セントルイスのショーストッパー/ステフォン・ヤング

元々試合予定だったとはいえ、3日前に決まった大一番への出場を前に、ステフォン・ヤングは大歓喜、やる気に満ちている。
なかなか男前な発言をしているので紹介します。

今週水曜日、ステフォン・ヤングはキャリア最大のチャンスを掴んだ。試合までわずか3日というタイミングでWBSSバンタム級の準決勝に負傷したゾラニ・テテに変わって参加することになったのだ。相手はノニト・ドネアだ。

ヤングは元々この日のアンダーカードに出場する予定だったが、最後に最高のチャンスを掴んだ。

ヤング
「いつか自分にチャンスがやってくるとおもっていた。それがいつになるかがわからなかっただけで。土曜日に備えて、俺は3人のファイターを意識していた。実際に戦う予定だった相手、そして両王者のドネアとテテだ。」

ドネアのような知名度の高い王者と戦うことはヤングにとっては大きなチャンスだ。

ヤング
「ドネアは素晴らしいファイターだ。でも俺は自分のことはわかっている。自分を信じている。この試合は多くのことを意味する。俺の新しい章のはじまりに過ぎないんだ。」

もし勝利するような事があればヤングにとっては人生の大逆転だ。彼は18勝1敗3分の記録を持っている。唯一の敗北はWBA暫定王座タイトルマッチで無敗のレイマート・ガバリョに屈したものだ。その他の引き分けはニコライ・ポタポフ、アントニオ・ニエベス、サミュエル・ジュード・ユニゲスだが、これらの結果は単なる不運だと考えている。

ヤング
「俺はB面で戦ってきたんだ。いつもアンダードッグとして扱われてきた。引き分けた試合は全て勝ったとおもっている。ただ、相手のプロモーターが組んだ試合だった。相手が勝つべき試合、俺に負けるわけにはいかない試合だった。それでも奴らは俺には勝てなかったんだ。でも、これらの試合で多くを学んだよ、俺自身奴らを圧倒できなかったんだ。不十分だった。でも今回は違う、アクセルを踏んで誰もが認める勝ち方をしなければならない。そうしなければならない勝負の時があるんだ。」

ヤングが歓喜しやる気をみせる一方で、ドネアにはテテとWBOタイトルを見失った喪失感があるかもしれない。

ドネア
「聞いてくれ、テテが肩の腱鞘炎を起こしたと聞いた。今は早く傷が癒えることを願っている。テテは自問自答しなければならない。俺も同じだ。自分や家族を犠牲にしてこの日のために懸命にトレーニングし減量してきた。結局、他の誰かの怪我にまでは責任は持てない。

だから今はステフォン・ヤングに対して全力で立ち向かわなければならない。ラファイエットのファン、友人や家族のため、ファイナルラウンドに進出するためにここに来たんだ。」

ヤング
「ドネアは熟練したベテランで、王者だ。昔から王者で今なお王者だ。王者は適応を熟知している。俺はタイトルのない王者だ。今はそれでOKさ。

試合はテクニカルなものになるだろう。ドネアは俺を圧倒しようとするだろう。真っ直ぐ立って堂々と自信を込めてあらゆるパンチを打ち込んでくるだろう。そんなドネアに俺はスキルを駆使して立ち向かうよ。

俺はスリックなボクサーだ。スピードもフットワークもある。そして堂々と打ち合える。」

ヤングは強い決意に満ちている。

ヤング
「俺はセントルイスシティー出身だ。もう長い間この街から王者は誕生していない。今俺がこのレベルに到達した事はそれだけで夢が叶ったようなものだ。俺の住む街は目まぐるしく変容してきた。そんな街で俺は人生で本当にすべき事を見つけなければならなかった。すべき事に集中しなければならなかった。この街の多くの人にはそれがわかっていない。理解できないんだ。この街のストリートライフは全てを奪い去ってしまうんだ。」

今、ヤングは完璧な機会を得た。

ヤング
「タイミングが全てさ。その時が来た、時間通りに。」

https://www.youtube.com/watch?v=BOgeYrsW_EA

最後のセントルイスのくだりがなかなかクールです。
街は全てを奪い去る、覆いつくす・・・惰性と平凡に生きていると本質を見失うことがあるという意味かな。そんな環境で集中できるなにかをみつけた者は強い。共感する。

一番この大会に並々ならぬ意欲と情熱をみせていたテテの欠場で一気に気分が萎えてしまったが、ヤングにとっては宝くじが当たったようなもので、覚悟はできている、アップセットを起こそうと躍起だ。

実力ではテテに遥かに劣るとおもうが、素質は高く、スリックで捉えにくいテクニシャンである事は間違いない。元来ディフェンシブなスタイルなので倒すのはなかなか難しいだろう。破壊的でKO率が高いガバリョもダウンは奪ったが判定だった。フィジカルパワーで上回っただけだった。空気を読まず、ヤングが勝って決勝に進むことほど白けることはないが、ヤングにとってはそんなの関係ない。

WBSSシーズン1のスーパーミドル級で優勝したカラム・スミスは決勝のジョージ・グローブス戦よりリザーバーのニッキー・ホルツケンの準決勝の方がずっと出来が悪かった。

ドネアの勝利が望まれるし、当然そうなるとおもうが、全てはドネアの出来次第だろう。

ヤングのニックネームは“show-stopper”

ショーが一時中断されてしまうほどに拍手喝さいが起こる)名演奏、名演技
トーナメントを止めてしまうような深刻な問題

両方の意味にとれる。

ヤングはやる気だ。

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