
相手がどんなに強くても、怖くても、そんなの関係ねぇとばかりに自分の才能、勝利だけを信じて何事にも恐れず向かっていく。受けたオファーからは逃げない。そんな性格、姿勢は気持ちいい。遠くフィンランドから面白いボクサーがマディソンスクエアガーデンの大舞台にやってくる。思い切りダンスを楽しむために・・・
見込み通りに行くならば、トッププロスペクトのテオフィモ・ロペスのキャリアはこの先10年、20年、それ以上輝き続けるだろう。その時、ブルックリン生まれのテオフィモ・ロペスが過去にどんな試合をしてきたか足跡を振返ることもあるだろう。ディエゴ・マグダレノがこれまで戦った最もビッグネームといえるが、現在21歳のロペスはすぐにでももっと大きな名前、世界タイトルに絡んでくるはずだ。しかしロペスが世界に飛躍する前に、彼の実力を試すファイターたちが立ちはだかる。
次なる刺客はエディス・タトリだ。
4月20日、マディソンスクエアガーデンの大舞台でテオフィモ・ロペスはまた大暴れをしようとしている。テレンス・クロフォードVSアミール・カーンの前座で、そんな未来を約束された若者を狂わせようとする刺客は遠くフィンランドからやって来る。エディス・タトリ(31勝10KO2敗)は無名だ。フィンランドという国のボクシング事情さえ、正直なところ全く知られていない。
しかし、それが「プリンス」というニックネームを持つ31歳のエディス・タトリを貶めるものでもない。エディス・タトリ(31勝10KO2敗)とは一体どんな男なのだろう・・・
タトリ
「ナシーム・ハメドのボクシングに感銘を受けてボクシングを始めたんだ。最初はフィットネスクラブだったんだけど、トレーナーの手ほどきを受けてアマチュアボクシングをはじめた。すぐにボクシングは自分に向いているとおもった。とても得意だったんだ。」エディスは他にも空手などに親しみながらボクシングを続け、アマチュアで55勝8敗、フィンランド国内王者とインターナショナルGeeBeeボクシングトーナメントで優勝した。
タトリ
「プロで2敗しているけど、個人的には負けたのは1度だけだとおもっている。2017年にフランシスコ・パテラにスプリットで負けたけどすぐに再戦でリベンジした。負けないためには全ラウンドを獲りに行く積極性が必要なんだと学んだよ。」タトリ
「2015年にイバン・メンディに勝ってヨーロッパタイトルを獲ったのが一番のファイトだ。これで自分が世界レベルであることを証明できたとおもう。」フィンランドのボクシングについて
タトリ
「悪くないよ。女子のスーパーフェザー級世界王者、エヴァ・ワウルストロムがいるしヘビー級のロバート・ヘレニウスはフィンランド最高のプロボクサーさ。そしてもちろん僕もね。」映像でタトリを確認すると、スピード、フットワーク、手数など能力の高さがわかる。しかし頭の位置が一定なのでそこをロペスに狙われる可能性が高い。破壊的なパンチャーのロペスに対し、この課題に取り組んでいるだろうか?
タトリ
「僕は占い師じゃないけど、これだけは約束するよ、相手うんぬんではなく、自分が勝つことだけしか考えていない。世界王者になるという僕の夢は誰にも邪魔させないよ。」タトリはフィンランドで『Dancing With the Stars』を受賞したことがある。
タトリ
「いい経験だよ。フィンランドでこれを受賞したスポーツ選手は僕がはじめてなんだ。」
期待の超プロスペクト、テオフィモ・ロペス陣営はよくこんな相手を見つけてきたなというべきですが、世界ランクをくまなく見渡して、調べまくってオファーしたのだろう。
対する、フィンランドのエディス・タトリ、BOXRECでは超イケメンですが、写真によって印象が違います。
(31勝10KO2敗)KO負けはなしという立派な戦績を誇ります。
たぶん地元ではダンスコンテストなどをみても、ある程度知られた名前であり、著名人であり、成功者なのでは?という雰囲気があります。巨人の国フィンランドではチビでしょうが、イケメンで楽天的でノリがよさそうです。
相手が誰だろうが、自分が勝つことしか考えていない。
フィットネスクラブからはじめてダンスも達者。
なんだか底抜けに明るくて能天気なナイスガイを感じる人柄だ。
恐らくこの立派な戦績でも、テオフィモとは年齢差、パワー差、勢いの差が顕著で、かつてないパンチを食ったり、人生初のKO負けをするかもしれないが、世界王者になるという夢を、スーパールーキーのテオフィモにも邪魔させないで、飄々とタトリのボクシングを披露して欲しいと感じました。
実はまだじっくり観ていない・・・
これからエディス・タトリのボクシングを観ようとおもいます。
そして、いくらテオフィモ・ロペスがすごいといっても、この先20年はないでしょ。
近いうちに試練の時は来るでしょう。
それがエディス・タトリであったら面白い。