罪の余白/カネロを巡る冒険

WBCはカネロをフランチャイズチャンピオンと認定し正規王者はジャモール・チャーロにする。フランチャイズチャンピオンは引退したら名誉王者となる。フランチャイズチャンピオンに勝つと正規でもフランチャイズでもなくダイアモンド王者となる。年間2試合はWBCに関連した試合をするが、指名戦などにしばられず、好き勝手に相手を選べる。

WBCの暴走も目が当てられない。

先日のGGGの復活を受けて、9月14日(日本時間15日)を予定しているカネロの次戦の話題が慌ただしくなってきました。みんなカネロとやりたい、次にカネロとやるのは俺だ、と息巻いています。

そこでまとめてみました。

ゲナディ・ゴロフキン
「9月にカネロとの3戦目が実現すると信じている。1.2戦共に勝ったとおもっているからこれは単なるビジネスだと考えているがファンが望んでいる壮大なドラマだ。」

カラム・スミス
「私の口からは声を大にして言えないが向こうから俺の名前を出してきた。大歓迎だ。こういうビッグファイトがやりたいんだ。兄のリアムの仇でもある。」

デメトリアス・アンドラーデ
「次のスレッキ戦に勝ったら俺しか残っていない。GGGは俺との対戦を避けた。カネロもデラホーヤも知っている。残るベルトは俺だけだ。」

ジャモール・チャーロ
「次のブランドン・アダムスに勝ったらもういいかげん戦いたい。今はGGGよりもカネロだ。俺はメキシコが好きだ。メキシコでいい。ネットワークのせいになんかしないで俺と戦ってくれ。(意味ないが暫定王者なんだ)」

セルゲイ・コバレフ
「アンソニー・ヤーデとの試合やライトヘビー級の統一戦の話もあるが、カネロなら話は別だ。俺の名前を出してきたみたいだがそれが本気なら喜んで受けてたつ」

エロール・スペンス
「俺は大きなウェルター級だしそのうち階級を上げようとおもってるし出来るなら夢が叶う。やってやるさ。俺はマイキーのようにはならない。」

ダニエル・ジェイコブス
「・・・勝利に値することはやったとおもうけど、後で試合を見直すよ。スーパーミドルに上げよっかなぁ。」

その他のミドル級
「カネロのようなビッグネームとやりたい!やりたい!やりたい!」

各選手のコメントは過去にこんな感じの発言してたなぁ程度です。すみません。
「罪の余白」というタイトルはそういう映画(小説)がありまして、追い詰め、追い詰められるといった内容で、今お金の頂点に君臨するカネロは全ての栄光を勝ち取ったようでいて追い詰められてもいるのではないかという皮肉からです。昔誰かに終わりの始まりとタイトルをつけた時と似たようなニュアンスです。

しかしイニシアチブは常にカネロ、ゴールデンボーイプロモーションにあり、Aサイドを強調します。俺たちが相手を自由に選べるんだと。金の帝王には団体の選択試合の拘束力もないようでIBFがデレビヤンチェンコ戦の指令を出したものの即日撤回されました。

「GGGよ、主役はカネロだ。ロールズなんて無名じゃなくベルトを獲ってこい、そしたら3戦目もアリだ」と息巻くデラホーヤ、次なる相手が誰になるのか全くわからないながらも、2つの視点から裏をみていくとスンナリ答えがでるのかもしれない。

①スケジュール

9月16日がメキシコの独立記念日だと考えるとスケジュールは動かせない。となると

6月15日、ジャモール・チャーロVSブランドン・アダムス
6月28日、デメトリアス・アンドラーデVSマシエ・スレッキ

はかなりギリギリのラインだ。アダムスは人気番組コンテンダーを勝ち抜いたミドル級でイエフゲン・キトロフに痛恨のプロ2敗目を与えた。キトロフにはじめて土をつけたイマニュエル・アリームは先日マット・コロボフと引き分けておりチャーロの優位は動かないが雑魚ではない。

スレッキはジェイコブスと接戦を演じた。安全運転志向のアンドラーデが眠たい試合で無傷で勝つこともありえるが簡単な相手ではない。アンドラーデは大物気取りだが大物とは一人も戦ったことがない。

それなりに苦戦するとしたら9月は間に合わないだろう。最近の王者は3カ月スパンで試合などしない。スケジュールが理想的なのはカラム・スミスだが、ロッキー・フィールディング戦のようにはいかないだろう。

②ネットワーク

ボクシング=カネロ=DAZNというくらい、お金で結ばれた太い絆なのでDAZN放映が絶対条件だ。いくら吠えてもネットワークの壁は高く、プロモーションとネットワークが手を結んだ、ロマチェンコVSリナレスのような例外がこの数か月で実現可能だろうか?

そう考えると

デメトリアス・アンドラーデ
ゲナディ・ゴロフキン
カラム・スミス

しかいなくなる。

①と②をあわせて考えると、カラム・スミスしかいなくなる。

けれどデラホーヤの話は迷走しているし、スミスは本格的なスーパーミドルだ。人気的にも今が旬かはわからない。個人的にはカラム・スミスのような風貌の選手には脆さがありそうで真の実力は測りかねるところがある。ジョージ・グローブスもハッサン・エンダムも豪快にダウンする選手だし・・・

本当の帝王、金主、DAZN本部はGGGとの3戦目、3戦と言わず需要があるなら4,5も大歓迎のようだ。それが一番契約者の獲得に繋がる、お金になるからだ。

条件、状況を踏まえるとこうなるがそれじゃつまらないので、デラホーヤが心底ではやりたそうなエロール・スペンスを抜擢したい。スペンスがポーター戦にサインしてないのが注目。これはこれで新たなファン、好奇心を煽るビッグマッチだろう。しかしスペンスがOKならなぜ同じPBCのチャーロをずっと無視してるんだという批判も受けるだろう。DAZNにイニシアチブを握られて、謎のおっさんアル・ヘイモンが何をおもうかわからない。

本当は、ゲイリー・ラッセルのようにビッグマッチを求めてプロモーションを飛び出すべきである。リスクは伴うが交渉の障害はなくなる。

カネロ最大の保険としていつも帯同させてた、デビッド・レミューが自滅しちゃっては、カネロにも楽な出口はないはずだ。ソーンダース?追い詰めているのは、追い詰められているのは果たしてどっちなのか、誰にもわからない・・・

おまけ

スペンスからコバレフまでを視野にしているカネロ・・・
それだけで驚くべき事だが、もっとわかりやすい例えだとこうなる。

[st-card id=65899 ]

https://twitter.com/i/status/1138083282107523075

関係ないが朝から新鮮だったので貼っておく。
勝った方ウェルター級くらいかとおもったが、負けた方がデカすぎるだけでヘビー級でした。

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