名王者ナルバエスからの衝撃の王座奪取により
世界でも2014のMVPの声高い、前途輝く井上尚弥。
五輪金だろうが、プロではゾウシミンを逆転できると確信できる。
そしてロマゴンに一番勝てそうな男だとも。
そんな井上尚弥のその試合ぶり、スタイルがかつての名王者トリニダードとかぶってみえる。
打たれ脆さはあるのもも(井上は未知数)
若いのに常に攻撃的な姿勢、切れ味鋭いパンチの質
早い回で一撃でKOできるパンチャータイプ
万能だが特に左フックの切れ味が天下一品
強さの質がトリニダード的だと感じる。
しかしトリニダードは20戦目の初戴冠だからそれに比べ井上は8戦で2冠
ウェルター級を15度防衛し在位7年で返上した、トリニダードのようなキャリアを築けるだろうか?
あるいは殿堂入りした彼を超える実績を。
トリニダードに匹敵する、あるいは凌駕しているここまでの井上だが
現在の適正体重であるSフライ級にしばらくはとどまるだろうがトリニダードのキャリアよりも早く、恐らく10戦程度で最強王者、ロマゴンやエストラーダ級との試合が実現するのだろう。
さらにナルバエスには圧勝したものの、俊才タイプのクアドロスや強打の長身サウスポーテテなど、やってみないとわからない対立王者や強豪ランカーもいる。
Sフライナンバーワンの評価はあの一試合で得たとおもうが、全てがまだこれからである。
大橋会長は
「具志堅の記録を抜く」とも「5階級制覇を目指す」
とも発言しているが、本人の希望を最重視し、今後のキャリアを大事に築いて欲しいと願う。
トリニダードはウェルター級の王者として光り輝いていたし、もっとも強く、かっこよかった。
ミドルに上げて、生涯の3敗は、バーナード・ホプキンス、ロナルド・ライト、ロイ・ジョーンズと、骨格の大きな階級上の相手だった。
トリニダードにとってのデラホーヤは
井上にとってはロマゴン、エストラーダでありバーナード・ホプキンス、ロナルド・ライト、ロイ・ジョーンズはドネアやリコンドーやウォータース、ロマチェンコだ。
日本人初の5階級制覇は偉大な夢だが、トリニダードが輝きを失った、前例のような階級アップ路線には反対だ。
幸い、フライ級を中心に未だ井上より評価の高いタレントは揃っている。
Sフライを飛び出すことなく、ずっとこの階級で、トリニダードを超える偉業を成し遂げて欲しい。
Sフライの歴代P4Pになれる器だし、日本人でP4P現役5位以内に入れる。
エルナンデスやナルバエスは井上を過小評価して臨んだ気がするが、相手がトリニダードみたいな俊才だと事前に知っていたらどう対処しただろう?
勢いだけのまだ青い若手とおもっていなかったか。
実力を過小評価されるいままでの世界戦はもう終わりだ。
これからは2014年のMVP、ナルバエスを2回で4度も倒し圧倒した男だと警戒されまくることになる。
まだ8戦しかしていない井上尚弥だが、彼にはリカルド・ロペスのような、末永い活躍、最強無敗伝説の夢を託し見届けたいとおもう。