現世界王者のアルゼンチン人を知っていますか?ボクシングマニアとしては恥ずかしい、昨日知ったのですが、このような試合が今年の3月10日に行われていたんですね。
関係ないけど来る10月7日の前にWBCシルバー王座をかけてルイス・ネリVSジェイソン・カノイなんて試合も組まれているんですね。謹慎などどこふく風、日本人だったら通常のスケジュールと変わりません。
ブライアン・カルロス・カスターニョVSセドリック・ビトゥ
数年前に不完全ガイドで全階級を俯瞰し、スーパーウェルター級とクルーザー級が激戦区である事を知りました。
[st-card id=6934 ]その後、クルーザー級はWBSSで盛り上がり、スーパーウェルター級は不完全ガイドMVPともいえた個性的な野獣、ジャレット・ハードが大躍進しました。そのジャレット・ハードの活躍ですっかり影に隠れていたのがカスターニョです。(個人的に)
ブライアン・カルロス・カスターニョ
WBAスーパーウェルター級王者
15勝11KO
アマチュア
およそ180勝
たしかこの試合で暫定がとれて正規王者に認定されたとおもいますが、であればWBA IBFの統一王者であるジャレット・ハードはスーパー王者なのかな。このハードやチャーロが君臨する、あるいは新鋭のハイメ・ムンギアに全く絡んでこないのでスルーされていましたが、カスターニョはエキサイティングで素晴らしい王者です。世界王者として全階級最も無名といえる今の立場は何だ?
少し詳しく調べてみると
2009年
イタリアのミラノで開催された2009年世界ボクシング選手権大会にウェルター級(69kg)で出場し、2回戦でジャック・クルカイに敗退
2012年
ロンドンオリンピック予選にウェルター級(69kg)で出場するも準々決勝で敗退
クルカイは結局奇跡の世界選手権優勝、ロンドン五輪予選でカスターニョに勝って本戦出場したのがオスカー・モリナという選手で、そのモリナにプロで初めて黒星をつけて出世したのがジャレット・ハードという事になります。
ハイライト映像でもわかるそのエネルギッシュなボクシング、個人的に爆裂小僧と呼んでいましたが、見逃せないのが、アマではエロール・スペンスやエスキバ・ファルカンに勝っており、WSBではまもなく勝負のセルゲイ・デレビヤンチェンコにも勝っています。この試合は3ラウンドでしたがデレビヤンチェンコより完全にスピード、回転力が上でした。
そんな、実績を持ち、試合スタイルもエキサイティングなカスターニョは、苦戦もありつつ無敗のまま暫定王座を掴み、米国メインのスーパーウェルターでは奇しくも裏街道専門となり、最近はフランスでの連戦となっています。
ミシェル・ソロを僅差で下し、そして今回が(といっても3月の試合だが)ビトゥでした。
このセドリック・ビトゥというフランス人も無名ですが、ジャレット・ハードの指名挑戦者でした。この試合まで46勝19KO2敗 負けもSDとMDだけという驚異的な戦績を誇っていました。
そして迎えたこの試合(恥ずかしながら昨日知った)
https://boxvideo.sports-web.net/best-boxing-tv/9217
かなりいい試合。未知のビトゥという選手が戦績通りの素晴らしいサウスポーだったからでしょう。それでも、運動量や積極性で勝るカスターニョが優勢に試合を進めていき、最終回でフィニッシュ。最終12回でこれだけ動けるカスターニョのスタミナは驚異的です。
セドリック・ビトゥ、素晴らしいサウスポーだが最初にして最後のチャンスだったかなぁ・・・
不完全ガイドから数年経った今でも、恐らく最激戦区はスーパーウェルターかスーパーライトだろうとおもわれます。ハナティ・シラムとかロシア勢なんかもたくさんいます。
その中の王者の一角にあって、カスターニョの無名っぷりは謎です。
早くメジャーに絡んでいって欲しい逸材です。
しかし、今のこのあたりの階級、ジャレット・ハードのフィジカルや一発当たれば倒せるチャーロのキレ、GGG相手に頑丈すぎたカネロなどをみるにつけ、カスターニョですら体格、パワー負けだろうなと感じます。
BOXRECやWikipediaではいつのまにかカスターニョの身長が185センチとなっていますが、そんなにありません。175の間違いだとおもわれます。
メインストリームの選手ばかりに目がいってしまいますが、アマでの確かな実績とプロでの裏街道、特にスーパーウェルター級には魅力的な選手がたくさんいます。そういう選手がメジャーをひっくり返す日をいつか期待したいとおもいます。
いつかのこの試合のように
そういえば、ハード挑戦へのエリミネーターとして、ジュリアン・ウィリアムスVS井上岳志ってどうなったんだろうな。ハードは怪我明けもあって、いきなりチャーロではなく、この勝者と戦うと言っていましたよ。