日本で行われる世界タイトルマッチ以上に緊張したこの試合、ほとんどの日本人は何も知らないのだろうけど・・・
結果は120-108のフルマークのユナニマスでポール・ウィリアムスの圧勝劇と出ましたが、内容はわずかな差の積み重ねであったとおもいます。
最近内容のおもわしくないウィリアムスにとっても再浮上に重要な試合でしたのでさすがに仕上がりはよさそうでした。
やはり反則的に長い腕、上半身の大きさを生かしたウィリアムスの攻撃の迫力は同等の体格を誇りながらもリーチが短く石田のコンパクトなパンチに比べ見栄えがいい。しかもこの男の厄介なところはガンガンとプレッシャーも手数も出してくるところ。
そんな見栄えの派手さと手数の前に大差で屈しただけのように感じました。消耗、ダメージは互角くらいのような、点差に表れない接戦でありました。
ウィリアムスの大きなパンチやプレッシャー、ヒヤっとするタイミングのパンチにドキドキしましたが石田は回を追うごとにパンチを見切り、ビッグパンチのほとんどをかわしていました。そのディフェンスワークは卓越したものがありました。ここまで対抗できる日本人はまずいないでしょう。
カークランドと違い、コンパクトでシャープなパンチでウィリアムスを止める、効かすことはできませんでした。やっぱりこの男は強いというか規格外にやりにくい身体的特徴の際立ったボクサーです。並みの相手なら世界王者に復帰するでしょう。
年齢的に進退も懸念された石田ですが続行とのこと、結果ほどに評価を下げた内容でもなく逆にカークランドを初回KOしたミステリアスな全貌が明らかとなり試合チャンスは増えるような気がします。
結果わかったことは
石田にとりこの階級での世界はやはり厳しい。しかしここまでできる日本人は他にいない。
ポール・ウィリアムズは身体能力が秀でた特異で厄介な存在、しかし雑で単調で穴はたくさんある。
ジェームス・カークランドはザルホープ。パワーとアグレッシブだけの危うい存在。
ということを改めて確認しました。
この日はセミで無敗のタボリス・クラウドがガブリエル・カンピーヨに地元判定で勝ちを拾う試合を目撃しました。
こんな露骨なリングでは石田のフルマークも仕方ないです。
世界王者とかベルトとかもうあまり意味を見いだせなくなってきている昨今、本場、人気の階級でひとり躍動する石田をずっと応援、支持していきたいとおもいます。