
この男がWBAスーパーウェルター級王者であることはあまり知られていないだろう。
メイウェザーの引退、エリスランディ・ララのスーパー王者格上げに伴い、暫定から自動繰り越しされる模様だ。
ジャック・クルカイ(エクアドル→ドイツ)
21勝1敗10KO
元アマ世界王者といえば輝かしいが村田諒太によく似て敗戦も多いたたき上げ。
アマチュアの戦績は95勝28敗3引き分け。
何といってもエクアドルという国籍が貴重だ。
かつてバーナード・ホプキンスが最も苦戦したというセグンド・メルカドというのもエクアドルのボクサーだったが、ホプキンスのようにはなれなかった。
クルカイはエクアドル生まれのドイツ育ち。
スタイルは中米と欧州がミックスされたような感じ。
兄の方が有望な選手だったが、生活のため戦地に赴きボクシングを諦めたというストーリーはゴロフキンと同じだ。
家族や兄の分まで背負って戦う移民ボクサー。
ボクシング自体も村田諒太的だ。
172センチの小柄なガッチリ体型からインファイトを活路にのしあがってきたはずだが、欧州ミックスで妙に慎重でおとなしいアウトボクシングもみせる。
プロでは一敗が命とりになる、それが影響しているのかもしれない。
しかし村田同様この男のストロングポイントは戦車のごときタフファイトと精神力のはずである。
天才ではなく明らかに雑草、努力型だ。
未だ無名ながらついに夢の世界王者にたどり着いたクルカイ。
アマの宿敵デミトリアス・アンドラーデやチャーロ兄弟のような華はない、泥臭い選手だが、反骨精神だけは誰にも負けないものがありそうだ。
今後の活躍を見守ろう。
観客の沸き方がやはりドイツ特有だ。