で上回った。クロフォードはP4P最強の王者と一部で評価されているほどのファイターだ。

ロペスの勝利が印象的だったのは、恐らく、殿堂入りのアズマー・ネルソン以来、ガーナで最高のライト級であるコミーを破壊したパフォーマンスよりもリングサイドで試合を観戦していた3団体王者、ワシル・ロマチェンコの存在が大きい。この日の勝利でロペスはロマチェンコとの対戦資格を得た。ロペスは経験が足りない。P4Pのロマチェンコと対するにはまだ早いという識者も多いが、若者は頂点を求めてその速度を落としたりしない。

ロペス
「次が誰かはもうわかっているだろう。」

ロマチェンコ
「全てのタイトルが欲しい。今ロペスは(私が持っていないタイトルの)世界王者です。次の試合はロペスになるでしょう。この試合に向けて準備をします。」

2015年の米国オリンピックトライアルで代表権を獲得したロペスは、アマチュアボクシングの政治に翻弄され、米国代表ではなく、父親の祖国、ホンジェラスを代表してリオデジャネイロオリンピックに出場した。

かつて23歳だったカネロ・アルバレスは2013年9月14日にフロイド・メイウェザーと戦った時、まだ未熟だった。カネロのピークは数年先だったかもしれないが若者は常に大きな挑戦をすべきであると判断した。

ルー・ディベラ(リチャード・コミーのプロモーター)
「脱帽だ。ロペスは拳にダイナマイトを持っている。肩をすくめるしかないよ。運動神経抜群で攻撃的で、リチャードは彼のダイナマイトに巻き込まれました。最初の一発で戦いは終わりました。」

ダイナマイトの一発よりも潜在的なメガスターとしてロペスの進化には多くのものがある。才能だけでなく、興行収入が重要であり、ディベラは「ロペスはヒールのカリスマ性を持っている」と言った。その種のカリスマ性はロマチェンコを含む誰に対してもチャンスがあると言える。

ロペスはこの日、44秒でマソン・メイナードを倒した時と同じ、LSUフットボールのクォーターバック、ジョー・バローが着ていたジャージを着用して入場した。テオフィモ・ロペスは今、彼自身の運命のクォーターバックであると言えるのかもしれない。もし彼が、ワシル・ロマチェンコに対し、メナードやコミーに対するようなパフォーマンスを発揮すれば、デュランとの早すぎる比較も大げさな誇張にはならないかもしれない。

ロペスVSロマチェンコというビッグマッチの可能性に比べ、テレンス・クロフォードの未来はやや不透明だ。彼はすぐにでも、巨額のビッグファイトを始めなくてはならない。

カリフォルニア州オックスナードを拠点とするリトアニア人のカバリャウスカスではアピールが足りない。彼のフルネームは難しいため、全てのプロモーションの資料でカバラウスカスは「ミーン・マシーン」と呼ばれたが、階級のライバルたちが全てPBCに所属しているため、ファンの期待に関わらず、クロフォードとリングを共有する障害となっている。

クロフォードは、モハメド・アリやフロイド・メイウェザーに匹敵するくらい、拳で多くを証明してきたし、テオフィモ・ロペスより遥かに多くを成し遂げた偉大なファイターだが、人気、興行収入は低いままだ。

サウスポーからオーソドックスを自在に駆使し、カバラウスカスを圧倒した。

クロフォード
「少し楽しませようと感じた。カバラウスカスはパワフルでタフでエキサイティングなスタイルだったから、観客を楽しませながら倒そうと考えたんだ。」

プロモーターのボブ・アラムはクロフォードの次の相手にショーン・ポーターを示唆したが、ロペスVSロマチェンコほど熱心ではないようだ。クロフォードは自分がベストファイターであるという信念を証明できるような試合から隔離されていることに失望していると言っても過言ではない。

クロフォード
「誰とだって戦うさ。いつになるかわからないとずっと言ってきた。PBCやトップランクを騙すつもりなんかない。全てのトップの男たちと戦いたいんだ。」

その他の試合、2度のオリンピアン、マイケル・コンラン(13勝7KO)がリオ五輪で不当判定で負けにされたとロシアの大統領、プーチンに親指を突き立てたほどの因縁の相手、ウラジミール・ニキチン(3勝1敗KOなし)に大差判定で勝利した。

コンラン
「あの時の判定の間違いを正す必要がありました。魂のファイトをしたニキチンという男を信頼します。悪意はありませんでした。今やっと、あの時の胸の苦しみを過去にすることができます。」

各試合、それぞれにドラマがあった週末でした。

コミーVSロペス

誰かのツイートに、リチャード・コミーという男もまたノックアウトアーティストであり、初回に噛み合う、倒せる感覚を掴んだからこそあんな一撃必殺の短期決戦になったんだ。というような言葉がありました。まさにお手本のような右クロスの相打ち、より速く鋭く捕らえたのがロペスの一撃でした。あの瞬間の前にロペスがプレスをかけて左フックでコミーをよろけさせていた。あれが伏線だったとおもう。右クロスの相打ちであっても、ロペスに狙いや心理的余裕があり、コミーは相打ちする、させられるしかなかった状況だったと察します。

クロフォードVSカバラウスカス

3回はダウンのようにみえるシーンやカバラウスカスのパンチが当たるシーンも随所にあったが、クロフォードの分析、順応、対応力が凄まじい。回を追うごとに差をみせつけて圧倒してしまいました。もうランカー相手の防衛戦はいらないだろう。

どっちが強いとか勝つとかの話はまた今度にとっておきます。
今はここを眺めてフムフムと楽しむだけ・・・

ロペスVSジェルボンタ

とかアメリカ勢の潰しあいも観てみたいぞ。
打倒ロマチェンコに何人もいらない。

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