2018世界ボクシング不完全ガイド ウェルター級

元々順番などないですが、昨日のエロール・スペンスの劇勝を受けて、この階級でやってみました。正直、どんなランカーよりも、リオデジャネイロ五輪ウェルター級銀メダリストのシャフラム・ギヤソフが脅威だと感じる。

[st-card id=6913 ]

WBC・WBA王者
キース・サーマン
28勝22KO
29歳

パワー:★★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★

https://www.youtube.com/watch?v=Oyj1pcGIDrw

怪我で長期離脱の休養王者。
速くて器用な王者だが、対戦者レベルがあがると接戦の判定勝ちが多い。
速さで見栄え勝ちする面があり、統一王者ほどの強さを誇示できていない。
誰よりも少しだけ総合力が上でここまでこれたが、スペンスのような強い相手とやると今までのキャリアを否定されてしまうかもしれない。

IBF王者
エロール・スペンスJr
23勝20KO
28歳

パワー:★★★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★

https://www.youtube.com/watch?v=0ca0hh-MBh4

サーマンとは1、2歳しか変わらない今最も勢いのある王者。
ロンドン五輪米国代表からのプロなので、国内止まりだったサーマンらより遅れてきたに過ぎないのかもしれない。

特筆すべき動きやスピードもない気がするが、対峙すると相手より速いし、急所に的確に、積極的にパンチを当て、圧倒的に試合を支配する。
ウェルター級では極上のフィジカルと安定感がある。ダントツトップのウェルター級王者だろう。

WBO王者
ジェフ・ホーン
18勝12KO1分
29歳

パワー:★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★

https://www.youtube.com/watch?v=ZkyS4zE8VHo

自国オーストラリアで、確信的なファイトスタイルでパッキャオを破った王者。
この勝利で次戦、テレンス・クロフォードとのビッグマッチも組まれた。
そこで負けるだろうと多くの識者に予想されている。

彼自身、五輪代表エリートで技術はあるが、正攻法に戦うよりは相手の力を発揮させない、狡猾な戦術が目立つ。フィジカル押しで反則スレスレの荒っぽい事をして逃げるとか、手打ちでゴチャゴチャひっかきまわしてごまかすなど・・・

イライラ、やりにくい事をしてくるので、下の階級から上がってくるクロフォードにとっても厄介な相手だろう。

強いとはおもわないが、割と骨がある、粘る選手だとおもう。

私的ランキング

①エロール・スペンスJr★28
②キース・サーマン★26
③ジェフ・ホーン★25

注目の選手

テレンス・クロフォード
Terence Crawford
32勝23KO
30歳

元Sライト級統一王者。ウェルター級での2冠も確実視されている。
P4Pトップクラスに評価されている万能ボクサーなので説明はいらない。
ウェルター級でのパワー関係だけが気になるところ

クドラティロ・アブドゥカソロフ
Kudratillo Abdukakhorov
13勝9KO
24歳

ウズベキスタンのホープ。
いわゆる中央アジアでパンチが強い。
上位ランクなのでそろそろ挑戦できるか?

映像のヘンチクリンなボクサーも世界ランカーであり
これが初KO負けであった。

https://www.youtube.com/watch?v=NW5spdXWXRg

コンスタンチン・ポノマレフ
Konstantin Ponomarev
32勝13KO
25歳

昨年、オカンポとの無敗対決を謎のキャンセルでランクが落ちた。
指名挑戦者の位置までいたが、昨年は試合枯れ。
何かあったのかな。
迫力もパワーも上手さも感じないが、しぶとくて負けない。
米国ホープを潰しまくっていたので、このまま消えて欲しくはないが
王者になる説得力はない。

エギディウス・カバラウスカス
Egidijus Kavaliauskas
18勝15KO
29歳

[st-card id=15044 ]

こちらに書いた通り。
超剛腕フッカー。当たれば倒せる、空転すれば負ける。
トップアマの下地があり下手なファイターではない。
が、やっぱりわかりやすい倒し屋

ジャマル・ジェームス
Jamal James
22勝10KO1敗
29歳

[st-card id=14715 ]

こちらに書いた。ディエゴ・チャベスをKOしランク入り。
190センチ近い長身と独特のリズムで上を目指す。

https://www.youtube.com/watch?v=dfFxegIOi68

カーマン・ルジャラガ
Kerman Lejarraga
24勝19KO
25歳

スペインのスラッガー。
頂点も挑戦も無理だとおもうが、結果は出している。
米国デビューもKOで飾った。
ひょっとしたらこういう無印の若いスラッガーの方が可能性があるのかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=9I5R-8nEFI8

テワ・キラム
Tewa Kiram
38勝28KO
25歳

マティセとの王座決定戦で真価が問われるアジアの大砲。
教科書通り。基本に忠実。アジアのウェルターは本場に比べ遅いが
これが通用すれば歴史的快挙だ。

相手は超強打者だが、階級下から上げてきたベテランなのでチャンスもあるはず。

カルロス・アダメス
Carlos Adames
13勝11KO
23歳

ドミニカの無敗選手。かつてクロフォードのスパーリング相手をしていた。
ボコボコにされていたが、大きくパワーがあるのは彼の方。
ドミニカは素材は素晴らしいはずだ。

ファビアン・マイダナ
Fabian Maidana
14勝10KO
25歳

マルコスの弟。WBAはやや南米選手を優遇している。
名前があるのでチャンスを掴むかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=dlzqpkyM_dA

ロベルト・アリアザ
Roberto Arriaza
15勝12KO
27歳

ニカラグアの無敗選手。
堅実に強いが、中量級で南米王者というのが
難しくなっている気がする。

ザンコシュ・トゥラロフ
Zhankozh Turarov
22勝15KO
27歳

カザフスタンのホープ?
GGGの国なので過大評価している。
しかし詳しいアマ歴などは不明。
中央アジアなボクシングではかなりいい線いってるとおもうので
本場との激突を期待したい。

https://www.youtube.com/watch?v=RxbR-XzGuzA

カルロス・オカンポ
Carlos Ocampo
22勝13KO

メキシコの無敗ホープ。
メキシカンなので好戦的。
王者クラスには通用しないとおもわれる。

ブラッドレイ・スキート
Bradley Skeete
27勝12KO1敗
30歳

タイトルマッチを求める声を最近よく聞く選手。
イギリスのローカルアマ
細く脆そうで厳しいとおもう。

https://www.youtube.com/watch?v=UJt9QJ7WNcs

ラシディ・エリス
Rashidi Ellis
18勝12KO
24歳

本場で王者クラスに割って入りそうな逸材。
速くキビキビしているが、昨年は試合枯れ。
国内止まりか?

ヨンデニス・ウガス
Yordenis Ugas
20勝9KO3敗
30歳

3敗しちゃった失敗系キューバのトップアマだが、復活のきざし。
アマチュアの実績ではスペンスやクロフォードより上。

ジョバンニ・サンティリャン
Giovanni Santillan
20勝13KO
26歳

米国で無敗を維持しているサウスポー。
ローカル臭が漂う。

https://www.youtube.com/watch?v=MeYVNokXPPI

タラス・シェレステュク
Taras Shelestyuk
16勝10KO
32歳

世界選手権金
ロンドン銅メダル
スペンスが勝てなかったセリク・サピエフに勝った事もある。
アマではこちらが格上。しかしスペンスとの直接対決ではスペンスが勝った過去がある。

カスティオ・クレイトン
Custio Clayton
13勝9KO
30歳

ロンドン五輪カナダ代表
地元ではかなり期待されているよう

ショージャホン・エルガシェフ
Shohjahon Ergashev
11勝11KO
26歳

Sライトにクレジットされているがウェルターと両睨みだろう。
スペンスやサーマンのような米国トップを崩すとしたら、ロシア、中央アジア系だとおもう。
そしてなぜかこの階級はウズベキスタンが強い。
米国無敗ホープのソニー・フレドリクソンとは大人と子供の差であった。

https://www.youtube.com/watch?v=pd2TXJZs3Z4

シャフラム・ギヤソフ
Shakhram Giyasov
0勝
24歳

まだプロデビューが決まっただけ。
リオ銀、世界選手権金、アマでもトップクラスに評価されている選手がプロ入り。
キャリアがないが、トップランカーよりも彼の方が、王者にとって脅威であるとおもう。
トップに君臨していたキューバの技巧派ロニエル・イグレシアスも完璧に攻略した。
アマっぽさも残るだろうが、パワーがあるのが中央アジアのトップアマの共通項。
あとはカザフスタンと同じくどういうプロモートでキャリアを積めるかだ。

スペンスがメダルに届かず、村田が金という不思議。
(階級は違います。)

スペンスは28歳とボクサーとしては若くはないが、プロ向き、今が最盛期という面もあるのだろう。

しかし世界ウェルター級、日本人にとり最難関のひとつでもあるこの階級は、実は今ちょっと空洞化している。そんなに強い選手がランキングにいない。スター不在である。

スペンス、サーマン、クロフォードの米国勢を主役に周辺の米国勢がそれを追う形だろうが

エギディウス・カバラウスカス
ザンコシュ・トゥラロフ
タラス・シェレステュク
ショージャホン・エルガシェフ
シャフラム・ギヤソフ

このような旧共産圏、ロシア、東ヨーロッパ勢に期待する。
世界挑戦までの道のりは大変だろうが、アマでは彼らの方が強かった。

プロになったとたん米国勢が目立つのは環境のせいである。
米国の王者は共産圏の強豪と戦わなければ本当の世界王者とはいえない。

重量級のように、勢力図が変わることを期待する。

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