
あまり知られていないですが、これはIBF Sウェルター級の王座決定戦でした。
日本あたりでは結果しか報じられないほど無名、無関心の2人ですが、年間最高試合候補級の激闘だったようです。
バクラム・ムルタザリエフ(22勝16KO)は無敗のトップコンテンダーでしたが、ジャーメル・チャーロからずっと無視されてきました。得体が知れない、金にならない、アメリカVSロシアというのはなかなかすんなり決まりません。ずっと待たされ続けた挑戦者でした。
ジャック・クルカイ(33勝5敗、14KO)は元世界王者、エクアドル出身でドイツを主戦場にしてきたベテランです。まだやってたのかという38歳の古豪ですが、セルゲイ・デレビヤンチェンコに僅差で負けてから腐らずに8連勝、身長が170センチしかないのにアマチュアでも苦節の果て世界選手権金メダルを獲り、プロでも無骨なファイトで頂点を極めた苦労人です。きっと人に歴史ありのストーリーがある男です。
決着の11回まで、パワー優位なムルタザリエフの2-1しかし、boxingsceneでもクルカイリードとするほどの激闘、熱戦の果てに遂に力尽きたクルカイをレフリーがストップし、ムルタザリエフが無敗で王者になりました。
Sウェルター級はジャーメル・チャーロがまだ残っているのか去ったのかよくわかりませんが、かなり王座が刷新され、これで
WBC WBO
セバスチャン・フンドラ
暫定:セルヒイ・ボハチュク
IBF
バクラム・ムルタザリエフ
WBA
イスラエル・マドリモフ
となりました。
順当ならここに、テレンス・クロフォードやエロール・スペンス、バージル・オルティス、相手がいなければウェルター級のジャロン・エニスらが絡んでいくことになります。
王者がロシアやウズベキスタンなので、アメリカが挑むしかないという構図です。
アメリカVSロシア
を期待していた私の願いが叶うかもしれません。
まぁ、まずは人気者、セバスチャン・フンドラというアメリカ人が主役なのでしょうが。
そして
ムルタザリエフやボハチュクはちょっと違う、厳しそうだなと感じます。本当はブタエフとかベスプーチンVSアメリカが見たかったのだけど仕方なし。
イスラエル・マドリモフやバクラム・ムルタザリエフにアメリカのトップが挑む戦いに注目したいです。