日本人にチャンスのある階級なので、興味深く観戦。
クリーンな試合とはなりませんでしたが、KO負けのない骨のありそうなアバロス相手にこの結果は予想外でありました。
両者、似たスタイルですが、蓋をあけてみるとフランプトンの方が脇が閉まりパンチがコンパクト、アバロスはやや大振りで脇が甘い。
ショートレンジではコンパクトなフランプトンのパンチ、ロングレンジでも打ち終わりのカウンターの鋭さでフランプトンが上回る展開。
しかしフランプトンは小さくリーチもないハンデを、左を伸ばしたままでやりにくさを出したり、接近したらクリンチなど、ずるさを遺憾なく発揮、たぶんクリンチの際、相手の腕を固めているのだろう、2ラウンド、アバロスは腕が痛いそぶりを見せその隙にフランプトン連打。
レフリーもアバロスも悪いが、余計な被弾をしてしまった。
結果的には、クリンチで腕を痛め体力を削ぎ落されたアバロスの完敗、技術もそうだがむしろ、体力、馬力でフランプトンがケンカ勝ちしたような結果となった。予想よりアバロスの完敗。
まさか自分の得意な殴り合いでこんなにボコボコにされてしまうとは。
英国で大変な人気のフランプトン、スコット・クイッグとの統一戦に向かうのが決定的だろうが、クイッグは負傷休養中。
圧倒的にフランプトン有利だろうが、クイッグもパワーがあり体格で勝る、クイッグを応援したい。
順当にいけば、フランプトンはサンタクルスを抜いて、Sバンタムで2番目の評価、人気は1番となるだろう。
この選手の強さは、まず小さな体に馬力、体力が宿っており、押しあい、もみ合い、要は相撲、レスリングが強い。
リーチは短いが、パンチは全部渾身のパワーがのった軌動の短いブローとなる。
脚を使ったボクシングもそれなりだが、基本的にはケンカ屋、小柄なファイターボクサーだ。
先日の和氣の一撃アッパーは当たりそうだし魅力十分だが、この相手には押される、クリンチも反則スレスレのダーティーさもあって、きれいには戦わせてくれないだろう。
長谷川にしてもポイントはとれそうな相手だが、キコ・マルチネス以上に頑丈でプレッシャーもきつい相手になるだろう。
階級下げたドネアには負けそうな古風なスタイルのフランプトン、小型カネロというべき存在だ。
リコンドーのような絶望的な相手ではない、誰か日本人がこの英国のアイドルをぶち破って欲しい。
まさに、これだよこれ、山中がもう一段ステップを上がるには格好の相手だ。
これほど屈強なタフスタイルを左でクールにノックアウトできれば山中は世界に名が轟く。